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■2016年11月15日:ナポレオン一八一二年

クリックして拡大  原題:NAPOLEON:1812 (1985年イギリス)
 著者:ナイジェル・ニコルソン
     Nigel Nicolson/1917〜2004 イギリス生
 文庫初版:1990年6月10日 中公文庫
 再版時価格: 1991年11月30日 560円
 巻数:単巻
 品番:ニ-3-1
 管理人読了日:1995年3月16日
 映画化:未
 映画題名:−
 映画主演俳優・女優:
 日本語DVD化:

タイトルの通り、ナポレオンのロシア遠征を紹介した本だ。
現代では上記のリンクにある通り、いくらでも情報は得られるが、
インターネット黎明期の当時は、一般人が簡単に手に取れる、貴重な資料だった。
著者のナイジェル・ニコルソンは、故人だが結構著名な作家であったようだ。

しかしながら、個人的にはナポレオンは嫌いである。
悪党だからだ。

重要なことだが、ナポレオンやヒトラーといった近現代の悪党は、
多くの資料が残っているため現代人にも悪党であることはすぐに分かるが、
アレクサンダーもチンギス・ハーンも、歴史上の偉人の多くは悪党である。

ナポレオンが偉人であることには異論はなく、その軍事的な才能は
現代でも評価されるところだが、彼は侵略者であり、
フランス国民から見れば、フランス革命の混沌から国を救ってくれた英雄なのかもしれないが、
ナポレオン軍の侵攻を受けた他国にしてみれば、いい迷惑以外のなにものでもないし、
私の意見では、彼はカエサルのマネをしようとしていたにすぎない。

カエサルとナポレオンの違いを書くとすれば、どちらも天才には違いないが、
カエサルは人格者だった。
ナポレオンは傲慢なただのクソガキだった。

ローマのカエサルも、確かに色々と侵略はしたが、分かりやすく言うと
彼はジオン公国のシャアのような存在であり、その理想は崇高なものだった。
ナポレオンはカエサルの業績を間違って解釈し、
自らの感情移入を都合良く置き換えただけだ、と私は考える。


ナポレオンのロシア遠征は、彼の没落への分岐点であり、
本書のカバー背面には、
「全盛期の常勝将軍が凡庸な指揮官に敗れた原因は何か。
世界史上最大の謎の一つ」
と書かれているが、そんなものは謎でも何でもない。
無謀な作戦だっただけだ。

確かにクツーゾフを始め、第2次大戦期のソ連の将軍まで含めても、
ロシアの指揮官に「焦土作戦」以外の作戦を採る優秀な人物はいないが、
よくヒトラーのソ連侵攻がナポレオンの失敗に例えられるように、
厳寒のロシアの地に大軍を率いて侵攻するなど、狂気の沙汰なのだ。

この点では、経済的に冷戦に勝利をおさめたアメリカの戦略が正しかったことは、
歴史が証明している。
21世紀は中国の時代だと言われるが、アメリカは、中国にも勝つだろう。
中国は他者を罵ることしか能がないし、

憎悪とは劣るものが優れたものに対して抱く羨望の感情だからだ。
これは簡単な方法で証明できる。
例えばあなたが誰かを嫌っているとしよう。
それはなぜかを考えてみてほしい。
口で勝てないとか、業績で負けているとか、相手の方が上司の覚えが良いとか、
大方そんなところだろう。
生理的に嫌い、というのはなしだ。
なぜなら、生理的に嫌うとは、理屈で説明できないからそのように片づけているだけであって、
その時点で、説明できないものに対する劣等感の表れなのだ。

中国が対外戦争に勝利をおさめたことが滅多にないのも、
これまた歴史が証明するところだ。
現に、中国は今でもアメリカと仲がよろしくない国に援助をして手を結ぼうとしているが、
そんなことが上手くいくはずがない。
中国の下心は誰が見ても見え見えだ。

正義は勝つというが最終的には本当のことである。

話がそれたが、歴史を学ぶということは、
先人の轍を踏まないようにするためにも、大変有意義なことだ。
これを、政治家でもあるまいし、とバカにしてはいけない。
何事も、我々の日常生活にも置き換えられるからだ。

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