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■2013年5月17日:メービウスの輪

クリックして拡大  原題:THE JANSON DIRECTIVE (2002年アメリカ)
 著者:ロバート・ラドラム
     Robert Ludlum/1927-2001 アメリカ生
 文庫初版:2005年1月1日 新潮文庫
 初版時価格: 上743円・下819円
 巻数:上下巻
 品番:ラ5-16,17
 管理人読了日:2005年6月10日
 映画化:未
 映画題名:
 映画主演俳優・女優:
 
 日本語DVD化:−
 

上記作品紹介の年号を見て首を傾げた方もいるかと思うが、
本書はロバート・ラドラムの遺作である。

ラドラムの作品はジェイスン・ボーン・シリーズ(暗殺者、殺戮のオデッセイ、最後の暗殺者)以外
余り目立つものはない、と個人的には思っているのだが、
そんな中にあっても凝った趣向を有するのが本作品だ。


主人公のジャンセンはラドラムお得意の元領事作戦部の出身者で、
今は企業コンサルタントをしており、文字通りセレブなのだが、退屈な日常に何処か不満を感じている。
某航空会社のラウンジでそんなことを考えていたジャンセンを、突然呼び出すアナウンスが入る・・・

出だしから謀略の予感。物語は全てプロットが命であり、その良し悪しで作品の出来栄えも決まる。
ラドラムの作品は正直言ってこの部分が医者だったり投資家だったりとお寒い状況だったのだが、
本書では成功したと言える。

ジャンセンは命の恩人である人道家で大富豪のピーター・ノバックが、とあるイスラム過激派に
拉致されたことから、その救出を依頼される。
命の恩人とあれば、助けないわけには行かない。彼は昔の仕事仲間 ー傭兵達ー を集め、
救出に赴くが、当然のように罠だった。

それは、彼の辛い過去にも結び付く壮大な罠だった。
ジャンセンは怒りを覚えつつも計略を打ち破り、ジェシーという強力な<スナイパー>も
味方に付け、最終的にはアメリカ大統領に感謝されるほどの偉業をやってのける。

またラドラム作品の良いところは、主人公がやたらと優秀なこと。
ヒギンズのショーン・ディロンみたいに、しょっちゅう捕まったりしないので、安心して読める。


ラドラムという作家は、意外性と言うか、例えば爆弾テロで世界貿易センターを破壊するとか、
その類の虚構の創出に優れて、本作品にはそういった要素が溢れており、物語に深みを与えている。

ラドラムのものとしては比較的新しい作品なので、時代背景なども違和感なく入れる。
お勧めの一作だ。

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関連記事:

「ジェイスン・ボーン」シリーズを巨匠亡き後、続編をリリースしている作家がいる。エリック・ヴァン・ラストベーダーである。■2012年7月14日:ボーン・レガシー
ロバート・ラドラムは作品の映画化を見届けることが出来ずに世を去ってしまった。死後に発表された作品もある。 個人的には、その作品には面白いものとつまらないものと両方あるように感じているのだが、最初に触れたのはそのつまらない方で(たしか「シグマ最終指令」だったと思う)、その後しばらく忘れていたのだが、再帰したのが「暗殺者」。古本屋をブラついていて見つけたのだ。■2012年2月12日:暗殺者



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