■2011年2月1日:acer Aspire One 522-C5Ckk Review
AMDから満を持して登場した「Fusion APU」搭載マシンを購入した
(購入に関する話は前回の記事参照)。
日本未発表モデル。Acerのサイトにも現時点では情報が無い。
コードネームは以下の通り。
プラットフォーム:Brazos
APU:Ontario
CPU:Bobcat
コードネームについて詳細はこちらにまとめてあるので、参照いただきたい。
とうとうAMDプラットフォームでも10.1インチで1.2kgというクラスのマシンが登場した。
光学ドライブ非内蔵とはいえ、かつてはこのクラスといえば国内メーカーの独壇場だっただけに
(最後まで残っていたのはソニーと富士通だけだったが)、両手を広げて歓迎したい。
メモリは標準で1GB(1ソケットのみ装備)なので、交換用に2GBのSO-DIMMを一緒に買ってきた。
ちょっと指紋と管理人の影がみっともないが、外観は オーソドックス(良い意味で)な作りだ。 |
モデルとスペックの表記。 |
本体左側面。電源ポート、RGB、USB2.0x2、HDMIポートが並ぶ。 最初から貼ってあるステッカーは「HD INTERNET」というもののみで、 VISIONのステッカーはおなじみ私が後貼りしたもの。 |
同じく右側面。ポートはカードリーダ、マイク・イアホン・ジャック、USB2.0x1、 セキュリティ・ロック、LAN端子の順。 |
真横から見たところ。綺麗なスクエア・スタイルで、好感が持てる。 |
メモリ交換作業だが、購入時に確認しなかったのがいけなかったのだが、
通常スタンダード・サイズや薄型のノートでも、裏面にネジ止めされているアクセス・パネルがあるのが常だが、
本モデルはそういう仕掛けが・・・無かった。これにはかなり焦った。
前回の記事をお読みいただきたいが、店のヤツもどういうつもりで「メモリ交換やってあげる」と
のたまったのか疑問だ。未だ新しいモデルなのでインターネットにも情報が無い。
しばらく見つめたのち、パーツの分割線は見えないが「WARRANTY VOID IF SEAL IS BROKEN」という
ラベルが貼ってあることからして、そこから外せるのは明白だ。
直訳すると「もしシールが破損していたら保証を拒否します」という内容のラベルを躊躇わずにカッターで切除し、
マイナス・ドライバーを数本隙間に差し込み、裏蓋をこじ開けることに成功した。
本体にビスが何本か嵌っているが、これを外す必要は無かった。
本来はビスを外して表面のキーボードから外していくのがセオリーなのだろうが、
むしろそちらの方がやり方が分からなかった。ツメが数本折れたがメモリは正常に2GB認識された。
メモリスロットは1本しかないので、増設ではなく増量だ。
元から入っていたメモリはKingstonのどうやらDDR3-1333/CL9/1GBのようで、
交換したのも同じくKingstonのDDR3-1066/CL7/2GBだ。メモリのスペックは落ちているが、
購入する前は容量1GBという他は、DDR3であることくらいしか分からなかったので仕方がない。
裏面の蓋をひっぺがしたところ。 | メモリーを取り外して新しいメモリーを嵌めようとしている。 ラベルが引っ掛かって乗り上げてしまっている。 |
新しく買ってきたSO-DIMM。店の商品ラベルの貼り方がいい加減だ。 | 左が元から差さっていたメモリで、右が別買したメモリのケース。 |
メモリを1GB→2GBに増量した。 工事の内容は上述のようにいい加減だったので 冷や汗ものだったが、ちゃんと2GBで認識した。 |
【スペック】
・モデル: Aspire one 522-C5Ckk
・P/N: LU.SES0C.006
・ブラックカラーのみ
・CPU: AMD C-50 Socket FT1 Bobcat core 1.0GHz/L2=512KBx2/9W
・memory:
標準:Kingston PC3-10600 (DDR3-1333) CL-9 1GBx1 200pin SO-DIMM Single Channel
別買して交換:Kingston PC3-8500 (DDR3-1066) CL-7 2GBx1 200pin SO-DIMM Single
Channel
・Chipset: AMD A50M FCH (Fusion Controller Hub)
