■2020年12月15日:緊急工作員
原題:THE TEMPORARY AGENT (2016年アメリカ) | |
著者:ダニエル・ジャドスン Daniel Judson/- アメリカ生 |
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文庫初版:2019年1月15日 ハヤカワ書店 | |
初版時価格: 1,300円 | |
巻数:単巻 | |
品番: NVシ32-1 | |
管理人読了日:2020月5月7日 | |
映画化: - | |
映画題名: - | |
映画主演俳優・女優: | |
日本化: |
かなり分厚い作品なのだが、ほぼ1日で読んでしまった。
黒幕が最後まで誰だかわからず、気になって読んでしまうのだ。
その黒幕が誰なのかだが、主人公と一緒に推理しながら、
頭がこんがらがってしまう。
とりあえず、最初に登場する主人公の元同僚は、
登場の際に描かれる彼の思考から、正義の味方だと分かるので、
ああ、こいつは振り回されているだけだな、ということで除外できる。
最初に裏切りがあったのだ、ということが判明した時点で、
私はああ、昔の雇い主だな、と同調してししまった。
ところがどっこい。
物語りそのものは単純なのだが、そこのところを読ませる著者の筆力はすごい。
話としてはありふれたアフガンものなのだが、舞台は米国である。
裏切っただの裏切られただのはよくある話で、
ページ数を稼ぐために意味もなくこんがらかせる作品も多い中で、
ここまで面白く読ませる技術は大したものだ。
主人公トムはアフガニスタンの出征帰りで、負傷して除隊。
その後旅をして、現在の生活に落ち着いたらしいのだが、
その職業たるやプレス工だ。
実は、私も最初に就職した会社はプレス屋だった。
そんなところから親近感が沸いた、というわけではないが、
本作はシリーズものにはなっていないらしい。
著者の作品は米国では既に他にも刊行されているそうなので、
邦訳化を期待したい。
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