■2012年9月8日:荒鷲の要塞
「荒鷲の要塞」は「ナヴァロンの要塞」と「ナヴァロンの嵐」で売ったマクリーンが放つ、本格諜報小説。
一見硬派な戦争アクションと思われがちだが、実はコチコチのスパイもの。
小説にしても映画にしても見ているうちにアクションというより駆け引きが主体になってくるので、
ちょっと戸惑うだろう。
とはいえ、その完成度はさすがに高い。
ストーリーとしてはドイツ軍に捕らえられた作戦機密を握る米軍将校を救出するため、
特殊作戦チームが投入されるという作戦だが、敢えて書いてしまうがそれは真っ赤な嘘で
主人公スミス少佐の任務は味方の中に紛れ込んでいるスパイを炙り出すというもの。
物語はマクリーンお馴染み、ハラハラドキドキの先の分からない展開が続く。
しかしながらそのストーリーは、読んでいくうちにどんな内容なのだかだんだん分からなくなってくる。
登場人物のシェイファー中尉をして「こっちが混乱しちまったよ」と言わせるほどだから、
マクリーンも書いていてある程度は分かっていたのだろう、
私ぐらいの頭の人間には分かり難いだろうなと(笑
映画は若き日のクリント・イーストウッドとリチャード・バートンが主演。
但しこの当時のクリント・イーストウッドは明らかに脇役だ。
彼が演じるのはシェイファー中尉で、主役のスミス少佐の役はリチャード・バートン。
スイスだかどこだかの雪山での撮影が物語の緊迫感を高める。
ヘリコプターはいただけないが(笑
マクリーンの作品は小説も映画もどちらも楽しめる。
もっとも、彼の場合は映画の製作にも関わったらしいが。
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