戻る

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

■2018年12月16日:内乱記

クリックして拡大  原題:Caesaris rerum suarum commentarii civilis belli Pompeiani
 著者:ガイウス・ユリウス・カエサル
     Gaius Iulius Caesar/前100-44 共和政ローマ生
 文庫初版:1996年6月10日
        講談社学術文庫
 第20刷時価格: 2017年8月10日 1,050円
 巻数:単巻
 品番:1234
 管理人読了日:2018年10月27日
 映画化:未
 映画題名:
 映画主演俳優・女優:
 
 日本語DVD化:−
 

読み終えて、何はさておきカエサルというのは、
どれほど天才的な人物だったのだろうかと、唸ってしまった。

何が天才なのか、と聞かれれば、
ガリア戦記もそうだが、カエサルは、内乱記でも、
初めから勝つつもりで、いや勝利を確信していたのである。
カエサルは、いわば「勝てぬ戦には臨まない」人物だった。

もちろん、戦役後に書いたのだが、
全編に渡って自己の優越性に絶対の自信を持って書いている。


本書は、「ガリア戦記」のあと、元老院から元老院最終勧告の発布を受け、
ルビコン川を越えてから、宿敵ポンペイウスの死までの戦記が
活き活きと書かれている。

訳注にも書かれているが、本書では「アレクサンドリアでポンペイウスの死を知った」と
ポンペイウスの死について述べられており、
その後のことも少しだけ、後日譚のように書かれているが、
事実上このポンペイウスの死までで本書は終わっている。

はっきり言って、この一言にカエサルの心情が集約されていると思う。

このあとのエジプト王朝の後処理など、カエサルにとってはどうでもいいことだったのだ。
つまり、「内乱記」はポンペイウスとの戦いについて綴られたもので、
カエサルから以前は盟友だった男、ポンペイウスに対して捧げられたオマージュなのだ。

そう考えると、納得がいく。


本書もガリア戦役と同じように、
なぜか直訳のような感じで書かれており、若干読みにくいのだが、
訳者の違いかガリア戦役とは違って、
物臭野郎とか、時間割とか、尻をたたかれてとか、
おくゆかしい表現が目立つ。

微笑しながら楽しんで読めるようになっている。

Tweet


関連記事:

■2017年9月18日:ガリア戦記
■2017年3月19日:「ローマ人の物語」及びスペシャル・ガイドブック



戻る