■2022年6月19日:パーキングエリア
原題:NO EXIT (2019年アメリカ) | |
著者:テイラー・アダムス Taylor Adams/- アメリカ生 |
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文庫初版:2020年6月25日 ハヤカワ文庫 | |
初版時価格: 1,080円 | |
巻数:単巻 | |
品番:HMア20-1 | |
管理人読了日:2022年1月8日 | |
映画化:未 | |
映画題名:− | |
映画主演俳優・女優: | |
日本語DVD化: |
怖いのかと思って恐る恐る読んでいくと、実はそうでもない。
主人公の女のバカさ加減にはほとほとうんざりしてくるが、
彼女は大学二年生だというから、20歳。
自分がそのくらいのころも、たいして変わらなかっただろうと思うと、
苦笑いしてしまうのである。
次々変わる、あっと驚くような急展開には舌を巻くしかない。
退屈な調子で始まる物語だが、俄然目が離せないのである。
単なるサスペンスだが、ただのサスペンスではない。
最初は、主人公が苦悩する通り、勘違いなのでは?
誘拐事件などではないのではないか、と考えたくなってくる。
犯人のサイコパスの人物像もしっかり描かれており、
その非常識というしかない思考理論には、ただただ唖然とするばかり。
とにかく、ストーリーがしっかり組み合っており、ぼろがないのである。
その辺のTVドラマにあるような、無茶な構成がない。
誘拐された少女の素性もひと工夫されている。
もしかしたら、超セレブかもしれないのだが、
それが無理なく組み込まれている。
訳者あとがきにはこういうのをジェットコースター・ノベルと描かれており、
それは言い過ぎにしても、1,000円でまあ、面白かったなと思うのである。
著者には他にも作品があるようだが、
こういうものを見つけてくるハヤカワもたいしたものである。