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■2010年6月8日:仮想空間の虚構にご注意

私は平日はどうしてもタイ情勢のニュースだけで終わってしまうので、
日本のニュースは週末にまとめて読むのだが、
その中で先週面白かったのがコレ。

マルチ商法で埼玉県ネット関連会社
「ビズインターナショナル」強制捜査
全国で約2万6千人が被害に遭い、被害総額も約100億円以上

「エクシングワールド」
ネット上で日本列島を丸ごと再現する


何か前に何処かでこんなコンセプトの宣伝を見たことがあるような?
記憶がおぼろげにあり、今回YOU TUBEで宣伝動画を見たが、眉唾だ。
驚いたことに、この「ビズインターナショナル」という会社は未だwebサイトが残っており、
ニュースリリースのページに意味不明なことがだらだらと書いてある。
そもそも、その文書の体裁がビジネス文書としておかしい。

本当にこんなのに騙される人間がいるのか?
例のオレオレ詐欺に高齢者が騙されるというのは読んだが、こちらは2、30代が多いとのこと。
若いうちからインターネットに入り浸りで、現実と虚構の真偽の判断が付かなかったということか。
それにしてもこんなのを真に受けて騙される人間がいることの方が信じられない。
考えなくても分かりそうなものだが。

「仮想空間内での商業活動で得た仮想通貨が、現実世界のお金に換金できる」
有り得ないだろう、普通。パチンコじゃねんだよ、という感じである。
だいたい、仮想空間で出回る金の元は何処から来るのか? 現実世界で発生した金だ。
「仮想空間で100万円儲けたので、換金して下さい」
誰が換金する? 何処にそんな金がある?
農業だの漁業だの鉄鋼業だの、そういうクリエイティブ産業が無ければ、
サービス・不動産業に回る金など発生し得ないのである。

確かに、セカンド・ライフの前例があるので、
次の事柄が無ければ、私もおかしいとは思わないかもしれない。
もちろん加入はしないだろうが、あながち嘘とは思わない。
即ち、
@出来てもいないサービスに前金を払うというのはおかしい
Aしかもその金額は以下のごとく高額。
 
顧客は会員になるために、仮想空間を紹介したDVDなどが入った「ビジネスキット」を
 約40万円で購入していた。内訳は、勧誘を受けた会員への報酬代18万円
 ▽登録料6万円▽オリジナルDVD1万4600円−など。

Bセカンドライフで金を儲けた人がいるのは事実だが、
 それはユーザー同士の意思でやり取りしたことであって、
 セカンドライフを開発、提供している「リンデン・ラボ」は
 くだんのゲームで現実に金儲けが出来るとは一言も言っていない。


男性会員は、取引先の社長から紹介のあった女性会員に喫茶店などで何度も誘われ、
「つきあいもある。むげに断れない」と入会した。
どんなつきあいなんだよ、という話である。完全に女に騙されてる。
「上級会員は他のマルチの経験者が多く、慣れているような様子だった」
その上級会員ってのが某社の社員か、いいとこさくらなのである。
「こんなに人をバカにした話は許されない」
いや、あんたはほんとにバカだよ。


誰かがやってきてあなたに商談を持ち掛けたとする。
相手も商売でやっているのだから、金にならないことをわざわざ手間暇掛けてやるはずがない。
従って、仮に儲かったとしても、まず間違い無くあなたは彼より儲けることは出来ない。
自分より相手の利益が上回るように商売をするバカはいないからだ。
ではそんな彼の商売とは何か?足を棒にして営業周りをしている。
ケチな商売ではないか。
東京の何処かで派手なパーティをやったと。それは先行投資。当たり前の話だ。


昔、ココ山岡のダイヤモンド詐欺事件というのがあったのを急に思い出したが、
似たような話は幾らでもあるものだ。現実にmsnのサイトに広告が貼り付けてある、
「飢餓に苦しむ子供たちに寄付しませんか」という、とあるNGOの宣伝。
これなんかは、単純に寄付がビジネス化している。
慈善なので、疑いを差し挟む余地を封じているところが性質が悪い。

いずれにしても騙される方が悪い。
ニュースとして読む側からすれば笑かして貰った。

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