■2018年1月2日:ラストライト
原題:LAST LIGHT(2001年イギリス) | |
著者:アンディ・マクナブ Andy McNab/1959- イギリス生 |
|
文庫初版:2005年4月25日 角川文庫 | |
初版時価格: 895円 | |
巻数:単巻 | |
品番:マ10-4 | |
管理人読了日:2005年6月30日 | |
映画化:未 | |
映画題名:未 | |
映画主演俳優・女優:ー | |
日本語DVD化:ー |
えぇ、この本を読んだのって、今の勤め先に入社してからだっけ!?
そうかよ・・・
ってな感慨と関係があるのかどうか読者には分かるはずもない。
本作は、アンディ・マクナブの「ニック・ストーン」シリーズ第3作。
本稿では刊行順と逆行しているような気もするが、それもまた一興。
今回主人公ニックはパナマに潜入し、中国人のギャング組織に痛い目を見せる。
痛い目を見るのが自分にはならないよう願いながら・・・
彼が依頼されたのは、地対空ミサイルの管制装置がFARC(コロンビア革命軍)の手に
渡るのを防ぐことだった。
それがあれば、FARCは既にミサイルそのものは持っているので、
麻薬組織と戦うアメリカのヘリコプターが危険に晒される。
しかしながら、現地で作戦を行ううち、実は地対空ミサイルではなく、
地対艦ミサイルだったことが分かる。
何でこんな情報のミスが起きる?或いはだまされているのかーー?
ニックは辛い経験が元でトラウマを負った少女の身を預かる後見人であり、
その将来に責任を持っている。
そうなったいきさつはシリーズを最初から読まないと分からないが、
当然ながら本書はそんなところはすっ飛ばしても読める仕上がりになっている。
パナマといえば、我々は運河くらいしか思い浮かばないが、
運河の仕組みとパナマのジャングル、
そしてちょっとばかり複雑な歴史や政治事情が垣間見える。
さらに、パナマでニックを匿う不思議な夫婦とその子供である少女など、
次作「解放の日」へと繋がる部分もある。
というか、そういう風にほんのりとしか匂わせていないところがニクイ。
このシリーズは、世界の闇で戦う元SASの兵士ニックを通じて、
世界のカスを退治してちょっとだけ社会に貢献している男の、
感動のストーリーである。
うだつが上がらないが賢明に生きている一人の不器用な男の姿が、
なんというか、たまらない情感を持っている。
シリーズ5作を読めば、深い感慨に浸れることは間違いない。
関連記事:
■2017年4月16日:ファイアウォール
■2013年1月25日:SAS戦闘員
■2012年3月12日:解放の日