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■2015年2月14日:ブラック・リスト

クリックして拡大  原題:BLACK LIST (2012年アメリカ)
 著者:ブラッド・ソー
     Brad Thor/1969- アメリカ生
 文庫初版:2014年3月25日 ソフトバンク文庫
 初版時価格:上下とも780円
 巻数:上下二巻
 品番:ソ1-1,2
 管理人読了日:2014年7月11日
 映画化:未
 映画題名:
 映画主演俳優・女優:
 日本語DVD化:未

ブラッド・ソー、久しぶりの邦訳である。
但し作品の順番としては、間をだいぶ飛ばして
スコット・ハーヴァスシリーズとしては、11作目となるようである。

この間、スコットは何をしていたのか?
脈絡が分からないので、以前の作品の読者としては、全く分からない。

本書の中でも、大統領がスコットのために用意した特殊機関で、
合衆国のために色々と働いたスコットだが、任期が終わって新しい大統領が着任すると、
新しい大統領は前大統領とは考えを異にする人物で、スコットはお払い箱になったとのこと。
恋仲であったメグ・キャシディとのその後など、気になる部分も不明なままだ。


過去早川書房から刊行された作品のファンとしては、久しぶりの作品に飛び付いたが、
感触としては読み始めはあまり面白くない。

本書は米国の盗聴を元にした国家レベルでの情報収集政策をテーマに書かれており、
訳者あとがきにもあるように、
一昨年?だったかスノーデン容疑者なる青二才が世間を騒がせた件もあることから、
本書は翻訳されたとみていいだろう。

元々このソフトバンク文庫というのは、ちょっと変わった作品を出版しており
(私としては贔屓の作家が多いのでうれしい限りだが)そんな傾向があるようだ。


著者はツィッターでの発言にあるように、このスノーデン野郎の行動には大いに憤慨しているようである。
私も同じ意見だ。一旦合衆国に宣誓して国から給料を貰う身でありながら、国を裏切る行為に出るとは何事か。
仮に命令されたことが正しくないと考えられることだとして、
ガキじゃあるまいしルール違反という形で行動するのは、筋が通らない。
筋を通していたら告訴できないかどうかは、与えられた仕事をこなす身分の人間が判断することではない。

こうした連中の言いたいことは分かるが、まず第一に取り上げられている内容は大したことではないし、
はっきり言って西側世界には多くのならず者国家から文明を守り、
そうした連中のテロなどの行動を阻止しなければならない、というもっと大事な使命があり、
そのために情報収集は必要なのだ。

しかし一方で著者は、多くの国民はまさか合衆国が世界平和に反するような行動に出るわけはない、
と盲目的にこの政策を信じているが、しかしこのような政策によって情報の中央集権化が起き、
もしクーデターでも起きたら、悪の帝国が出現してしまう。
またそれよりも現実的なこととして、こうした情報に接することができる一部の権力者たちが、
この政策を利用して私腹を肥やしていたら?

後者など特にありそうなことだし、本書では前者の事態を裏で目論む勢力の台頭を想定している。


今回スコット達は、これらの悪の根源を絶つべく立ち上がる。

前半は伏線を張るのに忙しく、つまらないと書いたが、下巻も後半になってから急展開を見せ、
一気に読む手が止まらなくなる。
スコットの上司でスパイの親玉であるリード・カールトンは、単純だがそれだけに引っ掛かりやすい
”替え玉”という手を使って敵の裏をかき、スコット達の反撃が始まる。

長くなってしまったが、本書は読んでおいて損はない面白さを秘めている。
願わくは、邦訳されていない本書の前後の作品の続巻を望む。

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