■2012年7月22日:ナヴァロンの風雲
原題:STORM FORCE FROM NAVARONE (1996年イギリス) | |
著者:サム・ルウェリン Sam Llewellyn/1948- イギリス生 |
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文庫初版:2001年8月31日 早川書房 | |
初版時価格:820円 | |
巻数:単巻 | |
品番:NVル4-1 | |
管理人読了日:2003年3月19日 | |
映画化:未 | |
映画題名:未 | |
映画主演俳優・女優:ー | |
日本語DVD化:ー |
代作シリーズ第2弾は、サム・ルウェリンのナヴァロンの風雲である。
あの巨匠マクリーンの「ナヴァロン」シリーズが復活する。
著者の語り口といったら、マクリーンの描き方と遜色なく、というよりそのもので、
まさに”復活”という形容が相応しい。訳者が往来のマクリーンの作品と同じ
平井イサクというのがまた良い。
物語は”前作”であるナヴァロンの嵐からの続きという形で始まる。
またぞろマロリー達3人はイギリス海軍大佐であるジェンセンから休む間もなく
新たな任務を与えられるのだ。
本当に、この人達は戦死というより疲労で死んでしまうのではないかと、心配になってしまう。
大切なヒーロー達に死なれてしまっては、
読者としては続編が刊行出来なくなってしまうのではないかと気が気でない。
アンドレアなどに於いては、新婚さんであり、奥さんはどうなってしまうのか・・・
そんな憶測というか要らぬお世話はさて置き、
この書き出しが現実の時間軸では何十年も経っているのに、
さもつい先日のような突拍子のない書き方なので、可笑しくて堪らない。
そしてジェンセン大佐、この狸を被ったような人のブリーフィング・シーンが
芝居っけたっぷりで面白いのだ。
内容的にはドイツ軍の超弩級潜水艦3隻を爆破する、という有体な目標だが、
そんないかにも、なシナリオでもマクリーン譲りの男臭い人間活劇で
スパイ有り、気の利いたジョーク有りで巧みに書き出されていく。
特にそのスパイも、一人炙り出されても未だ・・・
という設定が、読むものの臨場感をいやが上にも高める。
サム・ルウェリンは本書のさらに続編で「ナヴァロンの雷鳴」をも著しているので、
こちらも合わせてお読みいただきたい。
マロリーら3人には文字通り休み暇がなさそうだ。
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