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Dog Diary - Maria Theresia -


■2019年11月13日:マリー、膝蓋骨脱臼

皮膚病の治療に連れていく前後に、別のことにも気付いていた。
わが娘は椅子やソファーやテーブルに飛び乗ったり飛び降りたりするのが好きで、
中型犬ゆえ運動も必要と、
我々も彼女のしたいように飛び乗ったり飛び移ったりジャンプしたりダイブしたり
バク転、はしなかったと思うが、とにかく縦横に遊ばせていた

そんなとき、ときどき主に着地時に、「アイン!」と叫んでしばらくびっこを引くことがあった。
その後すぐに元通り何もなかったかのように遊びを再開するのだが、
そんなことが一週間の間に3回くらいあった。

妻によれば、病院に連れていく前日から、エサも残すようになっていた。
痛みがあるのかもしれない。
死んだ姉もそうだった。

そしてどちらの脚かあまりはっきりしないのだが、よく見ると脚を引きずっていた。
それで、我々はソファーに飛び乗る際にガラスのテーブルに膝でもぶつけるかして、
挫くか打ち身か捻挫のようにでもなっているのだろうと考えていた。

触っても特に痛がるふうでもない。
そこで、病院でレントゲンで見てもらおう、ということになった。

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連れて行くのはお馴染みTHONGLOR PET HOSPITAL
今回は妻と一緒だったので問題なかったのだが、一人でこの病院に行くときいつも迷う。
迷うというのは道に迷うのではなくて、タクシーに乗って指示すれば着けるのだが、
運転手が病院の所在を知らない場合、通りの名前などを言って向かってもらうときに、
ダイレクトに通じる道の名前が思いつかない。
通りの名前は「ラマ9」なのだが、それは大通りであって、だいたいの方角に過ぎない。
地図には「Thanon Phet Phra Ram」と書いてあるのだが、そんなことを言ってもまったく通じない。
妻によると「タノン ロン プーン(ロンプーン通り)」というと通じるらしい。
確かに手前側にそんな名前の通りがある。
googleの地名と、実際の現地の人たちの通り名に、齟齬が生じているのかもしれない。
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病院の手前の線路。
付近に駅があるらしい。
動物病院入口にて

さて今回は症状を告げたところ、2Fに案内された。
どうやらそこが整形外科らしい。
で、診察してくれた女医も、最初は何が起きているのか分からなかった。
右脚か左脚かについては、我々夫婦もよくわかっていなかった。

それで、病室の扉の向こうが広い執務室の様になっており、
何人かの助手と一緒にみんなでそちらに行き、マリーを走らせてみた。

すると・・・
やはり、間違いない。右脚が若干びっこを引いている。

この後、何だか詳細な触診をしようとしたのだが、
わが娘は狂暴ゆえ、なかなか自由に触らせてくれない。
私が体を押さえつけて女医がマリーに触ろうとしたところ、
マリーは私の手に噛みついた。
といっても、全然痛くないので、私は娘に噛みつかれても気にならないが、
医師&助手は噛まれてはたまらないと考えたのだろう、

飼い主さんたちはちょっと出ていてください、と言われ
室外に出された後、マリーの口を結わえて何かしていた。
そこそこ情けない鳴き声が聞こえてきて、妻と苦笑してしまった。

診察が終わって出てきた女医は、やはり脚は何かおかしいので、
レントゲンを撮りましょう、とのことになった。
レントゲン室は3Fだった。ここでもマリーは鳴き声を上げていた。
何で?レントゲンで?

撮影後、再度2Fに戻ると、すぐに所見を聞かせてくれた。
それによると、「脱臼」とのこと。


なるほど、そうきたか。
膝の皿と股関節が外れており、ずれたり戻ったりするために痛みを伴うらしい。
病名を紙に書いてくれたので、帰宅後調べてみた。
medial patellar luxation (膝蓋骨内側脱臼)
canine hip dysplasia (犬の股関節形成不全)

女医はまず我が家の床がタイル張りであるということを聞いたうえで、
何か敷物をした方が良いでしょう、と言った。
さらに、できれば用のないときはやはり綱を付けておいた方がいいでしょう、とのこと。

表で散歩させていないことに関しては、
ええ、私も中型犬を室内で飼っていますので、
この国の野外の事情は分かりますよ、と相槌を打ってきた。

次にマリーの品種やどこで買ったのかなどを聞かれた。
我々は雑種であろうことを告げたうえで、出自に関しては
こんな事情であるゆえ、分からないというと、
女医は軽く驚きつつ、笑いながら賛意を示してくれた。
「本当に犬が好きなんですね」
まあね。