・液晶: 10.1"(1280x720pixel) HD Acer CineCrystal LED LCD (つるピカ)
・Video: Radeon HD 6250 (integrated)
・HDD: 日立 Travelstar 5K320.B/HTS545032B9A300 総容量320GB/Cache 8MB
(実質容量298.09GB) SATA 3Gb/秒 5400rpm 2.5inch
購入時パーティション:単一ドライブ
・光学ドライブ: 無し
・Sound: CONEXANT CX-20584 High Definition Audio
・LAN: Atheros AR8152/8158 10/100Mbps PCIe Fast Ethernet
・WLAN: Atheros AR5B95 802.11b/g/n
・Bluetooth: 2.1+EDR
・Modem: 無し
・指紋認証装置: 無し
・マルチカードリーダー: ENE UB6252NF USB2.0接続
・ports/slots: アナログRGB
port(ミニD-sub15ピン)/USB2.0 x3/ExpressCard: 無し
HDMIports: 1
・その他: webカメラ、マイク
・OS: 無し
・質量1.2kg(実測)
・バッテリ:
6cell
・バッテリ駆動時間: 6時間
【価格】
本体:8,900THB (VAT(付加税)7%掛けで9,520THB)
メモリ:790THB (VAT7%掛け845THB)
OS:3,550THB (VAT7%込み)
計:13,915THB (約36,875円)
(日本円の為替レートは2/1のタイ・バーツのレート 1THB = 約2.65円を参照)
今回はキャッシュで購入。
なお現在タイ・バーツに対して円はとても強いことを付け加えておく。
【性能】
Windows 7のWindows エクスペリエンス インデックスの評価点。 |
Radeonの新しいドライバ・ユーティリティ画面。 操作はとっつきにくいが見た目は良い。 |
上記のとおりWindowsに標準の物差しでは情けない結果(Netbookとしては十分な性能だが)であり、
主として小型軽量であることから、購入した際から奥さんが興味を示していたので、
(購入したとき、買い物袋は何故か彼女が持った)奥さんにあげてしまおうかと思ったが、
気を取り直して3Dのベンチマークを取ってみた。
3D MARK 3Dのスコア
06:1472
11:P189
11は他に(デスクトップですら)アプリケーションが走るマシンを持っていないので、
この数字にどんな意味があるのか不明だが、
06の結果を見ると、Ferrari OneやASUS Eee PC 1215Tをぶっちぎる結果となっており、望みが出てきた。
<3D MARK 06 SCOREの総合結果はこちら>
<3D MARK 11
SCOREの総合結果はこちら>
そこで、実際にアプリケーションを何本か走らせて試してみたのだが、
Office 2010/Excelは明確にASUS Eee PC 1215Tより速かった。
HPB V14(V13は何故かエラーが表示されて起動しなかった)はASUS Eee PC 1215Tと同じくらい。
やや起動がもたつく感じ。
Adobe ReaderはAspire one 522の方が明確に遅かった。
Adobe Photoshopはいつになったら起動するのか分からず、年が明けたばかりだが、もう一度年が明けそうだった。
CPU(というかAPU?)の構造が変わっているので、いくらかアプリケーションの動作にも変化があるのだろう。
そんなところで、性能の優劣に関しては明言を避けたい(笑
私は24インチの液晶モニタをかまして使っているが、AMD780Gあたりを搭載したマシンだと、
その接続がうまくいかなかったり、接続時にもたつくことがあったのだが、
本機はそういうこともなく、非常にスムーズに接続できている。
もちろん、Mount&Blade Warbandはサクサク動く。
上記の外部モニタに接続しても1400 x 1050くらいの解像度にすれば、
50人の騎士が参戦する戦闘シーンでもまあ我慢できるレベルだ。
1920 x 1080にも設定できたがカクカクだった。
