■2009年11月15日:Acer製 VISION 搭載ノート
Acerから「Tigris」プラットフォームを搭載する「VISION」を謳うノートPCが発売されているので、
価格とスペックを中心にレポートしたい。
調査したのは、「Central」デパートRamaII世通り店である。
これは管理人の勤め先付近の店舗で、いわゆる「バンコク」ではなく、「郊外」である。
従って、外国人の姿は97%(微妙)見掛けない。
さて、このデパートは「Central」という高級志向のデパートと、「Central
Plaza」と冠する
スーパーに性格が近い店舗が合体しており(Centralでも地域によって形態は違うが)、
それぞれ4Fに「Power Buy」、2Fに「POWER BUY iT」という電気専門店が入っている。
「Central」内の店舗はエリアも広く家電も扱っているのに対し、「Plaza」店の方は狭く、品揃えも
PCと携帯電話に限られる。なお、両店舗の関連性は不明だが、商品の値段は変わらない。
私は最初「Central」4Fの方に赴いた。そして驚いた。時間は火曜の18:00過ぎ。
客の姿が全くといっていいほど無く、ノートPCエリアで4~5人の店員が2,3台のPCに群がり
ゲームに興じているのだ。小さなテナントで一人二人の店員が展示品のノートで
放映しているDVDを眺めているくらいの光景はタイでは珍しくないのだが、
この時はその異様な光景に圧倒された。なんといってもここはデパートなのである。
そして対象のPCは私の目当てのAcerの「VISION」 PCなのだ。しかも私が直ぐ隣まで行っても、
動じないどころか場所を譲る気配も無く、数人で楽しそうにゲームを続行している。
背後で女性店員が「お客さんが来ても未だゲームやってる」と呟く声が聞こえる。
おまけに、「これ(PCを)写真撮って良い?」と聞くと、こちらを見向きもせずに
「カタログに載っているからそれを持って行け」とカタログを寄越した。
いや、最高スペックのはカタログにも載っていないから、と突っ込みを入れたところ、
今度は返事をしなかった。
あまり頭にきたので、職場長みたいな奴を見つけて言い付けてやろうかと思ったのだが、
ゲームで遊んでいる張本人が職場長その人なのだから始末が悪い。
本当にどうしようもない連中だ。なんという生産性の低い連中なのだろう。
PCなんて滅多に売れないので遊んでいるのか、こいつらが遊び呆けていて売る気が
全く無いので全然売れないのか、どちらなのか分からない。
一般にタイではPCを買えるのは金持ちだけなので、この店など日に1台も売れないだろう。
「Central」内4F「Power Buy」店内。のんびりした雰囲気が十分伝わることと思う。
気を取り直して「Central Plaza」2Fの店に行き、目指すPCを調査してきた。
Aspire 4540G-502G32Mn/C011 | Aspire 4540-301G32Mn/C023 | |
Product Code | PFL0C011 | PFP0C023 |
VISIONランク | ULTIMATE | 無印 |
オペレーティングシステム | Linpus Linux BE | |
プロセッサー | AMD Turion II X2 M500 (2.2GHz/512KB L2 Cache x2) | AMD Athlon II X2 M300 (2.0GHz/512KB L2 Cache x2) |
チップセット | AMD M880G | |
メモリ | 2048MB DDR2-667 (Max 4GB) | 1024MB DDR2-667 (Max 4GB) |
ハードドライブ | 320GB HDD (5400rpm) | |
オプティカルドライブ | DVD-Super Multi DL | |
webカメラ | Acer CrystalEyes Webcam | |
モデム | 56K Fax/Modem | |
ネットワークコントローラー | 10/100/1000Mbps LAN | |
無線機能 | Acer InviLink Nplify 802.11b/g/Draft-N,Bluetooth 2.0+EDR | |
グラフィックスタイプ | ATI Mobility Radeon HD 4570 | ATI Radeon HD 4200 |
ビデオメモリ | with up to 896MB of HyperMemory | with up to 384MB of shared memory |
HDMI対応 | HDMI port with HDCP support | |
ディスプレイタイプ | 14" HD (1366 x 768 pixel) Acer CineCrystal LED-backlit TFT LCD | |
メディアカードスロット | Multi-in-1 card reader | |
USB2.0ポート | x3 | |
オーディオ機能 | Dolby Home Theater Audio | |
指紋認証機能 | Acer Bio-Protection fingerprint reader | |
質量 | 恐らく同じ→ | 2.3kg |
バッテリ | 6-cell | |
バッテリ駆動時間 | (参考:旧モデル4535で3.5-hour) | |
保証 | 1 year warranty (International Travel Warranty) | |
価格 | 21,290THB | 16,990THB |
円換算(11/15のレートで 1円=2.70THB) |
57,424円 | 45,826円 |
