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Dog Diary - Maria Theresia -


■2021年9月12日:犬の日本への輸入方法

最下段のタイからの輸出の項も必読

7月のこと、勤務先からもしかしたら来年帰任してもらうかも、という話があった。

目が点である。

15年タイにいてそうなっちゃいます?、という感じだ。
しかも、決定事項だが正式ではないので口外無用とのこと。

さあ大変だ。
嫁さんも頼み込んだ結果、同行してくれるとのことなので、
彼女の日本での在留許可申請はもちろん、
当然、マリーも日本に連れて行く。
いやむしろ嫁さんはマリーを連れて行けないなら、
自分はマリーとともにタイに残る、と言い放ったくらいだ。

私は来るときも今は亡きメラニーをタイに輸出したので、
日本への輸入には最低半年は準備が必要で、
マイクロチップの埋め込みもしなければならない、という頭はあった。
マイクロチップの埋め込みなど知れていると思われたが、
日本に連れていくことなど念頭になかったので、入れてはいなかった。

帰任というのが2月なのか3月なのかその時点でははっきりしていなかったが、
犬の輸入申請など、事前にしておいて損はない。
いや、実際には費用など損は生じるのだが、金の問題ではなかった。
話がぽしゃったらこちらもキャンセルすればいいだけだ。

方法として、もし期日に余裕がないのであれば、抗体検査は進めておき、
最初に自分が帰国する時にはマリーを連れずに行き、
義姉さん義兄さんに預かってもらいつつ、半年後に迎えに行く、という手も考えたが、
現況ではコロナの関係で隔離だか待機期間というくくりで、
人間は今のところタイ入国時は2週間の隔離期間があり、
犬は10日以内の臨床検査を受ける必要があるので、
この方法は実現の可能性が低かった。

というわけで、日本が平日でタイが休みである7/28、方々に電話をかけた。
まずは成田の動物検疫所(羽田には検疫所がないので成田に行かないといけない)だ。

当然だが検疫所のwebsiteに載っている手順を熟読の上で電話した。
何も調べずにいきなり電話して、何?全然読んでないじゃん、
と言われて恥をかくのはごめんだ。

メルを輸出する際に、検疫所で別の女(ガキ)が手続きに来ていて、
「本当はこんなこと(手順)をする必要はないんですけどね」
と文句を言っていて、お前が決めることじゃねえんだよ、
バーカと感じたのを思い出した。

流れとしては、以下の通り。

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・まずは狂犬病の予防接種だが、手引書にはマイクロチップ埋め込み後に
 カウントするように書かれているが、その前に受けた狂犬病予防接種は無効なのか?
 →いやいや、決してそのようなことはなく、複数の方法があって、手引書のP18,19を参照するようにとのこと。
・血統書はなくてもOK。
 すなわち、出生日も推測で可。
・隔離のことも聞いた。
 現状では人間は日本に到着後、数日か数週間かわからないが
 隔離されると思うのだが、そのとき犬はどうなるのか?
 →検疫後、待機ホテルへはバス等で移動するらしいが、
  動物にはコロナに関する制限はなく、到着ロビーまでは出られるので、
  ペットホテル業者などに引き取りに来てもらって預ける人もいるとのこと。
  但し、こちらは管轄外なので自分たちにはわからない。

  やはり、コロナは動物には感染しにくい、ということらしい。
・ワクチンは不活化または組み換え型ワクチンであること。生ワクチンは不可
 ワクチンの銘柄を伝えて調べてくれるか?
 →一人目は親切な女性で、快諾。
  その結果、MERIAL社のRABISINはOK。
  彼女はきっとイングリッド・バーグマンみたいな美貌に違いない。
 →その後、実は種類の違うワクチンも打たれていたので再度電話したところ、
   不親切そうな女性が出て、こちらではわからないので獣医に聞いてくれとのこと。
   最近、日本ではこういう電話口で”彼氏以外の男には用はないわよ”的な
   冷たいあしらい方をする女が増えたが、タイにはこのタイプの女性は少ない。


難所は抗体検査だ。
検疫所の電話を切ってから気が付いたのだが、
抗体検査というのは、どこでもいいわけではなく、
日本の決まりでは、検疫所が指定した検査施設で検査してもらわないといけないらしい。

しかも、タイには指定施設がないので、タイから手続きする場合、
採決した血液を例えば日本の指定検査施設に輸出しなければならないとのこと。

そこで、日本の検査施設にも電話してみた。
ここの施設は、住所を見ると相模原市の橋本にあるとのこと。
私の実家は近所なんですよ、と言って世間話に花を咲かせた後、色々聞いてみた。

