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■2012年2月24日:レインボー・シックス

クリックして拡大  原題:RAINBOW SIX (1998年アメリカ)
 著者:トム・クランシー
     Tom Clancy/1947- アメリカ生
 文庫初版:1999年12月1日 新潮文庫
 初版時価格: (1,3) 667円 (2,4) 629円
 巻数:4巻 (1-4)
 品番:ク28-12〜15
 管理人読了日:2000年2月26日
 映画化:未

レインボー・シックスは「レッド・オクトーバーを追え」で有名なトム・クランシーの作品。
何しろデビュー作が映画化された位なのだから、筆力のほどが知れる。
同氏の作品で言えば「千年紀の墓標」から始まる”Power Play”シリーズの方が
面白いと思うのだが、知名度ではこちらの方が上だろう。

映画化はされていないがゲームとしてご存知の方も多いかと思う。
かくいう私もPC GAME”RAINBOW SIX”シリーズの拡張パック"URBAN OPERATION"で
同作品を知り、小説が元になっているとのことで急いで(急ぐ必要はないのだが)読んだのだ。

トム・クランシーの代表作は数あれど、シリーズものとしては
新潮社の”オプ・センター”シリーズは面白くないので1巻か2巻で止めてしまった。
"Power Play"シリーズも”オプ・センター”シリーズも共著なのでその辺も関係するのだろう。

本作品はシックスであるジョン・クラークとその部下ドミンゴシャベスが過去の作品から
続投して主人公を演じている。私はそちらは読んでいないのだが・・・


さて、本書のタイトルである「レインボー」とは、対テロ部隊のコード・ネームである。
ストーリーはこの二人と副官が旅客機の中でテロリストに遭遇し、
その連中をあっさりお縄に付けるところから始まる。
蛇足だがこの時の小話として笑えるのは彼らは法の執行者として、小火器の携帯許可を得て搭乗していたのに、
肝心の武器は上の棚に収納しており当初は素手で戦う、という点。
話を戻すがそもそもこの旅行は”レインボー”なる組織の創設のためであり、
その組織とは古今のテロの状況から各国のその道のスペシャリストを揃えた対テロ機関の創設であり、
レインボーとの命名は隊員は米英の対テロ組織出身者中心に揃えられているとはいえ、
全体としてみれば類稀な多国籍組織であることに所以する。
また”シックス”というのは軍事用語に精通している方なら誰でも知っている、
「司令官」を意味する用語であり、本書の場合はジョン・クラークを指す。

部隊はフリーのロシア人スパイ・コンサルタントも交え、細菌兵器を使って人類補完計画を目論む
テロリスト(実態はとあるイカれたアメリカの一企業)との戦いを繰り広げる。
面白いのは、実際のテロリスト達は雇われ兵であり、黒幕である連中はズブの素人で、
さんざんこてんぱんな目に遭わされて幕を閉じる点。悪の末路は知れている、ということだ。


本書は軍事的な分野を全く知らぬ人でも読みやすく書かれており、展開もテンポ良く簡潔に書かれている。
また小火器、特にスナイパー・ライフルに於いてや各対テロ組織の訓練の模様など、
マニア向けの小冊子としても十分に読み応えがあり、どなたでも楽しめる作品となっている。

私は特に職種柄(?)か物事の白黒をはっきりさせるのが好みであり、
そういった視点からも正義感溢れる隊員たちの活躍は読んでいて爽快だった。


ゲームの方では、一部の隊員のみが登場する。全隊員とまでは行かない。
その代り、小説では隊員数は定員24名(1チーム12名、内スナイパー2名 x 2チーム)なのだが、
ゲームでは多彩な人員が登場し、その中から必要に応じて選べるようになっている。
またストーリーも小説とは全く関係が無く、期待していると思い入れを裏切られるのだが、
レインボー・シックスは全く初めて、という方でも予備知識は必要なくプレイできる。

レインボー・シックス・シリーズの小説に新作は無いが、
ゲームは、"Vegas(II)"の新作の発売が決定しているし、
"Ghost Recon"シリーズの新作も登場は間違いなさそうで、期待される。

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