彼女によれば、金も時間もかかるが血統を調べることは不可能ではない、
としたうえで、分からないが色々な血、
もちろんバーンゲーオのようなタイの犬種の血も入っているだろうし、
スピッツのような小型犬の特徴も見受けられる、と言った。

そのうえで、彼女はパントゥカム、と言った。
はて?パントゥカム?聞いたことはあるが・・・何だったか。
一度覚えたことがあるので、聞き覚えがあった。
電話に入れておいた自作の辞書で調べると、ああ遺伝ね。
人間の脳ってすごい。

そう、遺伝や既往症の可能性があるかどうかはわからないとのこと。
怪我ではない、病気だ。
それが我々が遊ばせていたことがきっかけで発症した可能性はある。

とにかく安静が必要で、手術しないと治らない。
手術すれば完治する可能性は90%程度。
残りの10%は、「マイペンライ」
つまり、持病を患っていても特に気にせず生きている人だっているでしょう、とのこと。
なるほど。

で、右脚の方が程度が悪いのだが、左脚も疾患しており、
別々に手術が必要。

医師は薬を与えてしばらく様子を見ましょう、みたいなことを言って
妻とうなずきあっていたので、
はて?手術が必要なんでしょ?
すぐやっちゃうわけにはいかないの?
と訊くと、妻に「あなた次第」と言われた。

翌週の3連休にメルの骨の埋葬で田舎に行く予定があり、
妻がその時に預けて執刀してもらいましょうか、というので、
いいけど、手術なんだから帰りに引き取れるわけじゃないぜ、
2〜3か月は入院だぜ、というと、
女医が驚いていえいえ、入院するのは1,2日ですよ、
その後1,2か月、通院してもらう必要はありますけど、と言った。

あれ、そうなの??

とにかく、田舎への出発の前日、11日に病院の車に迎えに来てもらって、
妻の付き添いで手術してもらうことにした。

女医がそういうことなら、今日のうちに採血しておきましょう、
と言って処置をしてくれた。
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レントゲン写真を見て納得した。
なるほど、マリーは適切な姿勢をとらされるために鳴いていたわけかw
両脚とのことだが、右脚は股関節も膝の皿も逆の脚と比べるとずれている。
この写真を見ると一目瞭然だ。

というより、何となく、このレントゲンに見覚えがあった。
そう、死んだメルと似たような病気だ。
どうもタダにしてはおかしいと思った、というのは悪い冗談だが、
ツイてないというか、とにかく何だか悲しくなった。
妻にメルと同じだね、と言うと彼女も「そうね」とうなずき返してきた。

このフィルムはいるか、というので、いや写真を撮らせてもらえればいい、
と言って撮影させてもらった。

もらった飲み薬。関節炎の薬か?
60日分ある。

帰宅して早速与えると、この薬は何の抵抗もなく飲んでいた。


この日(10/6)の診察料はTHB 5,972。
なおタイバーツのレートはTHB 1 = 約 \3.51だった。
え、なんだって?だいたいのところ、6,000を3.5倍すればいいんだよ。

家に帰ってきてさっそくボールを片づけた。
もうこんなもので遊ぶ必要はない。

しょげている私に、妻が声をかけてきた。
「でもねあなた、マリーがいなかったら私たちすごく寂しかったと思うわよ」

良妻という言葉は、この人のためにあるようなものである。

犬のために良かったのか、悪かったのかなどということは、
我々人間が考える必要のないことだと思う。
我々はただ、したいことをして、犬にとって良かれと思うことをすればいいのだ。
その後で、多分マリーは行動で示してくれるだろう。


この日の昼過ぎに医師から電話がかかってきて、
採血の結果正常であり、予定通り11日に手術するので、
前日の晩以降、飲み食いさせないでくれとのことだった。


ワンポイント タイ語レッスン
タイ語 読み 意味 備考
捻挫
コートー ルッ 脱臼
ドゥー ハッ 骨折
コー クドゥー 関節 脱臼の「コートー」でもいい
カオ
トンカー
テーカムヌー 生まれつき 既往症の意味に使う
パントゥカム 遺伝
チュア サーイ 血統
パン 品種
パソム MIX 雑種の意味に使う(混ぜる、という意味)
チョッ ルア 採血


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