■2023年9月18日:シャドー81
原題:SHADOW 81 (1975年アメリカ) | |
著者:ルシアン・ネイハム Lucien Nahum 1930-1983/ エジプト生 |
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文庫初版:2008年9月15日 ハヤカワ文庫 | |
第7刷(2022/10/15)時価格: 1,080円 | |
巻数: 単巻 | |
品番:NVネ4-1 | |
管理人読了日:2023年8月5日 | |
映画化: | |
映画題名: | |
映画主演俳優・女優: | |
日本語DVD化:ー |
可変翼、かつ垂直離着陸可能な航空機で航続時間十時間、
ということ自体、無理だろうという感じなのだが、
七十年代なのでトムキャットとハリアーに強く影響を受けたな、と勘ぐってしまう作品。
ハイジャックの手法は不可能ではないが、あまり例はないやり方だ。
本書は新潮社から77年に刊行されたものを、ハヤカワが再刊行したらしい。
何でも、日本ではバカ売れしたらしいが、アメリカでは売れず
著者のネイハムはこの一作のみでひっそりと亡くなったらしい。
なぜだろう。
途中多少だらけるところはあっても、最後まで読ませる書き方だし、
何しろ主犯格が知れた時のサプライズといったらない。
動機はともかく、こういうことができてしまう、
ということが社会道徳上好ましくないと思われたのではないか。
その点、日本のような世界のリーダーにはなれなかった国では、
こういう一匹狼的な思想が、特に罪悪感なく受け入れられたのではないだろうか。
ともあれ、話の爽快感は否定しようがなく、
面白いことそのものは文句のない一作である。