・血清とは、血液を遠心分離器に掛けてこしらえる
・血清はできれば冷凍、できなければ直前まで冷凍しておき、
 送る際に保冷剤と一緒に送ってほしい
・業者が保冷剤対応できるかどうか要調査
 (日本のEMSはできるそうだが、タイのEMSだかDHLだかが対応できるかどうかは、
 送り主が調べる必要がある)
・血清を入れる容器は、薬剤などが入っていないプレーンな容器を使用してほしい。
 (業者によっては凝固剤を入れたりするらしい)
・血清を入れた容器は、壊れないように2重3重に包装してほしい
・血清も輸出用に検査証明が必要で、獣医なりそれなりの政府機関の証明書が必要。
 送る血清に狂犬病ウィルスが入っていたら意味がない。
・料金(\13,000)は銀行振込。
 振込証明書を申請書と上記の検査証明書と一緒に血清を送る際に同封してほしい
 さらに、発送後に一報欲しい
・検査結果は、通常は申請者の住所に送られるが、EMSで海外発送も可能。
 検疫所への申請は、原紙が必要である。 

ここでついでにワクチンの可否について聞いたところ、
zoetis DEFENSOR 3 Rabies VaccineもOKとのこと。
要するにKilled Virusと掛かれていれば、生ではないわけだ。
シノバックのコロナワクチンと同じだ。

さらに電話に応じてくれた女性は、マリーの接種済みのワクチン履歴を訊いてくれて、
手引書に記載の「狂犬病抗体検査1回型」でOKであることも確認してくれた。
但し、説明を聞いても私にはよくわからなかったのだが、
必ず抗体検査と予防接種は同時に受けるようにとのことだった。

そしてまた電話を切ってから気が付いたのだが、
前述の検査機関のwebsiteに、マイクロチップ・リーダーも必要だから貸し出している、
などという記述が見られ、もうわけが分からなくなってしまった。


これらのことを踏まえ、掛かりつけのタイの病院である、
Thong Lo Pet Hospitalに電話して、日本人がいるのは知っていたので、
替わってもらって話を聞いた。

私は「今までに日本への犬の輸出入手続きを処理されたことはありますか?」と訊いた。
ここは大きな病院なので、ある程度対応可能なのではないかと考えていた。
答えは、何回もやっています、とのこと。

なんと、抗体検査まで請け負ってくれるらしい。
この病院の場合、血清はイギリスに送るとのこと。
血清自体を作ることも問題なくできるとのこと。
料金はTHB 17,000で、マイクロチップは1,000だか2,000。
狂犬病の予防接種自体は100バーツかそこいらなので知れているが、
血清の方は、まあ輸出する手間を考えると、値は張るが仕方がないだろう。

但し、資格を持つ医師に限られているので、予約が必要とのことで、
8/1(日)に予約を入れてもらった。

このとき、マイクロチップを入れて、ワクチン接種が2回で
2回目に抗体検査ですから、2月だとギリギリですねと言われたので、
いや狂犬病ワクチンは常に毎回おたくで受けている、と告げると、
医師に確認すると言って一旦電話を切られたが、
掛けなおしてきたときにも、まだ2回必要だと言い張ったのだが、
検疫所の手引書にはいくつかの方法が書いてあるし、
私は検疫所に電話して確認済みだ、と伝えたところ、
検疫所に確認されたのですね?と言って
念を押されたうえで、それなら結構ですとのことだった。
ワクチン手帳も忘れずに持参するように、とのことだった。

病院は、前日に予約のコンファームの確認を電話でよこした。

とはいえ、予約の前日(7/31、土曜日)にもう一度検疫所の手引書を確認したところ、
”条件付き受け入れを希望する場合は、事前に必ず動物検疫所にご相談ください”という記述があり、
この病院がワクチン接種証明をどのような形でくれるのかはわからないが、
過去の接種記録については、動物病院がくれるワクチン手帳で通用するのかどうか、
動物病院の翌日の予約に対して、検疫所に聞いて確認するには間に合わなかった。

そこで、結局ワクチン接種は2回受けるつもりになっていた。

クリックして拡大 動物病院が寄越すワクチン手帳


当日、タクシーを捕まえて乗り込み、女性ドライバーに動物病院だ、
と行き先を告げるときに、妻がThong Lo Pet Hospitalだというと、
運ちゃんはトンローのクリニックの方に向かったので、
慌てて違う違う、タノン・ロン・プーンの方だと告げたのだが、
運ちゃんはその時点でようやく合点がいったらしく、
例の動物病院のある地名というか通りの名は、
そうではなくなんとかかんとかというのだ、
と妻に嫌味を言っているうちに、
曲がるべき交差点を通り過ぎた。

