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■2013年8月22日:サリーは謎解き名人

 原題:FOUR TO SCORE (1998年アメリカ)
 著者:ジャネット・イヴァノヴィッチ
     Janet Evanovich/1943- アメリカ生
 文庫初版:1999年6月30日 扶桑社ミステリー
 初版時価格:743円
 巻数:単巻
 品番:イ4-4
 管理人読了日:2003年11月8日
 映画化:
 映画題名:
 映画主演俳優・女優:
 日本語DVD化:

本書はステファニー・プラム・シリーズの第4作である。
本書には前回「お騒がせなクリスマス」の中で触れていて、その後で紹介するなど間が抜けているが、
最近日本の実家からタイまで運んできた蔵書の底が尽き掛けて来ており、
イヴァノヴィッチの作品にしても他に持ってきていないので、その点ご容赦願いたい。

しばらく前の作品であり、もはや細かいストーリーは忘れてしまっているが、
解説にもある通り「ステファニー・プラムシリーズの面白さ云々を解説することは、野暮な話になるかもしれない」。
イヴァノヴィッチの作品はその軽快なテンポに任せてついどんどん読んでしまうが、
反面重みはないので、あまり再読する気にはならない。

これは否定的な話ではなく、要するにエンターテインメントとして良く出来ているのである。
私は小説は読んで心に残るものと、楽しんで読んでスッキリ忘れるものと2種類あると考えている。
イヴァノヴィッチの作品は間違いなく後者にあたるものであり、楽しみたいのに心に重くのしかかるような
テーマ性を持つものでは困る。


本作品の主人公はシリーズを通しての主人公、ステファニーではなく、
冒頭の「お騒がせ〜」に書いたサリーで間違いない。
この女性男性、成功(サクセス)がミドルネームであり、ミュージシャンの例に漏れず
売り出し期間中はそれこそジリ貧の生活を送っていたが、今は活動が当たり高層マンションのスィートに住む。
女装してバンドでギターを弾いているだけで、実際にはゲイではないらしい。
発言する単語の頭には必ず「くそ」の修飾語を付ける。
彼女彼は後年の作品では幼稚園のバスの運転手の仕事に就き、自身の癖である「くそ」を
園児達に聞かせるのは教育に良くないと悩んだり、ステファニーの姉の結婚準備を手伝い
今度はウェディング・プランナーを目指そうかと志したり、多感?な年頃(中年)の人物。
そんな人物が、今回もステファニーの事件解決に一役買う。
また彼女のルームメイトで同じバンドのヴォーカルを務める「シュガー」も同じくゲイであり、
こんな話を聞かされていると眩暈がしてくる。

一人の人物についてこれだけの経歴が描き込まれていれば、
それはもう個性豊かな登場人物溢れる本書の魅力が分かろうというもの。


気が付けば10年前に読んだ本書。前回紹介した作品と読んだ日付が1年も違わないのは
まとめてゴッソリ買ったのだろうと考えられるが、作品ごとにスキルアップする主人公と比較して、
自分はこの10年で人間的に成長しただろうか。

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関連記事:

ステファニー・プラム・シリーズ第9作目にあたる本作は、番外編である。ステファニー・プラム・シリーズといえば、登場人物が多彩なことで知られており、毎回新しいキャラクターが登場し、しかもレギュラー・メンバーとして以後も登場する。よくもまあこんなに増やせるものだと思う。■2013年3月2日:お騒がせなクリスマス
うう・・・これ読んだのって、今の会社に入社したばっかりのときだヨ!日付を記しておくと、そんなことが分かるんだな。 ステファニー・プラム・シリーズの作品は中盤(未だ完結はしていないが)位が一番面白いのだが、まあ入門編として第一話を紹介しておこう。■2012年4月10日:私が愛したリボルバー



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