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■2011年8月26日:DUKE NUKEM FOREVER (PC GAME)

あのデューク・ニュッカムが帰ってきた。
古き良き時代の、アメリカン・ヒーロー。

とは言え旧作ほどの中毒性は無く、私も直ぐに飽きてしまった。
大人になってまでゲームなどにうつつを抜かしていてはイカン、ということなのだろう。

各所に笑いを引くイベントが用意されているのだが、旧作ほど抱腹絶倒のものは無い。
同様にゲーム性としても、旧作のように完璧にのめり込むほどのものも無い。
加えて私自身も年を取ったと言うべきか、かなり3Dゲーム酔いするようになった。(笑
特に序盤の地下シーンはキツイ。

本作では主人公のデュークは英雄として大金持ちになっており、
親子連れの子供にサインを求められるシーンなどもある。
サインをするのは、もちろんプレイヤーだ
(ぐちゃぐちゃに落書きしてもゲームの進行に問題はないのでご心配なく)。

ゲームは頻繁にセーブが行われ、難易度は低めに設定されているので私のようなおっさんプレイヤー
(元々ゲームオンチなのに歳とともに増々下手くそになっている。そもそも自分自身、
キーボードを叩く指から歳の事がすらすら出てくるようになったことに驚いている)でも安心だ。
その一例として、主人公DUKEの体力は”HP”や”Life”等ではなく、”EGO”として表現されており
(最初何のことか分からなかった)、数値化はされておらず、”0”状態になるまでに
段階的にステータス・バーが変化し、その間に休息することで体力が回復し、
死に難い仕組みになっている。

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タイトル画面。壁紙に使える? 小便まで垂れられる。何というか、何でも出来るわけではないのだが、
オブジェクトに対するイベント判定が非常に多く用意されており、
細かいところに笑いが演出されている。
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スナックの自販機で迷うNPC。リアル過ぎ。 試しにジュースを買ってみる。金は要らない。ボタンを押すだけだ。
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ボタンを押しまくると缶ジュースがガラガラといくつも落ちてくる。
これらは飲むことは出来ず、拾って投げるだけ。
デューク・ニュッカムといえば、ギャルの登場が欠かせない。
オマケシーンとしてステージ・クリアする都度、
回顧シーンを見ることが出来る。アメリカにもメイド文化があると聞くが、
妙にハスキーなメイドの声がゲームにアメリカンらしさを添える。
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いいところに住んでまんがな〜 左写真に冷蔵庫が見えるかと思うが、なんとこれすら近づいて扉を開け、
中の酒類を飲むことが出来る。ちなみにビールは時折ステージ内に
転がっており、1本までストックしておくことができ、
何故かビールを飲むと体力が回復する。この辺の理屈抜きなところが
デューク・ニュッカムなのである。
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おなじみのミサイルUFOも登場。旧作では意外とあっさり片付けられたが、
今作ではかなりの強敵だ。体力を回復しながら戦おう。
旧作では複数の武器を持つことができ、ピストルとマシンガン等は
弾薬が共通だった記憶があるのだが、今作では武器は同時に2つまでしか
持てなくなった。とはいえ武器は敵を倒す都度拾えるので、
困ることはないだろう。武器には人類の武器とエイリアンの武器とがあり、
後者はどうも使い勝手が悪い。


DUKE NUKEM FOREVERはパブリッシャーが従来までのGT Interactiveから2K Gamesに変わり、
長きに渡る開発期間を経てようやく発表された。そのリリースはタイでもCNNのニュースで配信されたほどだ。
デュークのセレブぶりが窺い知れるというものだ。

デューク・ニュッカムと言えば、古くはDOOMから続くDOS時代のFPS。
そのDOOMは、2台のPC98をRS232Cのクロス・ケーブルで繋げてIP接続による対戦を行い、
一旦殺されたプレイヤーがリ・エントリーすると先に殺された自分の屍を乗り越えて
次々登場するシーンに、友人とともに腹を抱えて笑い転げたものだ。
高校生の頃だった。

何年前だよ、という話だが、DOSの時代だから、96年とか97年の話である
(DOOMが94年(PC98)で、DUKE NUKEMが96年)。
何だか遠い話なのだが、この頃は色々なPCゲームがあった。
最近はめっきり減ってしまったが、フライトシミュレーターなどそれこそ数えきれないほどあった。
97年と言えばDiabloが登場した年であり私はDiabloもプレイしていたのだが、
こちらはWindowsであり、ネットワーク・ゲームの普及がDOSから手を引いた主要因だ。
この当時は、今PCを複数台持っていてxpと7を使い分けている人がいるように、
PC-98とDOS/V、DOSが入っているマシンとWindowsをインストールしてあるマシン、
というように分業させていた。

昔々、”オタク”という言葉の代名詞として普及した”パソコン”だが、
時代は変わってかつて体育会系だった人々が今度はコンプレックスを感じる時代になった。
日本は特に個性より集団主義を重視する風潮があるので、皮肉なものである。
私は子供の頃から母がスイミング・スクールのコーチに、何故息子は進級できないのかと訊くと、
「お宅のお子さんはコースの終端で遊んでいてプールから上がって来ないのです」と
言われるようなくそガキだった。大きなお世話である。むしろそういうことは先に言えよ、という感じである。
ちなみに本人は全く記憶に無い。小学生の私にとっては、スイミング・スクールの成績より、
家に帰ってZガンダムを見ることの方が重要だったのだろう。


