■2014年12月15日:ファイナル・ターゲット
原題:THE ENEMY (2012年イギリス) | |
著者:トム・ウッド Tom Wood/- イギリス生 |
|
文庫初版: 2013年3月25日 ハヤカワ文庫 | |
初版時価格: 上下とも840円 | |
巻数:上下巻 | |
品番:NVウ20-3,4 | |
管理人読了日:2014年6月1日 | |
映画化:未 | |
映画題名:− | |
映画主演俳優・女優: | |
日本語DVD化: |
トム・ウッド、第2作目。
主人公は前回と同じ、ヴィクター。
またの名を、”テッセラクト(四次元超立方体)”。
ヴィクターは、前作での殺し屋との死闘の後、そのとき関わったCIAに命を救われる。
それが元で今作ではCIAに雇われ、仕事を引き受けることになる。
彼はベラルーシにハンガリー、ロシアと旅をし、ウクライナとレバノン出身の世界的な
兵器ディーラーのネットワークを寸断する仕事の片棒を担がされる。
だが、実は裏で手を結んでいる者たちがいた・・・
この辺の”裏で糸を引く”構図は、単純だが話に上手く溶け込んでいる。
訳者あとがきでは、ロバート・ラドラムのジェイスン・ボーン・シリーズを思わせる、とあるが、
私の意見では、どちらかというとバリー・アイスラーのジョン・レインの方が近い。
確かに、第一作で知り合う女性との引き込み部分はジェイスン・ボーン・シリーズに似ているが、
それだけだ。
殺しのプロで、まさに「業務」的に殺しを遂行していく。
その様はまるでマニュアルでも存在するかのようで、”嘘くさい”。
日本人から見ると、どうやったらここまで感情のない人間が生まれるのか、理解できない。
ジョン・レイン・シリーズは、そんな中でも主人公レインの、
ジョークみたいな人間性があればこそ面白かったのだ。
マーク・グリーニー作品の主人公、コート・ジェントリーは
第2巻で人間的に大きく成長しているが、
ヴィクターも今回付き合っている女性が現れるなど、「人間的に」
若干成長したような一面も見せるが、相手は所詮”娼婦”。
その辺はそういう殺しのテクニックには練達ながら、
感情的に未熟な人間であることを書きたかったのかもしれない。
関連記事: