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■2012年11月19日:シベリアの孤狼

クリックして拡大  原題:LAST OF THE BREED (1986年アメリカ)
 著者:ルイス・ラムーア
     Louis L'Amour/1908-1988 アメリカ生
 文庫初版:1987年10月25日 二見書房
 第20版時価格: 829円
 巻数:単巻
 品番:ラ2-1
 管理人読了日:2002年7月20日
 映画化:未
 映画題名:−
 映画主演俳優・女優:
 日本語DVD化:

単発物系としては第3弾になるが、アメリカでは国民的作家とされている
ルイス・ラムーアの作品は、日本では訳本はあまり出版されていない。
アメリカの小説は良くも悪くも評価が分かれるところだが、
冒険小説としての本書の良さの一部だけでも、本レビューでお伝えできれば幸いである。


”ジョー・マック”ことジョゼフ・マカトジは、インディアンの血を継ぐアメリカ空軍の31歳の少佐である。
対するソヴィエトのアルカディー・ザマテフは35歳のGRU(情報機関)大佐。
そしてその部下のヤクート族(シベリアの原住民族)出身のアレーヒン。

ジョー・マックはテスト・パイロットであり、アラスカ上空をを飛行中に、ザマテフの策
(詳細は述べられていない)にはまりソヴィエト領内に不時着せざるを得なくなる。
テスト・パイロットといえば情報の宝庫であり、彼を捕まえてシベリアの収容所に拘留し、
鼻高々のザマテフだったが、ほどなくジョー・マックは難なく収容所を脱走する。

シベリアは極寒の地だが、ジョーはタイガを通って祖先達がしたように、
ベーリング海峡からアメリカへと脱出を決意する。
途中様々な追っ手を時にはかわし、時には懲らしめつつ、シベリアの少女と恋にも落ち、
原始的な生活をしながら逃亡生活を送る彼の逃避行は、読む手を止めさせない。
年代的に冷戦期の作品であり、アメリカから見たソヴィエトの傲慢さが垣間見える。

面白いのは、ザマテフは優秀だとされながらも、その言動や考え方はバカ丸出しであり、
あっさりジョー・マックに出し抜かれる様は読んでいて笑える。
どう考えても不法に捕虜にした自分たちの方が悪なのに、
「許さん」などというセリフを吐くとは片腹痛い。
ジョー・マックに言わせれば、まさに「それはこっちのセリフ」だ。


さてここで恒例の名台詞の引用といこう。ジョー・マックが最前にちょこっと触れた
シベリアの少女、ナターリャと語り合う場面があり、
外を見たことがない少女は何故アメリカとソヴィエトが仲良くできないのか不思議でしょうがない。
ここでジョーは当たり前だが良いことを言う。

「問題は政府なんだ、お互いに少しでも優位に立とうとして張り合ってるからね。」

最近はロシアでも中国でもイスラム諸国のような第3国でも国家元首がこぞって
皆おかしな、簡単に言うと”自分勝手”な発言をしている。
お前は国民の代表なんだぜ?と耳を疑うようなことを平気で言う。
もちろん、彼らは国民に発言内容について、発言する前に聞いた貰ったりはしていないだろう。
要するに、自分の意見を誰にも聞かずに勝手に述べているだけである。昔の日本や今の北朝鮮もそうだが、
だいたいが、アメリカを始めとして、まあ表面的にはある程度社会性のある国の文化や産物の
流入を拒否したり、或いは制限したり、私が住む国タイもそうだが、関税を掛けたりするのは、
政府や政治家や役人が儲ける為であり、誰あろう人の意見を聞こうとしない姿勢は、
自ら人間性の向上を拒否する非模範的な態度に他ならない。

最近就任した中国の何とかなんていうのは、口だけが達者なとんでもない食わせ物なのである。


だいぶ脱線したが最後に締めくくりを書こう。
実は私は冬物の小説が好みであり、今後も順に極寒小説を紹介していきたいと考えているが、
ウェスタン物を得意とするルイス・ラムーアが織りなす、ソヴィエトの幻想的な風景の空想に没頭した。
機会があれば彼の他の作品も読んでみたい。

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