発熱に関してだが、特に他のノートPCと比較して本機がより熱いとは感じられなかった。
バッテリーによる駆動時間? 全然問題ないから。
【インストール】
さて、OS無しモデルなので、先の記事で書いたようにWindow7 Home Premium x32の英語・OEM版を導入した
(もちろん英語版でも設定すれば日本語の入力は可能。ASUS Eee PC 1215Tで解説しているのでご参照いただきたい)。
ドライバは付属のCDでインストール可能だったが、この付属CDのインストーラーが不親切この上なかった。
「全部まとめてインスコ」というメニューが無く、ひとつずつインストールしなければならない上に、
特定品番だけでなく恐らくシリーズで該当するドライバがすべてリストアップされており、
特にネットワークのドライバは多量にリスト・アップされていて、
どれをインストールしたらいいのか分からないので片っ端からインストールして
("デバイスが無い"と言われてインストールされないものもあったが)、
後から認識されていない(デバイス・ドライバには載っていないがアプリケーションだけ
インストールされてしまったもの)ものを消していった。
またパッケージにはBluetooth 2.1+EDR搭載となっており、前回書いたInvadeの商品ページにも記載されているのだが、
デバイス・ドライバには見当たらず、ドライバも当たらず、そんなものは影も形も無かった
(メモリ交換時に壊れたのかもしれないがw)。acerのサイトからユーティリティーをDLしてインスコしたがだめだった。
で、その後6月になってから、MSI U270のインストールでも同じようなことに遭遇し、
ふと思い付いて「Fn」キーを押して選択するソフトウェア式の無線LANのON/OFFスイッチを押してみると、
・・・出てきた、BluetoothのON/OFFスイッチ(下図)が。これを押してBluetoothを有効にしてから
先ほどのユーティリティをインストール。無事にBluetoothが使用可能になった。orz
何処にもこんなものがあるなんて書いてないんだもんな〜 -_-)#
ところで「ブルートート」とは何ぞやw
【付属品・その他】
重量をヘルスメーターで実測した。 | 同梱されていたソフト・ケース。 |
ACアダプタはごつい、というか妙な形状をしている。 | 店が寄越したおまけのガラクタ一式。 売れ残りの商品をバラバラに寄越すのではなく、 店の引き出物として予め用意してある様子で、これには笑った。 DVD-Rのブランク・ディスクが1枚くらい付いていたからといって、 どうということはないのだがw |
【まとめ】
性能に期待すると、37,000円は損失に変わるだろう。
もちろん、その性能も個人の受け止め方によって違ってくる。
ひとつだけ確かなのは、グラフィック性能はAtom搭載マシンとは段違いである。
CPUのパワーは、私ももう少し期待していたので残念なレベルではある。
現時点では、AMD C-50はAthlon X2 L310 (1.2GHz/L2=512KBx2)と同等かやや劣るという印象が拭えない。
しかしながらNetbookで3D MARK 06のスコアが1472点というのはすごい数値である。
それより、モバイル性と価格とのバランスを考慮したい。このサイズと重量、消費電力性を備えてこの価格である。
10インチかそこいらのノートPCというと、一昔前は光学ドライブ内蔵とはいえ20万円を超えたのである。
その点で言えば、37,000円というのを特に強調したいのだが、見方によっては恐ろしい時代になったものである。
これは初期のNetbookと比較してもそう感じるのである。
デジカメと同じような値段でコンピューターが買えてしまうのだから恐れ入る。
私に言わせれば、iPadだのiPhoneだのより、Netbookの方がよほど費用対効果が大きい。
蛇足だがキーボードが小さくて打ちにくいとか、画面が小さくて目が痛いとか言わないように。
最初から分かってることだから(笑
なお以下のAMDのサイトではFusionの特集ページが解説されており、
英語だがかなり学べることは多いので、目を通しておくと良いだろう。
The AMD Fusion Family of APUs
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