■2011年1月26日:Mount&Blade Warband
Mount&Blade Warbandを紹介する。
トルコのディベロッパー、TaleWorldsの作品。
どんなゲームなのかというと、内容をものすごく要約すると、3D版の信長の野望みたいな感じ。
もちろん最近のゲームなのでアクション・シーンもあれば舞台は架空の世界だったり、
日本語圏はないものの色々な事が出来たりと奥は深いのだが、売りはゲーム・タイトル通り、「騎馬戦」。
アニメが前面に出てくる国産ゲームが嫌いな私には久々にヒットした作品だ。
最近スタンド・アロンで面白い作品は本当に少ない(本作はもちろんマルチ・プレイに対応しているが)。
オンライン・ゲームは、ツボにハマってしまうので、妻帯者となってしまった今では対象外なのである。
国内ではサイバーフロントから日本語版もリリースされているらしいが、
タイでは手に入らないので、私がプレイしているのは英語版。
インターネットで体験版をダウンロードし、TaleWorldsから体験版の解除キーを購入した。
体験版に全てプログラムが含まれていることになる。
(「Mount&Blade」は体験版と製品版で容量が異なり、インターネットで購入するとダウンロードサイトの案内が来る。
ちなみにダウンロード期限と回数が決められている)
本ゲームは
2008年リリースの「Mount&Blade」と
2010年リリースの「Mount&Blade Warband」とがあり、
明確に「I」、「II」では無いので分かりにくい。
私はTaleWorldのサイトにて購入時、間違えて最初に「Mount&Blade」を購入してしまい、
両方購入する羽目になった(各29.9USD。1USD = 82円で計算すると2,450円位だ)。
体験版はレベルが7になるまで、或いはゲーム内の時間で31日間プレイ可能である。
ライセンス・キー購入後、リミット到達後のセーブデータでもプレイを再開できる。
「Mount&Blade」と「Mount&Blade Warband」の違いは、
ゲーム・システムの調整やグラフィックの改善等もあるのだろうが、
最大の違いは何といってもアラブ系の勢力の追加。
オスマン朝の血を引くトルコのソフト・ハウスだけあって、その辺が良い味を出している。
オスマン・トルコ・フリークの私にとってはたまらない一作だ。
LoTR BfMEと違って、相手が矛兵だと騎兵がバッタバッタ薙ぎ倒される、
ということもない。そんなことは有り得ないのだ(あの作品は映画でも騎兵の圧勝だった)。
まずは管理人の分身のご真影から。上目使いの視線がほど良く不審人物。
本作はDirectX 9なのだが、それでもグラフィックの質は十分である
(DirectX 9世代は非常に長期間であり、作品も数多くある)。
DirectX 9なのでノートパソコンでもサクサク動くのが良い。
だがさすがに数百騎もの騎馬戦ともなるとGTX260/192SP搭載のデスクトップでもカクカクだった。
Diablo IIIまでグラボは様子見するつもりだった私だが、どうやら新調する必要がありそうだ。
optionパネルにて”BATTLE SIZE”という項目があり、これはアクション(戦闘)・シーンに表示される
ユニット数を表し、当然マシン負荷に直結するのだが、なるべく多くした方が良い。
例えばサイズ=30に対して兵隊が100人いたら、そのうちの30人がランダムで選ばれるのだが、
この割合はかなりいい加減なため、本当は騎兵が半分を占めるのに実際には一人二人しか
割り振られず、その騎兵は敵に囲まれて命を落としたりするのだ。
これは敵軍についても同様で、150 x 150の戦闘がBATTLE SIZE = 30だと分割されて
何回も戦わなくてはならず、時間も掛かる。
本作では、「一人では何も出来ない」を本当に痛感する仕上がりになっている。
体験版で最初にプレイした際には良く分からないし農民を2,3人雇っても何の役にも立たないので
単独行動していて、最初のうちの対戦相手は主に山賊なのだが、彼らは必ず徒党を組んでいるので、
一人ではとても相手にならない。特に騎兵が相手では辛い(敵が歩兵でこちらが騎乗でも囲まれれば動けなくなる)。
戦に負けると捕虜になり、身ぐるみを剥がれた上にあちこち廻される。
何度もやられていると、その内に馬も奪われる。馬は戦利品として得られないばかりか、
能力の高い馬はかなり値が張るので、捕られるとかなり辛い。
他に捕るものがなくなったからであろうが、剣まで奪われたのには泣きたくなった。
どうやら最初は初めに出会う商人の言う通り進めた方が良さそうである。