DOOMとDUKE NUKEMの両シリーズは、異なるデベロッパーの作品である。
DOOMはid Software社が制作した世界初のFPS”ウルフェン・シュタイン”の次作で、
他にQUAKEシリーズ等がある。私はウルフェン・シュタインはプレイしなかった。
またDOOMに続くQUAKEはどうも殺風景で面白くなかった。

DOOMを開発するid Softwareとは別に、シリアス路線のDOOMに対抗して登場したのが
3D realmsのDUKE NUKEMシリーズだ。きついブラック・ジョークと分かりやすいマッチョな主人公。
私はこれにハマりまくり、寝る間も惜しんでプレイした。
私は個人的にはDOOMよりDUKE NUKEMの方が好きなのだが、これにはDOOMの妙に複雑な謎解き
(KEY CARDを集めないと先に進めない)に対し、DUKE NUKEMでは何でも破壊すれば解決する爽快さと、
友人の言によれば「舞台が街中なのが楽しかった」のだろう。

当時、これらのゲームはシェア・ウェアとして配布された。
シェア・ウェアというのは、ゲームのデモ版っぽいもの(例えば1面だけプレイできるとか)を
様々なPC周辺機器に付属させ、プレイして面白かったらお金を払って正規版を手に入れてね、
というスタンスの商法である。今でも時折見掛けるが、ちょっと前まではビデオ・カード等は
ゲームがバンドルされているのが当たり前だった。シェア・ウェアというのはこれとはちょっと違うのだが、
それが、当時はビデオ・カードどころかCDのドライブ(昔はただの”CD”ドライブも数万円した)にも
DOOMやらDUKE NUKEMやらのシェアウェア版(体験版)がバンドルされていたので、
これらのゲームは物凄い普及率を誇った。何しろ自作機を組むと、購入したパーツに応じて
それこそDOOMやDUKE NUKEMのCDがダブって転がったものだった。
ところが、シェア・ウェアといってもインターネット普及率の低かった当時、どうやって販売元と連絡を取って
正規版を手に入れるのかというと、インターネットでの登録ではなく郵送である。
これはアメリカ本国での販売が視野の商法で、日本には外国製のパーツにゲームが元々付属していたので
一緒にくっ付いたまま販売されていたというのが実態であり、我々としては面白いシェア・ウェアは
6,800円とかを出費して高い製品版を購入するしかなかった。日本では、P&Aシェアウェアから
英語版が薄っぺらい日本語マニュアル付きで販売された。余談だが、このP&A、未だあるから恐れ入る(失礼!)。
この広く世界に販売するには不便過ぎた商法が、シェア・ウェアが衰退していった主因である。


さて、3D realmsからDUKE NUKEMの次に登場したのがShadow Warrior。
”ジャパニーズ・シャドー・ウォリアー(多分忍者の事だと思う)”である主人公、
ロー・ワンが「ハチョーッ!」の掛け声とともにUziサブマシンガンを両手に引っ提げて登場する。
当時普及していた日本の美少女ゲームの意味不明なアニメ少女に女好きな主人公と
ハチャメチャな設定で、どう考えても東洋を誤解している作りが私には受けたのだが、
広くは受け入れられずあまり売れなかったようだ。

そしてこの時代のFPSにはDUKE NUKEM 3Dと同じゲーム・エンジンを利用する、Redneck Rampage等がある。
Redneckというのは、直訳すると「アメリカ南部の白人農場労働者」という差別用語。
そんな言葉をゲーム・タイトルにするくらいだから相当な突飛さが窺い知れるというもので、
確か登場人物が二人いて、宇宙人にさらわれたペットの豚を助けに行く、とかいうストーリーだったと記憶しているが、
実際のゲームはイマイチで、これにも続編があったがどちらも殆ど名も知られずに消えて行った
(ちなみに私は両方とも買った(笑)。

この辺からPCゲームもWindowsで動くようになる。
Redneck Rampageを開発したXatrix Entertainmentは後にQuake II Engineを採用する
KINGPIN Life of Crimeを発表し、こちらは一定の評価を得たようだ。

その他各社からMax PayneやPrey、UnrealにHalf-life、Thief等、
色々リリースされたが私はプレイしなかった。


私がプレイしているDUKE NUKEM FOREVERは英語版である。
旧作も英語版でプレイしていたので違和感は無い...というか、日本語化されたら邪道だろう。
DUKE NUKEMが何より面白かったのはそのアメリカン・ジョークぶりであり、
日本語化されたら(DUKE NUKEM FOREVERはされるらしいが)その楽しみが半減されてしまう。

え、何、英語じゃストーリーが分からない?

そういった輩はプレイしなくてよろしい

”世界初”というエポック性のあるDOOMを除けば、この”DUKE”節が本作があまねく普及した一因だろう。
国産ゲームにはまず望めない面白さだ。

関連記事:

カテゴリ・ゲーム(フレームに展開)


関連リンク:

Duke Nukem Forever 日本語版公式サイト
Duke Nukem Forever 英語版公式サイト


id Software
Wolfenstein 3D
(1992)
DOOM
(1993)
DOOM II
(1994)
QUAKE
(1996)


3D realms
Duke Nukem 3D
(1996)

Duke Nukem
Manhattan Project
(2002)

Shadow Warrior
(1997)


Xatrix Entertainment
 
Redneck Rampage
(1997)
Redneck Rampage
Rides Again:Arkansas

(1998)
KINGPIN Life of Crime
(1999)


今流れている威勢の良いBGMは、Duke Nukemの
CDの中に入っていたテーマ・ソングをMP3に落としたものである。
ゲームのCDはもはや手元にはないが、BGMだけはHDDからHDDに語り継がれ、
残っていたのである。

DUKEよ、永遠なれっ!

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