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■2012年4月22日:傭兵部隊<ライオン>を追え

クリックして拡大  原題:THE LIONS OF LUCERNE (2002年アメリカ)
 著者:ブラッド・ソー
     Brad Thor/1969- アメリカ生
 文庫初版:2002年7月31日 ハヤカワ文庫
 初版時価格:上下とも720円
 巻数:上下巻
 品番:NVソ3-1,2
 管理人読了日:2002年9月1日
 映画化:未
 映画題名:
 映画主演俳優・女優:
 日本語DVD化:未

旅行番組等のエンターテインメント分野で活躍する、一風変わったブラッド・ソーという人物がこの作品の著者。
本作品と同一の人物を主人公に据えた作品が、既にハヤカワ文庫から3作刊行されている。
後編の2作は少々間延びした感があるが、処女作である本作は間違いなく傑作だ。

本作では大変な活躍をする主人公のスコットだが、2作目、3作目では大きな口を利く割に
捕まったり助けて貰ったりと、少々情けない。

著者は次作以降、テロの根源はサウジアラビアだと述べている。
彼の国が政教分離できていないのが悪が蔓延る原因だというのが彼の見解だ。
その主張には一理ある。サウジアラビア政府の政策がムスリム過激派の隠れ蓑になっているのだ。

次作ではスコットがエジプトのハーン・ハリーリ・バザールでお茶をするシーンなど、
旅の観光スポットにもフォーカスされている点は旅行業に携わる著者ならではだ。


では早速ストーリーの解説をしておこう。

元SEAL出身の現シークレット・サーヴィス隊員であるスコット・ハーヴァスは、
観光地でスキーを楽しみ保養中の合衆国大統領とその娘を警護中に
何者かの襲撃を受け、仲間の警護隊員は全滅、辛くも自身だけ生き残り、
大統領の娘だけは守ることに成功するが、大統領は誘拐されてしまう。
意気消失し、自信を無くすスコット。

しかし悪の集団の征伐と大統領の救出を心に誓い、FBIとの縄張り争いを退け
単身スイスに飛び、テロリスト集団との戦いを繰り広げる。
途中、敵の奸計で自身が濡れ衣を着せられてしまい、逃亡者の身となるも
数々の助けを受け、何とか大統領の救出に成功。
名誉を回復するとともに恋人まで得る。

エピローグでの悪の黒幕の末路は収監されるところまでで、次作でもスコットの活躍は続く。
また次作では本作で悪の黒幕と考えられていた人物が実はそうではなく、
さらに背後に強大な敵が控えていることが判明する。
本作ではスコットの底抜けの無敵ぶりは読んでいてスカッとするほどの快作ぶり。

楽しみたいときに読むには、思いきり楽しめる、まさにエンターテインメントと呼ぶに相応しい作品だ。


ブラッド・ソーは現在も小説を書き続けており、スコット・ハーヴァスは主人公として
健在らしいが、冒頭で紹介した3作以降、邦訳されていない。
個人的には絶対売れると思うので、残念極まりない。

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