■2014年1月25日:タイ・バンコクのデモ 実地レポート
ここのところ国際社会の目を牛耳ることに成功しているタイ、バンコク。
でも「またか」とそろそろ飽きて忘れ去られそうなバンコク。
今回はそんなバンコクのデモの話題をお届けする。
1月15日、デモ隊が我が家の近辺、トンローにもやってきた。
私の妻は専業主婦ゆえ暇にかまけて様子を見てきたそうだ。
妻がレポートする。
勘違いしないでほしいのは、封鎖、封鎖と騒がれているが、彼らは封鎖はしていない。
片側を行進していただけだ。だから、その車線を走っている車の通行は停止した。
デモ騒ぎはこの数日前から騒いでおり、ステープ元副首相が
13日より大々的に行動に移ると宣言してから、前日の12日の日曜日などは
スーパーには大量の買い占め客が駆け込むなど、経済効果はあったかもしれない。
彼の取り巻きはコッポ ポーソー(市民民主革命委員会)といって、
昨年11月に彼自身が組織した反政府組織だ。
他に、コー ポー トー(タイ改革学生市民同盟、2013年10月結成)等もある。
彼らは、色付きシャツを着ていない。争いを煽らないようにするためだ。
BTS Thong Lo駅。 | ガキまで連れて来ている奴がいる。 | これはかなり卑猥なプラカードだ。 2クムパー カオ クーハー グラ チアオ! 「2月2日はチンチンに 投票してやるぜ!」 この場合のチンチンというのは、 インラック首相を貶す言葉だ。 マザーファッカーとか言うのと一緒。 |
左:”クート ペン コン トン トット テーン クン ペン ディン” プアック クン ムン GETマイ? お前タイ人だろ? 売国奴め! 右:クー マーイ オーク ヌー ダーン...プア ピー ナッ ハーフ♪ あたし辞めないもーん 恥じ気もなく... お兄ちゃんのために♪ |
クー コ ヌアイ ティン コ ポーン ムン...オーク トゥッ 私も疲れた 足もパンパン お前なんか出ていけ |
妻が高架橋に登って撮影してくれたらしい。路上の様子。 | 写真中央に写っている女、 アンチャリー・パイリーラック といい、こいつも政治家らしい。 こんな女の写真を撮って 何が嬉しいのか理解に苦しむ。 |
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向こうからやってくるステープに金(寄付)を渡す奴もいる。 違法かどうかなどお構いなしだ。 この国の人間は何でもしたいことをする。 |
コッポ ポーソー アンプー ノーン ヤイ チャンワット チョンブリー シナワットラ チャート チュア シニヤット チャンライ コッポ ポーソー(反政府組織) チョンブリー県ノーンヤイ郡の 代表団。シナワットラ(タクシン、 インラック両氏の苗字)は悪い 血統で酷い悪党だと書いている。 |
ルン カムナン ステープ チャナッ ネーノーン ドゥーアイ チャイ クーン... ラーン ステープ区長(ステープは田舎で 区長だった)の兄さんを圧倒的な 勝利に導きましょう |
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パイ トゥッ プー パイ ユー ドゥバイ プー(蟹)とはインラック女史の ニックネームのこと。 兄であるタクシン氏の亡命先である ドバイに行っちまえと書いている。 |
屋台も大繁盛だ。 | BTS Thong Loの駅前。 | 高架橋の上にも人が溢れている。 |
華僑系の参加者が中国語の プラカードを掲げている |
インラック首相のポスター。 落書きされまくっている。 日本では犯罪だし、この国でも 多分そうなのだろうが、 お構いなしだ。 |
人、人、人。 | 写真中央、誰だか知らないが 芸能人らしい。 |
こいつもどこかの政治家。 | BTS Ekkamai駅までやってきた。物凄い人数の群集だ。 | ||
弁当、というか軽食の配給が 始まった。 |
フタを開けてみると・・・ | 中身はこれ。鶏肉がご飯の上に のっけてある。 |
仲良く昼食。 |
食後のスイーツか? アイスクリームが配られている。 この他にも、ジュースやら お菓子やら色々配給される。 |
食後のショーとばかり、ステープが登場した。 一見、気の良さそうなおっさんだが、私の妻のような一般人が これほど間近に近寄れるとは、そのフレンドリー戦術は インラック女史には脅威だろう。 |
この黒服連中はボディー・ガード。 | |
こいつの名はエーカナット。 これも政治家の端くれで、 ステープの息子。 |
こんな価値のないショーまで演出する奴もいる。 | ||
インラック氏のポスター。 出て行けだのバカだの 散々書かれている。 |
ステープ氏、ご満悦。 | ライ トラ クーン シナワットラ ラック ペンディン トン ポー ピアン 「シナワットラ家を追い出せ 土地を愛する人間は少数で なければならない」 意味が分からない。 一人占めしようというのか |
ラオ コン タイ トン パティ ループ コーン カーン ルアック タン 我々はタイ人だ。 選挙の前に改革が必要だ。 |
ルン カムナン ロー チュン ブーイ 区長のアニキ、 カックイイぜっ!! |
関係があるのかどうか知らないが、 ヘリコプターまで。 |
カチャット トラクーン シナワットラ ハイ シン ペン ディン タイ 「シナワットラ家は追い出せ タイの領土から絶望を与えろ」 直訳したが、土地を領有させるな ということだろうか。 |
皆それぞれに パフォーマンスしている |
失敬、だがこれは面白い。 | ドーン ラボープ タクシン パティ ループ プラ テート タイ レーオ パイ ルアック タン カオ チャイ マイ? (この最後の”マイ”は若者言葉) タクシン政権を倒し タイ国の改革をする そして選挙に行く。分かるかい? |
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ラック チャート ワンニー オーク マー ティー ホン タノン ター..ラック ラッタバーン チョーン ノーン ユー バーン 国を愛しているから 今日は部屋から出てきた。 もし悪党の政府を愛しているの なら、家で寝てろ |
Thong Lo 9付近のマッサージ屋の前にて。マッサージ屋の ねえちゃんたちまで反政府組織を応援しているようでは、世も末だ。 |
単に夕暮れが綺麗だったので 掲載。w) |
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おばあちゃんもハッスルしている。 健康には良い。 |
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群集の中央に黒い車のルーフ・トップが見えるだろうか? ステープ氏のお帰りだ。 |
このヘルメットはすごい。 |
ステープ氏が登場した際の動画。 | 何をやってるんだお前らは・・・ 調子に乗り過ぎだ。 |
・・・さて、60余枚にわたって写真でタイの茶番を見てきたが、これは政変でも革命でも何でもない。
単なる社会妨害である。日本でなら迷惑条例とでもいうのだろうか?
