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■2021年3月18日:謀略空港

 原題:THE ASSET (2016年アメリカ)
 著者:シェイン・クーン
     Shane Kuhn/- アメリカ生
 文庫初版:2018年11月30日 創元推理文庫
 初版時価格: 1,200円
 巻数:単巻
 品番: Mク27-1
 管理人読了日:2020月6月16日
 映画化: -
 映画題名: -
 映画主演俳優・女優:
 日本化:

9・11テロで妹を亡くした主人公、ケネディは、
せめてもの罪滅ぼしで、空港の保安関係のコンサルタントとして働いている。
なんでも、すごい高給取りらしい。

冒頭から飛行機恐怖症の話で始まって、大いに共感を持つところだが、
役者あとがきにもあるように、そう、飛行機に乗る前に飛行機テロが
題材の小説を読むのは私も気が引ける。


コンサルタントをしていたケネディだが、ひょんなことから
CIAのあるチームから飛行機テロを目的とした陰謀があるとして、
共に働くことを持ち掛けられる。

このときに提示される報酬も、現実的にはありえない額なのだが、
ケネディが友人のロック・シンガーをスパイとして勧誘するなどは、
実際にはないとはいえない話だ。


ストーリーの前半は、だいたい主人公ケネディの身の上話のような感じで終始し、
彼がCIAの仕事に就いた後、後半は一気に駆け抜ける感じだ。

次々と命を落とす仲間たち。
多数の裏切り。
手に汗握る展開に、面白いと実感する。

あまりに裏切りが多すぎて、
ラスト50ページくらいは、本当に誰が黒幕なのかわからなくなってくる。


最終的に悪をくじくことに成功したケネディは、
今後もスパイとして働くことが後日譚で語られている。

続きが出るのかどうかわからないが、楽しみな作家ではある。


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