■2014年9月18日:北極の白魔
原題:ICE FORCE (2012年イギリス) | |
著者:マット・リン Matt Lynn/1940- イギリス生 |
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文庫初版:2013年10月25日 ソフトバンク文庫 | |
初版時価格:同上 900円 | |
巻数:単巻 | |
品番:リ1-4 | |
管理人読了日:2013年6月11日 | |
映画化:未 | |
映画題名:− | |
映画主演俳優・女優:− | |
日本語DVD化:− |
マット・リンの作品の原題は、常に〜FORCEのタイトルが付く。
本書も、以前にFIRE〜と来たからか、今度はICE〜である。
前向きで元気なタッチの小説が特徴だ。
さて本作品でマット・リンの”スティーヴ・ウェスト”シリーズは第4作目となるわけだが、
今回もスティーヴを初めとするダドリー・イマージェンシー・フォーシズ
(DEF、架空の民間軍事会社)所属の多彩な組織の出身者からなる傭兵たちが、
北極点を舞台に大活躍する。
そして今回はDEFの社長であるブルース・ダドリーその人も参加する。
前回マット・リンの作品を記事にしてからだいぶ経ってしまっているが、
その最新作を紹介しよう。
本シリーズは軍事スリラーものとしては、ちょっと出来過ぎでわずとらしくて白々しい部分もあるが、
その反面冒頭に述べたようにプロットの質としては安定しており、安心して読める。
そろそろ個々の隊員たちの個性が活かされなくなってきている(マンネリ化?)気もするが、
引き込みの部分(傭兵としての仕事を受ける部分)は毎回趣向を凝らしてあり、
意外性は健在だ。
フット・ボールだかラグビーだかの実況中継もしつこい。
物語の概要を書くと、メンバーの全員がイギリスで再開し、ビールを片手にスポーツ観戦と
洒落こんでいるところに、スポンサーであるロシア人の富豪から仕事を持ち掛けられ、
社長であるブルースの号令一下、メンバーはそのままVIP機で北極点に飛ぶ。
目的は、同じく著名なロシア人富豪の乗ったVIPが消息を絶ったので、
その墜落した?と思しき航空機の捜索から始まる。
が、そこには謎の軍隊が待ち構えているし、同行した雇い主であるロシア人富豪の
ボディー・ガード長でもある妖艶な女性も絡んでき、
謎めいた女性の関連性もスティーヴ達としては悩ましいところ。
スティーヴには第2作「暗黒の特殊作戦」で知り合った女性(没交渉)との間に
子供がいることも判明しており、その消息も今回明らかになる。
次回作の情報はまだ入ってきていないとのことだが、
本作の終盤で意識不明の重傷を負ったダンの安否も含めて、気になるところだ。
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