■2021年7月15日:悪魔の赤い手 殺し屋を殺せ2
原題: Red Right Hand (2016年アメリカ) | |
著者:クリス・ホルム Chris Holm/ アメリカ生 |
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文庫初版:2019年2月15日 ハヤカワ文庫 | |
初版時価格: 1060円 | |
巻数:単巻 | |
品番:NVホ18-2 | |
管理人読了日:2021年4月6日 | |
映画化:未 | |
映画題名:− | |
映画主演俳優・女優:− |
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日本語DVD化:− |
クリス・ホルムの第2作で、
マイクル・ヘンドリクス・シリーズ第2弾である。
今作でも、引き続き主人公は殺し屋ヘンドリクスが務める。
彼は、アメリカを牛耳る犯罪組織を相手に戦っている、
殺し屋とはいえ、いわば”義賊”だ。
前作で助手を務めた”レスター”は殺されてしまったので、
代わりとなる相棒が登場する。
彼女は今後も登場するのかどうか不明だが、
齢20歳の妙齢の乙女だ。
実は今作は前半はあまり面白くなく、
途中で読む手を止めそうになったのだが、
最終50ページあたりでストーリーは急加速する。
諦めずに読んでほしい。
物語はサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジの爆破事件から幕を開ける。
ここで前作にも登場したFBI捜査官、チャーリー・トンプソンが登壇。
ヘンドリクスもひょんなことから事件に絡むことになるのだが、
実はこの事件は欺騙で、背後には腹黒い野望を持った犯罪組織の存在があった。
とはいえ古今東西共通の唾棄すべき悪党は、最後には成敗されるし、
大どんでん返しではないが、凝った意趣返しも用意されている。
少々無理があるとはいえ、
先に書いた”面白くない”評価は返上したくなるような結末が待っている。
いつも思うのだが、最後にある評論家の評価は余計である。
この人たちは、確かに鋭い書評をするのかもしれないが、
数学の計算に似た、人間味のない評価になりがちである。
なぜなら、私なら「ナヴァロンの要塞」を「陰気で、カラっといかない」とは評価しない。
私なら、「ナヴァロンの要塞」は、
泥臭い人間模様を的確に描いている、と評価するのである。
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