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■2013年10月2日:蜂の巣が落ちてきた

ある日家に帰ると、大量に白蟻が飛んでいた。
まあ初めてのことではなくて、暑い日などに時々あることなのだが、
この日はさらに他にもゲストがいた。

ベランダで蜂が飛び交っていたのだ。
9階の何処かの部屋のバカタレが自分ちのベランダの植物に
住み着いた蜂の巣を下に落としたらしい。
まあ蜜蜂なのでどうということはないのだがさすが大量にいるので、
嫁さんは洗濯ができなければ洗濯物を干すこともできない。

アパートのチャン(職人、作業員の意)を呼んで巣は表の中庭の隅っこに寄せてもらったらしいが、
彼もびびってしまってあまり近寄りたくないので、完全な撤去には至っていない。
従って、私が帰宅した時間にもまだ蜂はブンブン飛んでいた。

こういうことが大嫌いな私は、許せないので上に住んでいる奴に文句を言いに行くと勢い込んで部屋を出ようとした。
こんなもの、中庭に出て上を見上げれば、(もし植物がベランダに並んでいるようなら)直ぐに分かる。

ところが嫁さんが止めてきた。
「ごつい白人でも出てきたらどうするの」
知るか。
「あんたそんな文句言えるほど英語喋れないでしょ」
むぅ・・・そういう問題もあったか。
しかし、白人や日本人が蜂の巣を下の階に落とすなんて非常識なことをするとは思えない。
こんなバカなことをするのはタイ人に決まっている。
以前にも直ぐ上の階に住んでいたアホに文句を言ったことがある。
それか、韓国人か(このアパートにはうるさい韓国人が数組いる)。

「んでもってもしかしたらチャンがその上の階の人に呼ばれて、
対処の方法が下に落とした、ということだったのかもしれないじゃない。
聞きそびれちゃったから分からないんだけどさ・・・」
なぬ・・・
そうか、確かにチャンが9階と知っているのは不自然だ。
しかし、自分で飼っている植物が手に負えなくなって処理を業者に頼むバカがいるか?
彼女は白蟻ミミズに蜂にとほとほとまいっており、言った言葉は「引っ越したい」の一言だった。
それはそうだ。昼間一日虫と付き合う日々がこんなに続いたら誰でも嫌になる。

とにかく、偵察しておいて損はないので、とりあえず表に出てみた。

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これが蜂の巣が落ちてきた直後の状態らしい。 残骸をチャンが隅に寄せてくれたとのこと。
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上を見上げると、見たところ中庭に散らばっている花びらと同色の植物が
ベランダまではみ出している。バレバレじゃん。
これならチャンも表に出てきて9階だと直ぐに分かるだろう。
これで分岐が生まれた。
灯が消えているが不在なのだろうか?
翌日は土曜であり蜂の巣は下に落としてせいせいしたから、
自分たちは土日に悠々と旅行にでも行っているのだろうか。
そう考えると溶岩のような怒りが体内を満たした。
9階まで上がってみたが、このアパートには避難経路の表示があり
これ幸いと見てみたが部屋の配置がいまいち分からない。
廊下にまで植物が並べてある。
こんなにあったら蜂の巣ぐらい出来て当たり前だ。


こんなことをするアホを放置するわけにはいかない。
何故なら、文句を言われなければまたやるだろうからだ。
シリアを許せないアメリカと同じだ。しかも、この場合は私自身が被害を被っている。

さて、実際に乗り込む前に、やはりアパートの従業員に部屋番号を確認してもらった方が得策だ。
文句を言いに行ったらお門違いだった、などという間抜けな事態だけは避けたい。
日本なら、アパートの管理人に注意してもらうとかの方法があるだろうが、
バカ・タイ人にそんなサービスは期待できない。特にこのアパートに前例はいくらでもある。

ここで私は熟慮した。アパートのオフィスに問い合わせに行くには、
午前中仕事を休ませてもらわなければならないが、前述のように翌日は土曜であり、
私は仕事だがアパートの従業員の方は分からない。土曜日も人はいるが上がるのはいつもより早いし、
出勤を遅刻させてもらっておいてアパートから「私に言わないで」的なあしらいを受けたら目も当てられない。
私はかなり迷った挙句、翌日の決行は避けることにした。
チャンが事の真相を知っている可能性もあるし、犯人が不在だった場合の対処もあるからだ。

アパートと話をすることは有用だ。
こことは年間契約をしているのでデポジット(タイ語でグン マッ チャム)の問題があり、
文句を言って引っ越しをする際に発生する手数料をチャラにしてもらうためだ。

ちょっと遅刻させてもらって文句を言いに行くことを会社に相談したところ、彼は最初爆笑していたが
「止めとけよ、殺されちまうぞ。
その業者だか何だかが一応は処理してくれたんならそれでいいだろうが」
と言われ気が済んだ。
もっとも引っ越しは継続して考えるつもりだが。

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