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■2018年4月15日:殺し屋を殺せ

クリックして拡大  原題: THE KILLING KIND (2015年アメリカ)
 著者:クリス・ホルム
     Chris Holm/ アメリカ生
 文庫初版:2016年10月25日 ハヤカワ文庫
 初版時価格: 980円
 巻数:単巻
 品番:NVホ18-1
 管理人読了日:2017年6月28日
 映画化:未
 映画題名:−
 映画主演俳優・女優:−
 
 日本語DVD化:−

コートランド・ジェントリー シリーズに迫る面白さのスパイ小説のお出ましだ。
日本版のタイトルこそ安直なネーミングだが、「本は題名で判断してはいけない」。


主人公は元軍人で凄惨な過去を持つアメリカ人、マイクル・ヘンドリックス、
通称「マイク」。
マイクには優秀なコンピューター・オタクのブレーン、
レスターがおり、彼もまた元軍人だ。

彼らはアメリカの巨大な犯罪組織を相手に戦うことになるが、
本書の面白さは一にやはり主人公が正義の味方であることが挙げられるだろう。

つまり、彼らはマイクが「実行犯」で、レスターが吟味した「殺し屋だけを殺す」のだ。

マイクには”生き別れた”恋人がおり、彼女は既に別の男性と
結婚しており、その子供も身ごもっていて、わけあって
元婚約者は死んだと思いこんでいる。

そして、それが主人公マイクの性格に暗い影を落としており、悲哀が漂う。


著者は脇役の造形も忘れていない。

美しき女FBI捜査官のチャーリー・トンプソン。
(彼女、実はレズだった)
そしてその相棒の男性捜査官、ガーフィールド。

さらにさらに次々登場する殺し屋たちも個性豊かで、
最大の敵、アレグザンダー・エンゲルマンは、
サディスティックな性向の持ち主である、変態ヨーロッパ人。


作品は概ね前半後半に分かれ、
壮絶な戦闘が待っている後半に突入したら、読む手が止まらないだろう。
本国では既に第2作が刊行されているそうで、今後が期待できる作家である。


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