Dog Diary - Melanie Walsh -
■2019年2月10日:姉妹誕生
前回の記事はこちらを参照
日付 | 内 容 | 費用(THB) | ||
1/13 日 |
今日もメルをトンロークリニックに連れていく。 日曜のこととて休みなので、私も同行。 主治医に挨拶をする。 というか、今件では一度も顔を合わせていなかったので、 今までメルの面倒を見てくれてありがとう、 とお礼が言いたかった。 何しろ、独身時代からだから10年以上の付き合いである。 何度も大分県に出張する際に預かってもらった。 当時は、1泊THB 300だった・・・ この日もメルは病院で点滴後吐いたが、 大小はしなかった。 拒食症のことで何とかなりませんか、 と聞いてみると、そのような薬(注射)があるという。 主治医「THB 1,400だけど、使ってみる?」 当然だ。私は二つ返事した。金などどうでもいい。 但し、クリニックには置いてないとのことで、 主治医が部下をやってラマ9の方に取りに行かせた。 そして、その薬代はカードで支払えないという。 つまり、クリニックがラマ9から買っているから。 ははぁ、独立採算制ね。よくわかる話だ。 今回はトイレシートも買っておいた。 さて、その時、私は診察室にいた。 妻は診察室のすぐ裏(入口)で鞄の番をしていた。 そして、表で何か聞こえたのでそちらに首をめぐらすと、 田舎から来たという人たちが、 一家で子犬を大量に抱えて入ってきた。 曰く 「〇〇(うちの主治医)先生はいますか〜?」 と言いながら。 年配の男性が両手に1頭ずつ犬を抱えており、 さらに夫人と思われる女性が籠を押しているのだが、 玄関の段差を超えられない。 それを見たご主人は手を貸したいのだが、 両手に子犬を抱えている・・・ 私の妻が、手を差し出して子犬を預かってやっていた。 妻「かわいい〜」 小さいものはかわいいものだ。 ご夫婦 「ほしいですか?」 |
3,428.99 +1,400 |
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妻が撮影しろというので撮影。 犬用の靴。 |
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今回買ったペット用ワイパー。 80枚入り。 黒い布地という変わった一品。 後述するチビの餌も買った。 |
注射器を渡してどうしろと? 要するに、主治医以外の医師に 診察してもらう際に、 持参しろということらしい。 |
この夫婦、ブリラム(イサーンというタイの東北地方の1県)から来たらしいが、
犬にワクチンを打ってもらうために来たらしい。
田舎で犬なんか飼ってて、これだけワクチン打ってもらうなんて、
タイはワクチンは安いけど、まともな考え方をしてるってことは、金持ちなんだろうな。
いい年のお子さんまで連れてきていた(女の子)。
主治医はメルとその大量の子犬とで、診察室は2部屋しかないので、
両部屋を行ったり来たり大忙しである。
生後2か月くらいとのこと。
他にも客はいたが、放っておかれていた。
子犬らは雑種だ。
見れば分かる。
メルを見てくれながら、主治医が言った。
「奥さん気にいっちゃったみたいね。もらっちゃえば?」
私「え、予防接種して帰られるおつもりなのでは?」
「何頭かは口約束があるでしょうけどね、全部(8頭いた)ではないみたいよ」
即座に妻に相談。
妻は複雑な気持ちのようだった。
先日、「メルが死んだからってすぐ新しい犬を買ったりしないでね」
という話をしたばかりで、当然だが私も同感だった。
最終的にはまた飼うだろうが、今はまだ・・・という気持ちだった。
ただ、私はチャンスを逃すような男ではない。
言いたいことがあっても、うじうじして言えないような奴は、ただのバカだ。
ペットを失った失望から立ち直るには、新しいペットを飼うのが
最も効果的な治療法だ、とその著書の主人公クリーシィに
語らせたA.J.クィネルにあやかるわけではないが、
妻に関しては、そうだ。
憔悴しており、まるでお義父さんが亡くなったときみたいに、そろそろ倒れそうだった。
死の匂いが漂う生き物と10日間に渡って生活してきて、
1日24時間懸命に看病してくれた彼女だが、
いい加減神経がまいってしまうのではないかと思われた。
そして、彼女も心を決めたようだった。
よし、予約しちまおう。
いくらで売る気かね?
「あのねぇ、ああいう仔たちは、いるって言って、くれるって言われたら、
その場で取引成立。即座に引き取るしかないのよ」
え・・・タイってそうなのか・・・
まあ2か月だからワクチンできるかどうかギリの線だしな。
「それからね、もらう犬のワクチン代はあなたが払うのよ」
それは当たり前だ。
しかし、「母親は同じだけど、父親は誰だかわからない」
さすが、タイ、動物も人間と同じとみた。
私は一家に近づいて聞いてみた。
ワクチンしてもらって帰られるのですか?
「ほしいならどうぞ、お好きなのを」
いや・・・っていうかいくらくらいで譲ってくださいますか?
「そんなのはお心のままですよ。いくらくださいますか」
じゃあ・・・1,000バーツでは?
「結構です、結構です。ありがとうございます」
妻が言うには、白地に黒ぶちがいいらしい。
しかし、犬は「かわいい」で選ぶものではない。
私は
・元気があるか
・手足は丈夫か
・目は見えているか、耳は聞こえているか
・人間に興味を持っているか
・吠えないか
入念にチェックした。メルを買うときに学んだことだ。
妻が選んだ1頭はOKだった。
というか、こいつらはどれも全然吠えなかった。
ちなみに、こいつはメスだ。
オス犬はオナニーするからダメだ。
まあ、2か月経っているし、もらってすぐ死ぬ、ということもあるまい。
さて、もらう話は決まったが、ひとつだけ条件があるらしい。
「チャオコーン(、主人の意)と話してください」とのこと。
はあ?あんたらが飼い主じゃないの?
