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■2012年10月20日:黒の襲撃者

クリックして拡大  原題:A WHISPER OF BLACK (1997年アメリカ)
 著者:クレイ・ハーヴェイ
     Clay Harvey/ アメリカ生?
 文庫初版:2000年7月30日 扶桑社ミステリー
 初版時価格: 705円
 巻数:単巻
 品番:ハ20-2
 管理人読了日:2000年9月19日
 映画化:未
 映画題名:−
 映画主演俳優・女優:
 日本語DVD化:

今回からはちょっと趣向を変えて単発物を数冊続けて紹介したい。
本作「黒の襲撃者」の著者クレイ・ハーヴェイの作品は扶桑社より既に3冊刊行済みだが、
それ以上はあるのかないのか?、翻訳されていない。

彼の作品は3冊とも主人公「タイラー・ヴァーンス」を巡るストーリーであることが一致している。
本書は2作目にあたり、1作目である「ヴァーンスの死闘」の続編である。
続編ではあるが、単品としてもしっかりしており、面白い。
所々前作を読んでいないと?な部分もあるが、主人公ヴァーンスの1人称視点の
語り口で綴られる物語は、かなりブラック・ユーモアが効いていて、抱腹絶倒である。
数行毎にきついジョークが散りばめられている。
ジョークを除いたら本編としては半分の厚さになってしまうのではないかと思うくらいだ。

私をして読了後も面白くて数回再読させてくれた。
また本書が受けたので第1作も読んだし、2作目のテイストはそのままでそこそこ面白かったが、
ちょっとわざとらしかった。
何故本書が面白いのかというと、それは何といっても登場人物の
女殺し屋「ハーモニー・カーヒル」のキャラクターだ。
何はともあれサバサバした性格で、依頼主のやり方が気に入らなければ主人公ヴァーンスを消せ、
という依頼もあっさり拒絶してしまう。しかも、殺しの対象者にそのことを告げに赴く。
極めつけは、その依頼者に吐いた言葉。

「あたしは死んだら、自分で電話してそう言うよ」

こんな強者だったら、読まずにはいられない。

さて本書ストーリーだが、主人公ヴァーンスは妻を交通事故で失くしたばかりの、
こういうアメリカ小説には有りがちな銃器関係の作家。当然銃器への造詣も深いし、従軍経験もある。
そんなわけで、たまたまとある銀行強盗の現場に出くわしてしまい、
その連中にやって良いことと悪いことの違いを教えてやる。
ところがその連中というのがボスニアの武器密輸業者で、お決まりのように
主人公を付け狙うようになり、その流れで前述の「ハーモニー・カーヒル」も一旦は雇われる。

・・・とまあはい、はい、な内容だが、読み始めると展開のテンポも良く最後まで読んでしまう。
銃器関係の詳細な描写もその筋には受けるだろう。

今後が楽しみな作家、と言いたいところだが、新作の翻訳が止まっている時点で、無理だろう。
第3作目の「灰色の非武装地帯」では、主人公の朝鮮戦争時代の逸話が語られているが、
あまり面白くはなかった。

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