こいつはバカなんじゃないかと思った。
おかげでUターンしたので、10バーツくらい損した。
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動物病院のある通りに曲がるところの交差点(をちょっと過ぎたところ)


病院に着くと、電話で予約した際のおっさん通訳ではなく、
別のおばあちゃん通訳が対応してくれ、私は例の手引書の抜粋を印刷して持って行ったので、
1回式のやり方にも納得してくれたのだが、この病院ではやったことがないとのことだったので、
(2回式の方法ではいままで何千回も行っているとのこと)
私も不安だから予防接種2回式にしようかと考えている、と告げたのだが、
それだとこの日に1回目を接種して2回目が9/1だから、丸々180日になるのに
2月いっぱいかかるとのこと。
数え方が、月ではなくて、日数(180日)なのだ。
つまり、会社からの指示が3/1から出社しろ、であったら間に合わない。

ワクチンの接種証明は上述のワクチン手帳になるし、それで通じるとのこと。
ちなみに、この日もDEFENSOR 3だった。

なお、タイの検疫所に提出するFORM AだかCも、
持って行って見せたところ、問題なく対応可能とのこと。
ただ、病院側で発行するが、念のため持参してくれとのこと。

また、日本の検疫所に出発10日以内に提出する検査については、
一週間前だと言っていた。
この辺は、解釈の相違だろう。

そのため、しばし熟考ののち、1回型で先行することにした。
そして、月曜日すぐに検疫所に連絡して、確認すればいい。
ダメであれば、翌月再度予防接種と抗体検査を受け直して、
期日に関しては会社に頼むしかない。
もともと要望しているのは向こうなのだ。

狂犬病の予防接種をしたので、向こう1週間はシャンプー禁止とのこと。
タイでそんなことを聞いたのは初めてだ。
マリーは毎回そうなのだが、予防接種後は帰ってきて1,2日はぐったりしている。
メラニーはケロッとしていたが・・・
犬にも個体差があるのだろう。

なお費用は、マイクロチップ埋め込み・狂犬病予防接種・抗体検査の申し込みで、
THB 18,408.71だった。
この日のタイバーツのレートはTHB 1 = \ 3.33だったので、約 \ 61,363だ。

帰りに、マリーが通訳のおばあちゃんのジャケットの裾に噛みついて引っ張った。
おばちゃんは焦っていたが、ボタンが取れたと考えていて、
ボタンがないと慌てていた。

私は申し訳ない、と謝罪したのだが、おばあちゃんが焦るほど貴重なボタンなのかと
泡を食ったところ、マリーが飲み込んだのではないかと考え慌てたのだそうだ。
なんだ、そんなことはどうでもいいのに。

マイクロチップの埋め込み証明書はこの日のうちにもらえた。
抗体検査の証明書は約一か月くらいかかり、届いたら電話してくれるそうだ。

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病院はごった返していた。 家のソファーのように勝手に乗っかっている。


検疫所には、今までに入手済みの証明書類を添付して経緯をメールで連絡したところ、
中1日で返事が来た。
それによると、これまでの準備はOKで、抗体検査の結果問題なければ、
来年1/28以降、日本へ入国可能とのこと。


次に、検疫所を出てからのことを考えた。
マリーは13kgの狂犬だ。
スーツケースと一緒に電車に乗るには無理があるし、バスに載せるのも面倒だ。

そもそも、自分自身バスが嫌いだった。
私は、バスのシートのあのスエードの生地のようなにおいが苦手なのだ。
それに乗って3〜4時間揺られると思うだけでげんなりした。

空港には必ずリムジン・サービスがあるはずだ。
恐らく、ペットと同乗可、という業者もいるはずだ。

逆にそういう車は恐らく動物臭があるだろうが、
私は動物の匂いは平気だった。
でなければ犬など飼えやしない。

妻の反応が気になったが、そんなものは無視だ。(笑

それで、インターネットでそういう業者がいないか探すと、
やはりあるようだったので、メールで事情を問合せしたところ、
その日のうちに返事をくれた。料金は3万円程度とのこと。
よし。これなら安いものだ。

さらにその業者は動物だけ先に送り届けることも可能、と知らせてくれて、
空港内のペットホテルのwebsiteを添付してくれてあった。
私は両親は元来犬など嫌いだから、と書いて断ったが、
添付されたリンクのペットホテルはコロナ対策で来年2/28まで休業する、
となっていたので思いついたのだが、もう一つ問題があった。

