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■2019年6月3日:ローマ帝国の滅亡(The Fall of the Roman Empire)
GLADIATORとともに、塩野七生が「ローマ人の物語」文庫版第30巻で
紹介しているこの作品、5賢帝最後の皇帝マルクス・アウレリウスの息子で、
脳たりんのコモドゥスを題材にしている。
コモドゥスは救いようがない愚帝で、彼を境にローマ帝国は
下り坂に入った、とする歴史家・研究者が多いそうだが、
これらの作品はそれをもじって観劇を創作している。
史実としてはとんでもないねじり方なのだが、その辺を差し引いて見ても、
舞台装置など古代ローマの雰囲気を味わえる。
マルクス・アウレリウスを演じるのはアレック・ギネス。
ヒロインとしては、ソフィア・ローレンが登場。
コモドゥスの姉のルチッラ役を演じる。
「ナヴァロンの要塞」にも出演したアンソニー・クエイルも、
脇役にしては結構な場面登場している。
しかし、何といっても主役を張るガイウス・リヴィウス役のスティーブン・ボイドが
いい味を出している。というか主役だろう。彼の早世が悔やまれる。
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作品の方の内容は有り体で、皇帝マルクス・アウレリウスは病を得て、
後継者としては息子ではなく配下の将軍ガイウスを考えているが、
結局アウレリウスは暗殺され、コモドゥスが後を継ぐ。
時に蛮族とされているが実際にはパルティアと思うのだが、ローマに侵攻。
これをガイウスは打ち破り、自身の暗殺に失敗したルチッラともども
コモドゥスは二人を暗殺しようとするが、ガイウスに決闘の機会を与えるという過ちを犯し、
ガイウスに殺される。
とまあ、時代設定を除けばその辺のミステリと似たようなありがちなストーリーで、
つまらない批判は捨てて、古き良き60年代の風味を味わえる一作と、
割り切って鑑賞するのが得策だ。