■2014年3月10日:あたしの手元は10000ボルト
原題:TWELVE SHARP (2006年アメリカ) | |
著者:ジャネット・イヴァノヴィッチ Janet Evanovich/1943- アメリカ生 |
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文庫初版:2009年3月25日 集英社文庫 | |
初版時価格:838円 | |
巻数:単巻 | |
品番:イ4-3 | |
管理人読了日:2010年7月15日 | |
映画化: | |
映画題名: | |
映画主演俳優・女優: | |
日本語DVD化: |
ジャネット・イヴァノヴィッチの日本語に翻訳されているものの中では、
最新作、というか最終刊にあたるのが本作品
(「勝手に来やがれ」もあるがそれは番外編)。
この後も本家アメリカではどんどん最新刊が刊行されているが、日本では翻訳されていない。
本巻の訳者あとがきでも「打ち切りにならないように」心配されているが、
どうやら心配が懸念だけで終わらなかったようだ。
確かに、本書でも主人公ステファニーの師匠、レンジャーの偽物が出回るなど、
シリーズ1の人気者レンジャーに関しては副業から始まって、殺人容疑だの住居だの自称妻だの、
ネタは一通り出尽くした感がある。
シリーズ全体を通しても、ステファニーの恋人と三角関係、従妹が経営する職場、
家族のイカれた祖母に友人である黒人の大女、それにペットにゲイに魔法使いと、
ハチャメチャ系のノベルとしても、考え得るハプニングは一巡している。
むしろよくもまあこれだけ考え付くものだ。
本書では上述の主人公の師匠であり、バウンティ・ハンターの見本のような
元特殊部隊員、筋肉ムキムキのスペシャル・マンである通称”レンジャー”が、
ちょっと海外で活動している間に、自称妻だの偽物などがあることないこと吹いて回り、
当の本人は隠密を常とするため、一旦姿を隠す。
そして友人であり同僚でもあるステファニーの元に様子を窺いにやってくるのだが、
元々善良な人間には味方も多いもの。彼の部下も含めて、ステファニー達は真相究明に乗り出す。
90年代後半、アメリカのドラマでパメラ・アンダーソン主演のVIPという
警備会社物のドラマがあって、日本でも深夜に吹替え版の放映がされたが、
ステファニーはその主人公、ヴァレリー・アイアンズに相通ずるところがあると思う。
要するに、アメリカン・コメディというヤツで、これの効能は見ると元気が出てくることである。
日常を忘れてストレス解消に近い爽快感を得るにはピッタリで、
そういったエンターテインメントを求める向きには絶対受けると思う。
だから日頃小説などに親しみがない人でも気軽に読めるので、ひとつ手に取って読んでみてほしい。
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