価格とスペックだけを見ると恐ろしく安い。なお価格は7%のVAT込みである。VATについては前回解説した。
価格表示が税込みか税別かは店により異なるようだ。但しOSはLinuxであり、この辺で値段を下げているものと思われる。
Windowsを導入する場合は別途購入しなければならない。ドライバはAcerのサイトで入手可能だ。
筐体は旧モデルと同様であり、今回ご紹介した2機種も、側は一緒である。従って重量に変化は無いものと思われる。
これらは日本では販売されていないモデルである。日本Acerから販売されている機種は、カテゴリーが異なり
1ランク、サイズの大きなモデルとなっている。VISIONのステッカーしか貼られていないのが少し寂しい。
以下の表はVISIONの区分を示すものである。
メインストリームノートPCのための最小構成(Tigris) | ||
CPU:Turion II Dual-Core GPU:ATI Mobility Radeon HD 4650 |
CPU:Turion II Ultra Dual-Core GPU:ATI Mobility Radeon HD 4570 |
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CPU:Athlon II Dual-Core Turion X2 GPU:ATI Mobility Radeon HD 4330 |
CPU:Turion II Dual-Core GPU:ATI Mobility Radeon HD 4200 |
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CPU:Athlon X2 GPU:ATI Mobility Radeon HD 4330 |
CPU:Athlon II Dual-Core GPU:ATI Mobility Radeon HD 4200 |
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超軽量ノートPCのための最小構成(Congo) | ||
設定なし | ||
CPU:Athlon Neo X2 GPU:ATI Mobility Radeon HD 4330 |
CPU:Turion Neo X2 GPU:ATI Mobility Radeon HD 3200 |
|
CPU:Athlon Neo X2 GPU:ATI Mobility Radeon HD 3200 |
ちなみにこの表でいくと4540G-502の方はUltimateの条件を満たしていないことになるが、
それはまあ私が買うわけではないのでどうでも良い。
なおTurion II X2というのはTurion II Ultra X2が登場したことで従来のTurion X2 Ultraがシフト・アップしたもので、
Turion II X2/Athlon II X2の差は単にクロックとHyperTransportの高低だけで、
HTは前者が3.6、後者が3.2それぞれGHzであり、これは販売上、両者の差別化のためであろうが、
この程度の差を体感するのは難しいだろう。
AMDのモバイルCPUは世代毎の差が不明瞭で、大変区別し難い。
例えば、
Turion II Ultra X2 M600 = Turion X2 Ultra ZM-86 (ともに 2core/2.4GHz/L2 = 1MB)
Turion II X2 M520 = Turion X2 RM-77 (ともに 2core/2.3GHz/L2 = 512K)
Turion II X2 M500 = Turion X2 RM-75 (ともに 2core/2.2GHz/L2 = 512K)
上記3つの組み合わせは、世代が違っても性能は同じ、という例である。
このようなわけで価格をメインに選定される方は、CPUはあまり気にしない方が良いかも知れない。
どうしてもCPUにこだわりたい方は、最上位CPUであるTurion II Ultra X2をお勧めする。
もっとも、既製品であるが故、グラフィックス・チップが変わればCPUも変わる場合が多いのだが...
もちろん、Turion X2 Ultraも現役である。CPUについての詳細はこちらをご覧いただきたい。
参考:Aspire 4535製品サイト
他にAcerでは「Congo」プラットフォームに相当するモデルとしてFerrari One 200-312G32n/2007というのも
リリースしており、構成は色々あるようだが、管理人が確認したカタログでは、
Windows 7 Home Premium 64bitを搭載し、VISION無印。主なスペックは
Athlon X2 L310(1.2G/L2=512KB)/AMD 780G(Radeon HD 3200)/2GB DDR2-667/320GB
HDDとなっている。
液晶サイズ11.6"HD (1366x768 pixel) 重量1.5kg、バッテリー駆動時間5時間で29,900THB(VAT別)という価格だ
(約80,650円)。スペックだけを見れば驚異的な製品である。Windows 7 Starterではない点も評価できる。
但し価格はかなり高めであり、赤い筺体は好みが分かれるところだが、熱い闘志が伝わってくるようなデザインだ。
本モデルは日本でも同様のものが販売されるようだが、タイでは通販主体でしかも111台限定販売であり、
管理人がAcerのショップで訪ねたときには既に売り切れていた。
Ferrari One製品サイト(タイ)
Ferrari One製品サイト(日本)