■2017年3月28日:古代ローマの硬貨を購入
「ローマ人の物語」が終わりに近づいたころ、同書の文庫版には表紙に硬貨の写真があしらわれているが、
著者の塩野七生によれば、ロンドンの古通貨のオークションで集めているとのこと。
(「ローマ人の物語」文庫版第34巻p58)
へ〜、と思いつつ、そんなものには参加できないが、ふと思いついてアマゾンで調べてみた。
もちろん、amazon.co.jpではない、amazon.comである。
集めるわけではないが、アンモナイトやパピルスも持っているので、一つくらいは、というところであった。
いきなりあった。本物らしい。しかもたったの$4。 | |
どうせなら金貨がいい、と調べると、マルクス・アウレリウスの金貨とな。 それも$7!? んなわけねえだろ、とよく見ると 「古通貨ではない」との記載が。当たり前だw |
お次は同じくマルクス・アウレリウスの銀貨。 やはり本物ではないらしい。 |
もうちょっとまじめに調べてみると、同じショップから銅貨の出展が。 この店はアメリカにあるらしいが・・・ |
この状態で届いてもちょっと。 |
これは出来が良さそうだ。が、通貨は選べないので、どんなものが当たるか 分からない。このくらいはっきり文字まで見えればいいのだが・・・ |
こっちのは潰れていて殆ど文字が読めない。 |
このくらい状態が良ければうれしいんだけど。 | 有名どころはやはり値段が上がるらしい。 |
で、試しにカゴに入れてみるが、タイには届けられないと。 タイは大した歴史などないくせに遺跡や仏像の持ち出しが 禁じられているので、これは理解できた。 |
が、日本も同じ?? |
それで、別途日本のサイトにてそういう店がないかと探してみると、 それらしき店があった。これは共和政時代の硬貨。 |
で、こっちが帝政時代の硬貨で、画像は一番値段の低いものを 表示させたが、やはりそれなりの値段がする。 というか、コンスタンティウスの硬貨なんていらない。 |
・・・やはり、選べると分かると欲が出てくる。 これはセプティミウス・セヴェルスで、ローマ人の物語にも掲載されている ものと同じ(文庫版第32巻p61、もしくは最終43巻末)なので、 まず本物だろう。というか、こんなものを複製するほど暇な奴はいない。 デナリウス銀貨。 彼が建設させたレプティス・マーニャの遺跡はあまりにも有名である。 |
これはフィリップス・アラブス。 言わずと知れたシリア出身の皇帝。 アントニニアヌス銀貨。 |
こちらもセヴェルス帝のデナリウス銀貨。 上のものよりもより精悍な表情をしている。 |
そしてこれはヴェスパシアヌス帝。 内乱期を終わらせた功績は大きい。 |
んでこれはトラヤヌス帝。 これだけ著名な皇帝の硬貨がこんな値段であるとは、 よほど大量に鋳造されたのか。 |
そしてドミティアヌス帝。ぼろくそ書かれているが、塩野七生によれば、 そんなに悪い奴ではなかったらしいし、 何よりコロッセウムは父のヴェスパシアヌスが建設を始めて、 ドミティアヌスが完成させたのだ。 |
当然だが金貨はすごい値段だ。 | ちゃちいケースが付いてくるらしい。 証明書は犬の血統書程度の価値だろう。 |
最後に思いついて「カエサル」で検索したところ、カエサルともなると銀貨でもこのように強力な値段になるらしい。 カエサルはさすが、目つきも違う。 |
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というわけで、セヴェルス帝の銀貨のどちらかを、と考え悩んだ末に、 やはりローマ人の物語に掲載されている方(青枠で縁取った方)を購入することにした。 注意が必要だが、コレクション性のあるものは、ひとつ手に入れると他のも・・・ という気持ちになってくるものなので、それをどう抑制するかだったw |
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これがセット内容。 一時帰国の際に買ったので、歳末セールで\17,496だった。 |
こちら、塩野七生 ローマ人の物語 文庫版43巻末の通貨一覧表。 |
本当にローマ人の物語に掲載されているものとそっくりなものが届いた。 | 1800年前の銀貨である。まさしく時を超えて、というところ。 広大な帝国を統治しつつ、故郷レプティス・マーニャへの温情を 忘れなかったセヴェルス帝に思いを馳せずにはいられない。 |
ところで、欧米ではこの手のものをAncient (古代の)というらしいが、
日本ではもっぱらAntique (骨董の)と呼ぶらしい。
Ancientの方がそれらしいと思うのだが、文化の違いだろうか。
不思議なものである。
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