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■2013年9月13日:テロリスト<征服者>を撃て

クリックして拡大  原題:PATH OF THE ASSASSIN (2003年アメリカ)
 著者:ブラッド・ソー
     Brad Thor/1969- アメリカ生
 文庫初版:2003年9月30日 ハヤカワ文庫
 初版時価格:上下とも680円
 巻数:上下二巻
 品番:NVソ3-3,4
 管理人読了日:2004年6月20日
 映画化:未
 映画題名:
 映画主演俳優・女優:
 日本語DVD化:未

前回に引き続き、今回紹介するブラッド・ソーの「テロリスト<征服者>を撃て」も、
紹介済みの傭兵部隊<ライオン>を追え<亡霊国家ソヴィエト>を倒せの間に入る作品で、
同一の主人公、アメリカのシークレット・サーヴィス隊員である
スコット・ハーヴァスを主人公にしたミステリ作品だ。
何で順番通り紹介しなかったのか、と言われても情けないことに反論できないが、
言い訳はさておき良作であることに変わりないので記事にしたい。


今作でスコットは処女作である前述の「傭兵部隊〜」で知り合った、
ヨーロッパ美人のクラウディアとは破局を迎える。
というのも、二人はそれぞれ自身のキャリアを犠牲にしてまで恋に溺れるほど甘くはなかったし、
二人の共通の敵で前作の黒幕、ゲルハルト・ミーナーが裁判中に何者かに殺害されたからだ。

「アブ・ニダル」という名にはまともに新聞を読んでらっしゃる皆さんであれば、
その名を目にしたことがあるだろう。
今作品では、スコットは裏で糸を操る真の黒幕を突き止めるべく奮闘する。

物語はスコットの新しいガール・フレンドである、メグ・キャシディをハイ・ジャックされた航空機内から
救う特殊作戦を中心に、アクション主体で進む(二人はこの事件の後付き合い始める)。
エジプト軍の特殊部隊"777"も登場する。
もっとも、このメグ・キャシディ、確かに読んでいるだけでも魅力的な女性だが、
その女性にしても特殊作戦の「即席コース」を受講してスコットと任務を共にするなど、
少々突飛過ぎる設定のような気もするが、ブラッド・ソーの
ミステリー作家としての才能の開花が垣間見える作品である。

エジプトのハーン・ハリーリ・バザールのとあるカフェで沈思するスコットなど、
著者のトラベル・キャスターとしての経歴を生かした異国情緒の描写にも手抜かりはない。


蛇足だがブラッド・ソーはTwitterもやっていて、日に何度ものTweetで賑わせてくれる。

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関連記事:

ブラッド・ソー第3作目の作品で、日本ではこれ以降翻訳されていないので、日本では最新作にあたる。といっても、2005年に刊行されたものなので、いささか古い感は否めない。■2013年2月4日:<亡霊国家ソヴィエト>を倒せ
旅行番組等のエンターテインメント分野で活躍する、一風変わったブラッド・ソーという人物がこの作品の著者。本作品と同一の人物を主人公に据えた作品が、既にハヤカワ文庫から3作刊行されている。後編の2作は少々間延びした感があるが、処女作である本作は間違いなく傑作だ。■2012年4月22日:傭兵部隊<ライオン>を追え



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