■2017年9月18日:ガリア戦記
原題:COMMENTARII DE BELLO GALLICO | |
著者:ガイウス・ユリウス・カエサル Gaius Iulius Caesar/前100-44 共和政ローマ生 |
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文庫初版:1942年2月5日 岩波文庫 |
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第77刷時価格: 2015年5月25日 900円 | |
巻数:単巻 | |
品番:青四〇七−一 | |
管理人読了日:2017年4月12日 | |
映画化:未 | |
映画題名: | |
映画主演俳優・女優: |
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日本語DVD化:− |
古代には、フランスはガリアと呼ばれていた。
ローマ人が名付けたのだ。
これは、ガリア民族がこの地に定住したからに他ならない。
今のフランスという名称は、ローマ帝国の末期にフランク族が住み着き、
フランク王国を起こしたのでそう呼ばれているだけだ。
だから、ガリアと呼ばれていた時代と、現在のフランスと呼ばれる国に住む人たちは、
ゲルマン民族はゲルマン民族でも、厳密にいうと種族としては異なる。
まあそんなことはどうでもいい話で、この本にもそんなことは書いていない。
ガリア戦記は、ローマの政治家で軍人でもあるカエサルが
前執政官(プロコンスル)時代に行った戦役のことが書いてある。
もちろん、当人の手になる(口述ではあるらしいが)書である。
「ローマ人の物語」を読んでいなかったら、よく理解できなかっただろう。
特に地名や人名、ガリアの部族名において。
従って古代ローマやゲルマン民族、この地方に関する知識が何もない人が
予備知識なしに読んでも、何もわからないだろう。
ローマ人の物語で解説されてる通り、本書の書き出しは
「ガリアは全部で三つにわかれ・・・」
といきなり本題に入る。
カエサルは政治・軍事の天才とされ、現代に生きていたとしたら、
間違いなくその国の指導者となっているだろうと、どの研究者でも口をそろえて言うそうだが、
真に文才家でもあったらしい。
ゲルマン民族といっても、大きなところでは後代でも
東西ゴート族にサクソン人、フランク族、ヴァンダル族、スエビ族というように細かく分かれる。
ガリア人としては、カエサルの本書のように古代からある程度研究がなされているから
さらに詳細に存在し、読んでいてもさっぱり分からない。
そこで、ある程度要約して記しておく。
この本を読むにあたっては、以下のところを要旨として記憶しておけば大丈夫だ。
・ヘルヴェティー族(スイス人)との接触
・アリオヴィストゥス−ウォセグスの戦い
・ネルヴィ族−サビス川の戦い
・ウェルチンジェトリクス−アレシアの戦い
カエサルはこの戦役を経てローマ本国より国賊扱いされ、
そのローマが討伐軍の長に任命した、三頭政治では同僚でもあった
ポンペイウスとの内戦に突入していく。
その経緯についても彼は「内乱記」として著しているので、
機会があれば読んでみたいと思う。
多分、そちらの方がローマの地名や人名であろうから、
本書よりは分かりやすいだろう。(笑
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