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■2020年5月11日:第九軍団のワシ
そもそも原作者の名を見て、
はて?サトクリフって実家に本がなかったか?
が最初だった。
ちょうど一時帰国の折、家に帰って母に聞くと、直ぐに出てきた。
母は本が好きで、海外旅行などしない分際で、
ケルトだか何だかの本を読むのが好きなのだ。
それで、私もサトクリフの「第九軍団のワシ」を買って読んだ。
面白かった。
続けて映画も見た(知ったのは映画の方が先だった)。
まあ、何というか小説と映画ってこうなっちゃうんだよね、というところだ。
映画だけ見たのなら、面白かった、で終わりだろう。
ただ、どうしても映画化というものには宿命がある。
サトクリフの小説は、壮大な人間ドラマである。
奴隷か、そうではないかという話ではないのだ。
この辺は、大植民地帝国を築いたゲルマン人の癖が抜けぬのだろう。
ローマには解放奴隷という制度があった。
奴隷は家族の一員であり、使役のための道具ではなかったのだ。
カエサルの少年時代の家庭教師も、ガリア人だったらしい。
それを抜きにしてみれば、雄大なスコットランドの風景など、見どころは多い。
軍事面のリアリティも完璧だ。
最も感心したのは、ゲルマン人の描写だ。
この時代の英国は、今でいう紳士の国ではなく、蛮族が住む地方だった。
その生活など、想像もつかないところで、見事に描き出してくれた。
舞台装置は良いのだが、演出が現代人の感覚から抜け出せなかった、
というところだろう。
ハドリアヌスの防壁も見れた。
願わくは、あれは万里の長城だ、とは言わないでほしい(笑
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