我々が軟禁中にマリーが泊まれるホテルを探さなければならない。


忘れてはならないのは、日本への輸入手続きだけではない。
タイからの輸出時も、タイの検疫所に届け出が必要だ。
これをやっておかないと、犬がタイから出国できなくなったりする。

うろ覚えなのだが、メルをタイに連れてきた時は、
空港のどこかにある検疫所に通され、係官に書類に記載の住所が違う、
という嫌味を言われた覚えがあるのだが、それだけだった。
それも、あのときはまだタイ語もタイのしきたりも全然わからなかった。

こちらはタイの日本大使館のwebsiteによると、
発行後30日以内の健康証明書、狂犬病の予防接種済み証明書を
パスポート、航空券と一緒に出国の3日以内(当日可)に
タイの動物検疫所に届け出なければいけないらしい。

こちらも、タイのことだ。
言った言わない聞いていない私は知らないがよくあるので、30日前とは言わず、
妻にでも頼んで事前に電話してやり方を訊いておいた方が良いだろうと考え、
こちらは妻に調べてもらった。

そもそも、住所は空港内といっても、敷地内のどこにあるのか、
知れたものではないし、当日になって慌てたくなかった。


調べてもらって正解だった。
妻に調べてもらったところ、動物がコロナに感染してないかどうか
確認するため、指定施設に2週間隔離するとのこと。

おいおい・・・
さらに、検疫所は平日(8:30-16:30)しかやっていないらしい。
これで、出発日は平日にしなければいけなくなった。
私はバタバタするのが嫌いで土・日の便にするのが好みだったのだが・・・

同時期、ANAのタイ-成田便は、07:00発の便しかなかった(日に1便)。
これでは、検疫所に寄れない。どうしろというのか。

というわけで、このままでは日本の検疫所に提出する10日以内の検査も
どうすればいいのか分からないので、それも訊いてみなければなるまい。


それで、妻にタイの検疫所に電話して聞いてもらった結果、次のことがわかった。

・犬そのもの
・飼い主のパスポート、原本とコピー。夫婦であれば二人分
・マイクロチップ証明の原本とコピー。
・狂犬病ワクチン証明(回数等日本と同じ仕組み)
・日本の認可証(おそらく180日の届出受理書)
・FORM AC

以上のものを揃えて、出発3日前までに検疫所に来るようにとのこと。
検疫所の場所は聞き忘れたらしい。
例の2週間待機は、必要ないとのこと。
上述リンクのページには、明らかにコロナウィルスの関連と書かれているのだが、
なぜ不要なのかは聞かなかったらしい。

なお、生後10日以内の生体は輸出できないとのこと。
狂犬病ワクチンの接種が間に合わないからだろう。

この結果、人の移動の分も書き込んであるが、
まとめなおしたのが以下表だ。
おおむね、このような時間割になると思われる。
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ところで抗体検査の結果だが、一月経っても連絡がないので、
9/6に病院に電話して聞いたところ、
私はまず日本人通訳を回してくれるよう頼んだのだが、
いなかったのか替わったのは通じないタイ人の日本語通訳で、
ろくに話が分からなかった。

「狂犬病の抗体検査の結果なのですが、まだ届いていないのでしょうか」
「あ、はい、狂犬病の抗体検査を受けるんですね」
「そうではなくて、一月前に受けたんですよ」

「少々お待ちください・・・はい、まだ結果は届いていません」
「いつごろ届くんですか」
「抗体検査の結果は、イギリスに送っていますので、一か月くらいかかります」
「8/1に受けたので、もう一か月経っているんですけどね」

通訳嬢は調べて連絡するからとのことで、電話番号を訊かれた。
私はまったく期待していなかったので、
帰って妻から訊いてもらうよう頼まねばなるまい、と考えていたところ、
30分もしないうちに電話が掛かってきた。

「抗体検査の結果は、イギリスから発送済みです」
「いつごろ届くんですか?」
「9/10か、9/19の週になるかもしれません」
「結果だけでも分かりませんかね?」
「え?何ですか?」
「検査の結果、OKかNGだったのかだけでもわかりませんか?」

通訳嬢はまた少々お待ちくださいと言い、しばらく電話から離れた。
ほどなく戻ってくると、検査結果は合格でしたとのこと。
やっと一安心だ。

終始こんな塩梅なのだ。
しかしそれは外国で暮らす以上、仕方がない。
タイ語で聞いてもよかったのだが、
抗体検査という言い回しが難易度が高いので避けた結果だった。

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