■2012年12月17日:ラジコンヘリコプターを買ってみた
この手のものは日本などでも売られており、
大昔は模型店などで田宮のラジコン・カーと並び高価な代物で、
ラジコン・カーは分かるのだがこんな安っぽい飛行機やヘリコプターのラジコンが本当に空を飛ぶのか?
疑問で、前から試してみたい気持ちもあったのだが、
理屈で考えれば人を乗せて飛ぶ乗り物と同じように作ってあれば、飛んで当たり前である。
EMPORIUMにて購入。
価格は3,000THB以上するものもあったが、一番安い1,950THBのものを購入。
今まで知らなかったのだがMカード(同店の会員カード)にポイントが溜め込まれており、
現在2,500THB程度あり(5年分の買い物の成果だ)、このアイテムについては最大20%ポイント割引できるという
(商品によって割引可能額が異なる。ポイントが沢山あっても、全額ポイントで購入できるわけではないらしい)。
またこの割引制度は常に実施されているわけではなく、
今回のように年末プロモーション等がある際のみ利用可能であり、
そういう場合に従業員から案内されるようになっているとのこと。
結局価格は1,596THBだった。
この日のタイバーツの為替レートは1THB = 約2.73円だったので、約4,357円だ。
後述するがラジコン・ヘリの1日のチャーター料金としては決して安くないが、
初体験のエクスペリエンスの投資としては、高くもないだろう。
こちらがパッケージ写真。 何故か靴屋での撮影だがご愛嬌ということで。 以前はF22等も売っていたのだが、最近はヘリコプターしか無いようだ。 固定翼機のラジコンがどうやって飛ぶのか不明(滑走する?)なため、 F22は買わなかった覚えがある。 この日は23時の閉店までEMPORIUMにおり、久しぶりに妻と買い物を楽しんだ。 (EMPORIUMの営業時間は公式には10:30-22:00、だったと思う) 12月の初週はMIDNIGHT SALEと称してさらに遅くまで営業していた。 |
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シルエットは美しい。ボディ・カラーは赤・黒・青の3色あり、 写真はブラック・タイプだがこの雄姿に惚れて買ってきた。 |
照明まで付いている懲り様。 |
さて、買って帰る前に店内で店員が実演してくれたのだが、そのホバリングする姿に感動した。
しかし振り返ってみればこの店員はかなり熟練しており、ホバリングなど至難の業であることが後に判明する。
早速家に帰って遊んでみたが、まあコントロールの難しいこと。
何度も墜落を繰り返し、壊れるのではないかと思ったが、
本機は要所要所はステンレスで補強されており、また機体自体も軽いため
墜落のダメージは小さいようで、中々壊れなかった。
昔さんざん遊んだフライト・シミュレーターを思い出して何とか飛ばせるようになった。
若い頃は飛行機少年だったのだ。
しかしながら自分が乗っているわけではないので、向きの判断が困難で、
思った方向に飛んでくれないorz
飛行機というのは要するに揚力があって初めて宙に浮いていられるのであって、
その時点で推力があると推進できるのである。
一旦揚力を失ってしまったら、コントロールを取り戻すのは容易ではなく、
まして部屋の中のように2mそこそこの高さでは不可能だ。
飛行機には失速速度、つまり揚力を失う速度があり、
飛行機の着陸の成否はこの失速速度直前までスピードを落とした際に、
降下時にどれだけ安全な高度まで降下しているかによる。
従って調整するために着陸にはある程度の距離が必要になる。
ご存じ無い方のために、飛行機の方向転換には大きく分けて2種類あり、
それぞれヨーとロールと呼ばれる。
ヨーと言うのは垂直尾翼の方向舵(ラダー)で行われ、これは飛行機の頭を進行方向に向ける働きをする。
要するに「首を振る」イメージである。
これに対してロールというのは、主翼の補助翼(エルロン)を使って、機体全体を90°傾ける(バンク)。
その状態で、「上昇する」操作を行うと、傾いている方向に向かって「旋回(ロール)」できるのである。
もちろん、「ロール」操作は普通は旅客機等では行われない。
そんなことをしたら、中の乗客にどのような影響が及ぶか?
想像するだに恐ろしい。
なお上昇・下降は水平尾翼に備え付けられた昇降舵(エレベーター)で行う。
「フラップ」というのは低速時に必要な揚力を得るために使われる装置である。
さて、ここまでは固定翼機の話である。
回転翼機(ヘリコプター)というのは固定翼機と違って、後方のエンジンの推力によって
翼に生まれた揚力に乗って飛行する方式と異なり、ローターから生まれる下向きのモーメントによって揚力を得る。
固定翼機は前進しながら上昇が可能だが、ヘリコプターは推進と上昇が別なのである。
操縦桿(サイクリック)の操作だけでは真っ直ぐには飛べない。
前進しても後退しても揚力を失うので、常にスロットル(コレクティブ・ピッチ)を開けておかなければならない。
このため、2つの操作を同時に行わなければならないので、難しいのである。
着陸にしてもヘリコプターの場合はホバリングしたまま徐々に降下すれば良いのだが、
言うは易し、ちょっとでも姿勢が傾いていればローターが地面を叩いて横倒しになってしまう。
昔NovalogicのComancheというゲームでは、姿勢制御に躍起になっている間に、
ソ連の地対空ミサイルで撃墜されてしまったものだった。
何度も墜落しているうち、ついにバッテリーを差しても充電しなくなってしまった。
可哀想にラジコン・ヘリコプターの儚い命は、セミの寿命にも及ばなかった。