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■2017年1月1日:ワルシャワ大空戦

クリックして拡大  原題:EDGE OF HONOR (1999年アメリカ)
 著者:リチャード・ハーマン
     Richard Herman/ アメリカ生
 文庫初版:2003年7月1日 新潮文庫
 初版時価格: 上下とも705円
 巻数:上下巻
 品番:ハ24-6,7
 管理人読了日:2005年9月17日
 映画化:未
 映画題名:−
 映画主演俳優・女優:
 日本語DVD化:

F-16とSu-35が対戦する−−−
そんな夢のようだが、ありがちな設定の作品。

しかしながら、そのドラマをめぐる人々の設定が異色なのが本書だ。
アメリカ合衆国の大統領は初の女性、マドリンで、さらにその恋人である
ポーランド系移民の空軍准将でF-16パイロットであるポントウスキー。
(米軍の准将が実戦に於いて戦闘機に搭乗するかどうかは別として)
二人とも、先夫・前妻には先立たれている
(ポントウスキーの前妻はモサドの工作員だった)
さらに、二人の高校生の子供は男の子で、友達同士。

こんな設定だと、どうしてもドタバタ劇を想像してしてしまうが、
物語は予想に反してシリアスだ。

本書には前作(米中衝突)があり、マドリンの登場はその続きらしいのだが、
内容に具体的な連続性はなく、本書のみ読まれても違和感はないだろう。
事実、私がそうだった。


簡単に内容を紹介すると、ロシアのある実業家である悪党が、
悪だくみを考えポーランド空軍のF-16を撃墜したり、
合衆国大統領であるマドリンが乗ったヘリコプターを地対空ミサイルで狙うなどし、
極めつけはポーランド大統領の乗った飛行機を撃墜。
(奇しくも2010年にポーランド大統領の乗った航空機がロシアで墜落しているが、
それは撃墜ではなかった)
この事態を受け、合衆国はポントウスキーをポーランドに派遣し、彼はそこで部隊を訓練して、
悪党の悪だくみを打ち砕く。

著者のリチャード・ハーマンはあまり聞いたことのない作家だが、
本書は大変読みやすく仕上げられており、物語性も優秀だ。
そして冒頭に挙げたF-16とSu-35の交戦の場面、
ロシア製の地対空ミサイル、ストレラ3とシコルスキーS61との対決等、
戦闘シーンの描写はリアリティ溢れている。
それもそのはず、ハーマンは元米空軍のパイロットだったのだ。

新潮社からは他にもハーマンの作品が上梓されており、
機会があれば読んでみたい。

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