■2016年4月9日:夜間戦闘機「月光」
原題:タイトルと同題 (1993年日本) | |
著者:渡辺洋二/1950- 日本生 | |
文庫初版:1993年9月10日 朝日ソノラマ | |
初版時価格: 上下とも1,100円 | |
巻数:単巻 | |
品番:新装版戦記文庫Q | |
管理人読了日:2016年1月24日 | |
映画化:未 | |
映画題名: | |
映画主演俳優・女優: |
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日本語DVD化:− |
日本海軍の航空機搭乗員の階級表記が良く分からず、
首都防衛三〇二空に本書を参照と書いてあったので買ってみた。
謎が解けて満足である。
区分 | 昭和17年 11月1日以前 |
昭和17年 11月1日より |
陸軍 | |
海軍 | ||||
略 | 階級 | |||
准士官 | 同じ→ | 飛曹長 | 飛行兵曹長 | 准尉 |
下士官 | 一飛曹 | 上飛曹 | 上等飛行兵曹 | 曹長 |
二飛曹 | 一飛曹 | 一等飛行兵曹 | 軍曹 | |
三飛曹 | 二飛曹 | 二等飛行兵曹 | 伍長 | |
兵 | 一飛 | 飛長 | 飛行兵長 | 兵長 |
二飛 | 上飛 | 上等飛行兵 | 上等兵 | |
三飛 | 一飛 | 一等飛行兵 | 一等兵 | |
四飛 | 二飛 | 二等飛行兵 | 二等兵 |
「はじめに」の他にp.54も参照。
さて本書は「月光」といいつつ、首都防衛三〇二空とかなり内容がダブる。
あとがきにもある通り、夜戦隊全体のことを書きたかったとあるので、
首都防衛三〇二空より前の刊行であるから、こうなったのだろう。
今さら言うまでもないが、ご存知の通り月光とは数奇な運命を辿った飛行機で、
B-17やB-24といった「空の要塞」はもとより、B-29という「超重爆」を落とすための
文字通り「最後の切り札」だった。
この当時日本の高射砲(対空砲)等というものはクソの役にも立たず、
のちのどこかの会社の社長となる人物が「いまさら言っても仕方ないが」
高射砲でも結構落としたし、防空戦闘機の戦果になっているものがかなりある
とのたまったらしいが、
まったくその通りで、米軍の被害報告と突き合わせて帳尻がそろわない限り、
「いまさら言っても仕方ない」し、防空戦闘機の戦果でないのなら、
もっと優秀な高射砲・対空砲を揃えていた欧米軍が盛んに夜間戦闘機を
配備した意味もなかったことになる。
この人は、世界を敵に回す気だろうか?
タムロンの社長ごときに分かるわけがないのである。
我々現代人の認識だと、「超重爆」を落とすことは不可能だったような印象があるが、
「超重爆」も落ちたのである。
但し、航空機戦力によって。
と、話が逸れたが本書はそんな旧日本海軍・夜間戦闘機勢力の奮戦を知る書として、
前述の「首都防衛三〇二空」と合わせて読んでおきたい一冊である。
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