■2018年7月21日:暗殺者の飛躍
原題:GUNMETAL GRAY (2017年アメリカ) | |
著者:マーク・グリーニー Mark Greaney/- アメリカ生 |
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文庫初版:2017年8月25日 ハヤカワ文庫 | |
第2刷時価格: 2017年9月15日 860円(上下巻とも) | |
巻数:上下巻 | |
品番:NVク21-7,8 | |
管理人読了日:2018年4月19日 | |
映画化:未 | |
映画題名:− | |
映画主演俳優・女優: | |
日本語DVD化: |
ジェントリーに彼女ができた!
もはやあからさまにファン向けの切り出しだが、
今度こそ、我らがヒーロー、世界一腕の立つ暗殺者で、
世界一女には奥手であるコートランド・ジェントリーに女ができた。
しかも、終盤で別れはするものの、永遠の別離ではない。
再開を約してお互いの道へ進むだけだ。
後日再登場は間違いないと見ていいだろう。
完全にくっつけなかったのは、シリーズが続かなくなってしまうからだ。
もっとも、ここのところすっかり軟弱になってしまったジェントリーは、
くっつきたかったようだが(笑
今回ジェントリーは、香港・深センからベトナム、カンボジア、タイと旅をする。
私も香港・深センは何度も行ったことがあるし、ベトナムにも行っているし、
タイでの舞台となるのはリゾートであるプーケット。
しかもジェントリー達の滞在先はなんとトリサラ!
5つ星どころか、一泊10万円は下らない、再高級リゾートだ。
冒頭の香港での前奏からして、期待感にどんどんページが進んだ。
相手になる悪役も、ロシア、中国、タイ、ベトナムと役者に困らない。
但し、練度はこの順番。(笑
タイのシンジケートなど、中国やベトナムのギャングを指して、
おれたちはやつらみたいにとろくない、というシーンがあるのだが、思わず笑ってしまった。
いやいや、あんたたちは世界一とろいでしょ。(爆
本作でのジェントリーの任務は、スパイの誘拐なのだが、彼の騎士道精神は
相変わらず健在で、物語はちょっと変わった進み方をする。
新たにジェントリーのハンドラー(スパイの窓口となる職員)となった、
前作にも登場するスーザン・ブルーアは、
きれいごとばかりいう「嫌な女」としていい味を出している。
ジェントリーは結構紳士的に対応しているが、
私だったら「そんなこというんだったらやめちまえ!」と叫んでいるところだ。
最後に、話がタイに及んだところで、タイ語の注釈をひとつ。
「おれのいうことがわかるか?」と言いたかったら、
クゥン・カアウ・チャイ・ポォム・マァイ?
(あなたは私のことがわかりますか)
ではなく、
クン・カオチャイ・ティー・ポム・プート・マイ?(プートのトは発音しない)
だ。
これはもう明らかにタイ語訳を手伝ってくれた人のミスだろう。
要するに、喧嘩でもしていて「あなた、私のことをわかってくれないの!?」
的なニュアンスと勘違いされたのに違いない。
とはいえまだまだジェントリー・シリーズは話のネタに尽きない。
次作も楽しめそうだ。
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