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■2018年5月15日:暗闇の戦士たち

クリックして拡大  原題:TWILIGHT WARRIORS (1995年イギリス)
 著者:マーチン・C・アロステギ
     Martin C. Arostegui/1955- フィリピン生
 文庫初版:2001年9月1日 朝日文庫
 第2刷時価格: 2001年10月30日 940円
 巻数:単巻
 品番:あ32-1
 管理人読了日:202年6月19日
 映画化:未
 映画題名:−
 映画主演俳優・女優:−
 
 日本語DVD化:−

本書は特殊部隊の創成期から、現在の彼らの役割に至るまでを
ダイジェストで紹介している。

奇しくも本書が上梓された直後に911事件が発生し、
その影響もあってか翌月には増刷され、
店頭に大量に並んでいるのを私も手に取った。


本書は、よく知られているデーヴィッド・スターリングによるSASの創設から、
ヴェトナム戦争でのSEALの活躍、イランアメリカ大使館人質事件、
フォークランド紛争、パナマ侵攻、湾岸戦争に
フランスGIGNが解決したエールフランス8969便ハイジャック事件などを題材にとり、
特殊部隊の活躍を伝えている。

本書を読めば、世界の暗部で血潮を流している男たちの苦闘を知ることができるだろう。
あるものは祖国のために、またあるものは世界のために。
その生き様は心を打つものがある。


特殊部隊の作戦は、本書からも明らかなように、必ずしも毎回成功を収めているわけではない。
どちらかというと、失敗の方が多い。
といっても、後でその例を振り返れば分かるように、
決してこれらの男たちの落ち度ではなく、
不測の事態に備えるのがいかに難しいかという問題である。

コマッタちゃんであるテロリスト側がいつでも好きなように計画して行動できるのに対し、
それを防ぐ側の人々は、そんなイカレた連中の動向を予測しなければならない。

そっちはスパイの分野の仕事でもあるのだが、
昨今はアルカイダにISISを始め、従来のバーダー・マインホフ・グループや日本赤軍のような、
イデオロギー闘争の時代と違って、宗教戦争の色合いが濃くなってきている。

混迷を深める時代にあって、その活躍を伝える特殊部隊の物語。
一読する価値のある一冊である。

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