そこいらのみすぼらしい農民も、一騎当千のマムルーク兵まで成長する。
とある部下のマムルーク兵のスペックを確認したところ、プレーヤー・キャラクターより10もレベルが上だった。
通常、兵は村々で募集し、応募してきた基本農民を屈強な兵士に育てる。
その他に固有名詞のあるNPCもおりパーティ・スキル(パーティ全体に影響する能力)の恩恵に与れるので、
一人二人入れておいても良いだろう。NPCは宿屋でたむろしており、話し掛けて勧誘するのだが、
大抵の場合特定の城をねぐらにしているようである(見に行ってもいないこともある)。
傭兵を雇うことも出来るが、高い上に自国の軍隊ほど強くは無いので、緊急時のみと考えた方が良いだろう。
では次はマムルークの騎兵隊のアクション・シーンを。
これだけでもプレイしてみたくなるというもの。
インターネットの紹介サイトのプレイムービーでは好きな鎧を選んでいるが、
ゲーム開始直後はそんな買い物は不可能である。金属製の鎧などしばらくはとてもではないが買えない。
特に本作では部隊に給料(週休)を払わなければならない上に、食料も買わなければならない
(腹が減ってモラル=士気が下がると部隊の能力が著しく低下する)ので、最初は全く余裕が無い。
所持金をめいっぱい使い込むわけには行かないのだ。
キャラクターの容姿のメイキングは、まあどうでもいいのだがだらしなく口を開けているのだけは勘弁して貰いたい。
戦闘モードでは、プレイヤーの参加不参加を選べるのだが、不参加の場合戦績は振るわない。
これは、士気が影響するという設定なのだろう。
レベルが上がると50騎にも満たない隊員数で敵の正規兵250騎が相手でも勝てるようになる
(もちろんそんなに戦力差が有ったら、こちらも5〜10名程度は失うだろうが)。
そして敵の正規軍でもプレイヤー軍を見ると、数で敵が勝っていても逃げていくようになるので、気味が良い。
クエストの発生はランダムであり、部隊の動きによってかなり異なる結果となるので、
小まめにセーブデータをコピーをした方が良いのは確かだが、
好ましい結果を求めてロード・セーブを繰り返しても、中々良い結果は得られない。
例えば自国のキャンペーンに参加していて、軍師に呼び出されて付近の偵察を命ぜられることがあり、
道中敵軍の迎撃にあったりすると目標の村や城が変更されたりするのだが、
プレイヤー・パーティの進軍位置によっては、敵が逃げていったり
(例としてプレイヤーのパーティが敵に向いていると近寄ってこなかったり、
逆に敵部隊とプレイヤーの間に味方の諸侯がいたりすると、敵はその諸侯を狙って攻撃してくる)、
或いは迎え撃ちに出てきた敵を撃退したりすると、また進み方が異なったりする。
私はこのスルタン(アラブの皇帝を表す言葉)に奉公する身を選んだ。
というのは、格好よく義賊を目指したところで、追いはぎの数はこちらのレベルに合わせて増えていくのだが、
こちらがある程度成長すると、見掛け次第逃げていくようになり、連中は足が速い(殆どは騎兵)ので
中々捕まえられないからだ。
レベルが上がると10 x 30(彼らが三十騎)でも、ものの相手にならないし金にもならない。
先に述べたように、兵隊を食わしていくのには金が掛かるのだ。
何処かの国に仕えるとなると、蛮族等を蹴散らしてレベル・アップを図るかたわら、
最初は諸侯の伝令などをこなして徐々に信用を勝ち得る。
手紙の受け渡しなど、使いっぱしりを引き受けて小遣い稼ぎをするのだ。
31日の期限が来て、ライセンス・キーでリミット解除後、ゲーム内の時間で翌日にとある武将の居城を訪れたところ、
ようやく3ヶ月間の傭兵契約のお達しを貰えた。うまい采配である。これは何度やり直しても同じ反応だったので、
意図的なものだろう。期間延長や正規軍への編入も考えてくれるとのこと。
居城があると収入が増える一方、兵力を置いたりもしなければならないので面倒だ。
しかし、ある程度ゲームが進んでから戦で負けたりした場合、
それまでの努力が取り返しの付かないレベルの損害を蒙るが、
予備兵力を持っていることで何とかなることもある。
私は「奴隷塔」「捕虜塔」「新兵塔」というように城ごとに収容する戦力を分けている。
本作品の醍醐味は大規模な騎馬戦で、プレイを進めていくと各国の戦争を
目の当たりにすることになるのだが、プレイヤーには国や村や武将に対して敵対度というものがあり、
それが対戦国双方に対して0-0だと、戦争には参加できない。せっかくの見世物を見逃す手は無い。
敵対度は、例えば諸侯から何か依頼を受けた際に、クエスト達成後、好感度がUPする。
或いは、単に敵の武将をやっつけたり、敵の城を落としたりとにかく何か味方の為になるようなことを行った後、
