■2012年4月23日:テロリストに薔薇を
原題:TOUCH THE DEVIL (1982年イギリス) | |
著者:ジャック・ヒギンズ Jack Higgins/1929- イギリス生 |
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文庫初版:1991年5月31日 ハヤカワ文庫 | |
第二版時価格:1995年7月15日 583円 | |
巻数:単巻 | |
品番:NVヒ1-14 | |
管理人読了日:1998年12月4日 | |
映画化:未 | |
映画題名:− | |
映画主演俳優・女優: | |
日本語DVD化: |
ヒギンズの小説としては中期の作品で、その中でも完成度の高い活劇として仕上がっている作品を紹介する。
本作品では主役のマーチン・ブロスナンと、テロリスト役のフランク・バリィ、そしてマーチンを助ける
リーアム・デヴリンと、IRAの元”ワル”達が総出演する。
SASのトニー・ヴィリアーズまでちょろっとだけ登場させるのはやり過ぎかと思うが・・・
余談だが、ヴィリアーズは最近の作品にも登場するが、その度に毎回昇進しているのがニクイ。
作戦を指揮するのは今後も登場するイギリスの秘密諜報機関”フループ・フォア”の元締めのチャールズ・ファーガスン。
作中でデヴリンはブロスナンに”不良じじぃ”と表現されるなど、おイタぶりは健在で、その活躍には目が離せない。
ヒロインのアン-マリー・オーダンにしても無視できない存在だし、
そもそも今回はヒーローを務めるブロスナンはコルシカ島のマフィアと共に脱出するなど、アクション満載だ。
そして悪玉のフランク・バリィ。
彼は以前に「非情の日」でサイモン・ヴォーン少佐に撃たれて死んだはずだったのだが、病院を脱走して生きていた。
この男は筋金入りのテロリストで、ヒギンズは作中でかの国際テロリスト、カルロスをモデルにしたと匂わせている。
今回は特に彼には仕事があるということではなく、政府側が悪党を暗殺しようと作戦を展開する。
フランク・バリィはこの作品で命を落とすし、命を落として当然の悪玉だが、
デヴリンの友達のマーチン・ブロスナンは後の作品で主人公を務めるショーン・ディロンの知り合いで、
ディロンの初登場時にはもちろんお目見えするし、その時にアン-マリーは・・・
このように鷲は舞い降りた以降のヒギンズ作品は作品毎の登場人物が繋がっていることが多い。
関係を知らないとつまらないし、知っていると嵌り込む・・・
というのは良くあるシリーズものの循環作用だが、
ヒギンズのニヒリズム(ワールドと来そうなところだが敢えてこう書こう)を知るには、
その完成度から本書はうってつけだ。
私にしても再読せずともここまですらすら書けてしまうほどである。
まったく、彼の小説は下手な映画よりよほど面白い。
■2012年10月5日:サンダーポイントの雷鳴
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■2012年1月18日:鷲は舞い降りた