後で聞いた話では、彼らは使用人で、主人の犬を預かってワクチン接種に
はるばる一家で連れてきたらしい。
ははん、やっぱり金持ちか。
主治医が知っているのは主人の方で、どのくらい前か忘れたが、
この子らの親に当たる犬を連れてきたことがあるらしい。
ただでさえこの人たちとは会話が通じにくかったので、
交渉は妻に(電話を)代わってもらった。
それによると
「あんたは犬を飼えるのかね?」
妻「はい、大丈夫です・・・というより、現に今15年生きている犬を飼っています」
「おお、そうかね。で、うちの者とどこでお会いなされた?」
「病院ですよ。〇〇先生にご紹介いただきました」
「なぬ!?あんた、〇〇先生を知っておるのかね!?なら、話は早い」
交渉成立だ。
子犬の飼い主は帰った。
だが問題があった。
帰ろうとしたとき、子犬の皮膚に何か痕があるのに気が付いた。
妻が皮膚病じゃない?と言った。
いいや・・・こりゃあダニ(ヘップ)かノミ(マット)に違いないぜ・・・
飼い主はシャンプーしてから来たそうだが、
ノミダニはシャンプーでは死なないからな。
すぐに主治医に見せる。
ノミだとのこと。ノミだらけだった。
彼女によれば、レボリューション(フロントラインの類似品)を打ってあるから、
2,3日で死に絶えるそうだが、問題は現状だ。
「どうする?」
「消去してください」
医師の提案は、とりあえず散髪だが、散髪は順番があるので、時間がかかる。
そこで、終わったら連絡するから出直すようにとのこと。
犬が入っていた籠。 写真を撮らせてもらえないかと 聞いたところ、どうぞとのこと うちがもらってきたのは左の方で 下敷きになっている1頭だ。 この写真で5頭見えていて、 他にこの時テーブルの上に 2頭いたので、多分さらに下敷きに なっているのがもう1頭いると思う。 |
もらってきた犬についていたノミ。 水責めにしても生きている。 恐ろしい奴らだ。 |
帰ってきてしばらくして、メルが 癲癇を起こしたみたいに痙攣した。 即座に抱き上げてやった。 10分くらいしたところで 安静化したが、まるで小説や 映画で描写される、魂が肉体を 離れる時のシーンみたいで、 生きた心地がしなかった。 写真はその直後の撮影。 |
お休み、メラニー。 病院で注射してもらった結果、 餌も薬も格段にやりやすくなった。 |
さて、犬は予防接種したので、母子手帳ではないが 病院に登録するために名前が必要だとのこと。 「お名前は決めてありますか?」 私はMarieだと答えた。 「Maria Theresia」だ。 病院の係員は「Maria」と書いた。 ずーっと前から次に買う犬の名前はこれにしようと決めていた。 私は用意周到なのだ。 妻がいぶかしんで何の名前かと訊いた。 オーストリアの女帝の名を拝借したのだが、 大丈夫、タイ語のWIKIPEDIAにもページがあった。 ちなみに、どうでもいいことだが、マリア・テレジアと争った プロイセンのフリードリヒ2世は、軍事の天才だったらしいが、あいつはただのバカだ。 およそ軍事の天才などというものは、バカと相場が決まっている。 そんな奴に他のことができるわけがない。カエサルは別だと思うが。 帰り際、主治医がいった。 「チョーク ディー ナ(運が良かったわね)」 医師にも認めてもらってよかった。 いい加減な飼い主なら、まもなく死を迎える犬を飼っていながら、 新たな犬など勧めはしなかっただろう。 妻には、単純に「ありがとう」と言われた。 いやいや。 メルの病状でふさぎ込んでいる妻を見ていられなかっただけだ。 「それにしてもうまくいったわね」 何を。私のミドルネームは”サクセス”だ。 |
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念のため、顔合わせさせようと、 メルにマリーの顔を突き合わせる。 その瞬間、メルの目が見開いた。 認識しているのだ。 これはちょっと驚きだった。 |
子犬は皆同じ、やんちゃっこ。 | この犬は大きくなるぞ・・・ 最低でも中型犬だ。 見てほしい、この手足の大きさ。 |
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姉妹の邂逅は成功。 | |||
マリーは頭は良さそうだった。 妻と教える言葉の符号は日本語で合わせよう、と話した。 |
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籠の中に入れると、やはり鳴き出したが、 とはいえ中型犬だけにやはりさすがにうるさく、 人間の赤ん坊のことなど考えたくもないが、 |
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メラニーは大人しくお休み。 |
マリーは結局鳴き止まないので外に出した。
で、布団に乗っかってきたが、ままよ、で一緒に寝てしまった。
次の日の朝、トイレを探すようなそぶりを見せたので、
トイレシートまで持っていってやると、そこで糞小便をした。
ふむ、これは身持ちの良い犬かもしれないぞ。
元の飼い主がしつけてあったとは考えにくい。
餌のしつけはできていなかったからだ。
ただ、そのあと寝ているメルに近づいて耳を噛んだので、
ひっぱたいた(メルは無反応)。
マリーはキャインと鳴いた。
まったく・・・
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