味方の諸侯に話しかけるだけでも好感度が低いうちはUPする。
好感度が高くなってくるか、或いはゲームが進みプレイヤーの地位が上がると
敵将を退治した程度ではふーんと聞き流され上がり難くなる。
あとは交戦中で、しかも味方に不利な状況の戦に参戦し敵軍を打ち負かすと、一気に4ポイント上がり、
その後もその時救ってやった諸侯に話しかけると「あの時の恩は忘れない」と1ポイント貰えたりする。
スルタンの国で言うと、国家元首であるスルタン・ハキムその人の高感度は上がり難い。
「ちょっとやそっとでゴマすろうったってそうはいかんぜ」ということなのだろう。
但し、周りが気難しくなった後でもコンスタントに好感度がアップしつづけるのもこの人だけなので、
城を落としたり、敵の部隊を撃退した際などはマメに報告し続けると良い。
なおこの敵対度は国や村に対しても有り、農民を襲ったり、村を焼き討ちしたりすると
そこの領主に遭った際に「今度我が領土内で私に遭わないようにせいぜい気を付けることだ」と脅されたりする。
本作品では戦で倒れた仲間(本人と馬も)は基本的には死なないのだが、時々お亡くなりになる。
自分が所属する国が占領した土地から採用する兵が元々の勢力の兵士タイプで、
兵を死んで失う際は、傭兵や他国で徴兵した兵から死んでいくような傾向があるので、
徴兵は地元産で行う方が良いだろう。
そんなわけで、スルタンの国の兵の場合、最上級はマムルーク兵になるのだが、
マムルークにまで到達するには時間が掛かるので、これに2騎も3騎も死なれるとかなり痛い。
味方の諸侯に敵将を下したことを褒めてもらう。 | 味方の窮地を救ってやったところ。 命の恩人扱いされている |
スルタンに戦の報告をする。 好感度は諸侯の顔にカーソルを 合わせることにより、グラフ表示される。 |
スルタンとお友達になるには好感度が20必要。 最初の20までが大変。 |
スルタンに通りすがりに声を掛けてみた。 気味が悪いくらい甘ったるいセリフを吐かれる。 |
例えば敵将に対戦を申し込まれた場合でも、勝敗ではなくミッション期限や
その他の都合があって断りたいようなことはある。
だがその場合でも、レベルが低いうちは逃げられず、
勝負を断った際の結果は山賊に身ぐるみを剥がされる場合と辿る道は同じなので、絶対に断らない方が良い。
但し、ストーリーが先に進むと、明らかに敵方が不利な場合、
向こうから見逃してくれと泣き言を言ってくる場合がある(屁理屈をこねる)。
このような場合、もちろん成敗してやってもいいのだが、直接の対戦相手国以外の勢力に対しても、
「命乞いしている相手に対して武士道に反する」みたいな理由で評価に影響する場合があるので要注意だ。
状況の変化を読み難いような場合は、セーブデータをコピーしてから選択すると良いだろう。
敵軍勢との対戦終了後、運が良ければ敵将を捕らえることも出来るが、
処置は相手から身代金を貰う外に用が無く(一般兵の捕虜は宿屋にいる奴隷商人に売りさばける)、
身代金はこちらから請求することは不可能で、システム・メッセージ待ちなので、
申し出があったら即座に受けるべきだ。断ると名誉値が下がる(受けても上がることは無い)。
身代金額は300〜500ディナール程のばらつきがあり、敵将にも旬があるので、
あまりだらだら引き止めておいても得をすることはない。
居城を与えられるまでは連れて歩くしかなく、脱走されることもあるので要注意だ。
敵将との対戦。これはまあ我慢できるセリフ | こんな言い草をされたらこっちだって腹が立つ。 ファック・ユーとばかり返り討ちにしてやろう。 |
こいつはダチの諸侯がやられたことを、 奸計に嵌められたと言い掛かりを付けてきた。 もちろんこいつも同じ目に遭わせてやった。 |
負けて捕虜になるとこんなセリフを吐く。 アラゴルンにちょい似の敵将さん。 |
面白いのは、敵軍の将兵でも、山賊の捕虜になっていたりするのを山賊を倒して解放してやると、
自軍の兵力として使えるようになる点。
例えばA国の部隊がB国の兵を捕虜として連れていたとする。A国の部隊を成敗すると、
・A国軍の兵を何名か捕虜に出来る可能性がある。
・B国軍の兵は自部隊に組み入れることが出来る。
捕虜を部下の隊員として登用することもできる。但し捕虜上がりの兵と前述の他国産の兵は、
脱走することがあるので注意が必要だ。
さて、本ゲームでは結婚ごっこも楽しめるという噂があり、私もひとつ試してみた。
相手にするのは諸侯の娘だか妹だかで、最初は生意気に冷淡な態度なのだが、
こちらが名声を上げていくと徐々に屈服していくようになる。
例えゲームの中であってもこんなブザイクとはわざわざ結婚などしたくはないが...