昔はズボンのファスナーを「社会の窓」などと称したものだが、
日本のようにそうやってコツコツガリ勉して社会勉強をする時代は終わった。
携帯電話などの産業機器が普及し、誰でも政治家になれるようになった今、
かってない中身のない政治活動が横行している。
扇動政治とは恐ろしい。
これを見ても分かるように、この連中は参加者には誰にでも、食い物やら飲み物やらを支給している。
だから私の妻や世間の主婦たちのように暇な連中は、傍で見学しているより面白そうだからと、
赤ん坊を引っ提げ一緒になって行進している。
参加している人たちにとって、これは行事であり、祭りであって、ただのイベントなのだ。
単に大騒ぎしてエネルギーを消耗したいだけ。イデオロギーもイノベーションも何もない。
何も考えていない。これが、タイ人なのだ。
しかし、経済を停滞させる経済効果としては、僅かではあっても確実に成果は上がっている。
この活動でステープ陣営は相当の金を捨てているはずだが、
彼らに必要なのはチャンスであって、金では無い。こんな金は連中にとってははした金なのだ。
17日にも彼らの活動があり、渋滞で私達は帰宅が2時間も遅れた。
2008年に空港を占拠したのも反タクシン派だ。私はこの時も丁度被害にあった。
この時の勢力は、PAD(民主市民連合、黄シャツ、略語が無いようなので、タイ語は載せない)という集団だ。
デモなら、2010年にタクシン派も行っている。この時のタクシン派のグループは、
ノー ポー チョー(UDD、反独裁民主統一戦、赤シャツ)という。
が、法を曲げているのは国王が承認している、2月2日に予定している選挙準備を
妨害しているステープの方であって、司法機関が彼を放置している理由が理解できない
(もっともそろそろ動きがありそうだが)。
要するに、誰も彼もが自分の利害を計算している。そして、経済に及ぼす影響など全く考えていない。
(その割にはバーツが下がらないのが癪だが・・・まあそれは円が安いせいもあるのかもしれない)
例えば車で走っていて、わざと人の前に割り込んでくるような。
彼らは利害関係で対立しているだけなので、
結局のところ何を組織しようと、誰が首相になろうと同じことだ。
政権の体を成していない、というより、政治家が共和政体というものを理解していない。
いや、もっとはっきり書こう。この国の国民は、共和国だの民主政治だのを理解するには教育が不足している。
君主政体時代の臣民程度の理解力しか持っていない。だから、政治のこんな横暴を許しているのだ。
中国共産党に支配されている中国も同じだろう。彼らは民主共和政体を知らない。
この責任は、国民の困窮そっちのけで互いに政権争いに明け暮れている政治家にある。
国を統治しようというのだから、それだけの責任が肩に掛かってくるのは当然だろう。
ところが、タイ人というのは責任を負うのが嫌いな民族で、
欲に負けない高貴さが要求される、政治家に向いた人間など滅多にいない。
チュム ヌム(集会して気勢を上げること。動詞にも名詞にもなる)という言葉にもあるように、
デモだのストだのは彼らの国民性であり、慣習なのだ。
民衆は扇動されやすいものだ。それが、ステープのような演説の好きな人間が焚き付けて
風習を呼び覚ましているに過ぎない。
ナポレオンやヒトラーに騙されたフランス国民、ドイツ国民と同じである。
ただ、タイは少しばかり時代錯誤なだけだ。
アフガニスタンやシリアのように戦争にまで発展しないだけましだ。
よくある投資企業向け情報などでは、こういった事情を十分理解した上での参入を勧めているが、
理解ではない、覚悟が必要である。
なお私のHPでは直接タイ文字を入力すればいいのに・・・と感じる方もいると思うが、
そうすると文字セットがユニコードに変わってしまい、サイトに置いてある検索エンジンが使えなくなってしまうのだ。
そしてそれがないと、過去にどんなことを書いたのか思い出せなくなってしまうのだ(笑
そんなものは直せばいいじゃん・・・という話なのだが、そこまでcgiの知識もないし、ご了承いただきたい。
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