・・・とまあ、3人の貴族の女性との相性を見てみたが、現実でもゲームでも婚活は前途多難である。
ここで挙げた3人以外は、願い下げしたい女ばかりだった。
ちなみにNPCとは結婚はできないようである。
中には居城に行っても姿を見せない貴族の娘が何人かいたので、
その父親である諸侯に話し掛けてみると、
やはり彼も娘の将来を心配しているようである。 | ところがプレイヤーが立候補すると、 慎重な姿勢を見せる。 |
これは別の国の王女だが、サフィア嬢と造型が全く同じである。
国が違えばキャラクターが同時に並び立つことは無い。
せこいところで手を抜いたものだ。
未だ一国の王になるにはどうすれば良いか分からないが、いずれなるつもりだし、なってみせる。
クリア(クリア条件は色々ありそうだが)するまで長時間掛かりそうなゲームなので、
私のような所帯持ちにはのんびりプレイできるのが良い。
本作は、一人で篭って自分だけの世界に浸れる、そういうオタクなゲームなのである。
最後に、分かっている範囲でユニットの一覧を載せておこう。
Sarranid Sultanate
歩兵 | 歩兵 | 歩兵 弓兵 |
騎兵 歩兵 弓兵 |
騎兵 歩兵 弓兵 |
Sarranid Recruit (1D,LV4) |
Sarranid Footman (3D,LV9) |
Sarranid Veteran Footman (8D,LV14) |
Sarranid Horseman (26D,LV20) |
Mamluke (38D,LV25) |
Sarranid Infantry (15D,LV20) |
Sarranid Guard (23D,LV25) |
|||
Sarranid Skirmisher (8D,LV14) |
Sarranid Archer (14D,LV19) |
Sarranid Master Archer (21D,LV24) |
マムルークはサイド・アームに剣またはメイスを携行。どの兵もだいたい複数の武器を所持している。
Khergit Khanate
歩兵 (投槍有) |
騎兵 (投槍有) |
騎兵 (投槍有) |
槍騎兵 弓騎兵 |
弓騎兵 |
Khergit Tribesman (1D,LV5) |
Khergit Skirmisher (7D,LV10) |
Khergit Horseman (13D,LV14) |
Khergit Lancer (33D,LV23) |
|
Khergit Horse Archer (13D,LV14) |
Khergit Veteran Horse
Archer (28D,LV21) |
農民(男) 村で雇うのは”徴兵”なので兵士扱い。ここで言う農民というのは、山賊の捕虜になっている奴らを
解放して自軍に組み入れた場合のこと。
歩兵 | 弓兵 | 騎兵 | 騎兵 歩兵 |
騎兵 歩兵 |
Farmar (1D,LV4) |
Watchman (5D,LV9) |
Caravan Guard (20D,LV14) |
Mercenary Horseman (39D,LV20) |
Mercenary Cavalry (57D,LV25) |
Mercenary swordsman (23D,LV20) |
Hired Blade (34D,LV25) |
農民(女)
歩兵 | 弓兵 | 弓兵 | 弓兵 | 弓騎兵 |
Peasant Woman (1D,LV1) |
Camp Follower (1D,LV5) |
Huntress (4D,LV10) |
Camp Defender (10D,LV16) |
Sword Sister (30D,LV22) |
賞金稼ぎ
騎兵 | 騎兵 | 騎兵 | 騎兵 |
Man Hunter (7D,LV10) |
Slave Driver (13D,LV14) |
Slave Hunter (21D,LV18) |
Slave Crusher (30D,LV22) |
武器は大概メイス系。
※"D"はディナール、つまり雇用費用。LVは概ね実力の尺度として考えて良い。
※LVは固定(LV UP = Rank UP)。最終クラスになるとそれ以上LVは上がらない。
※弓兵でも近接武器にて接近戦は行える。
※基本騎兵の方が歩兵より強い。
※Man Hunter系は騎兵なのか歩兵なのかイマイチはっきりしない(両方いるような気がする)。
確かなのはこいつらはLV相応の実力ではなく、かなり弱い。
ちなみにSwadiaの最上級の兵士であるSwadian Knightは47D,LV28だった。
その下のSwadian Man at ArmsがどうもウチのSarranid Horsemanより強いような気がしていたのだが、
道理でSwadian Knightは数が少ないわけである。
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