■2015年12月29日:旭山動物園の狼
北海道旅行本編記事はこちら
私が無類の犬好きであることは本HPからも明らかな通り、
犬と狼は種族は別だが、近しいもの。
タラバガニだってヤドカリの仲間だというではないか。
何しろ毎年狼のカレンダーをAmazonで購入しているくらいだ。
子供の頃両親に動物園に連れて行ってもらった記憶はあるが、
狼を見たことがあるのかどうかは定かではなかった。
(タイの動物園にもサムト プラカーンのは行ったことがあるが、
妻によると他のところも含めて狼はいないとのこと)
そして今年の一時帰国は元々年末に帰るつもりではなかったのだが、
諸般の都合で年末年始となり、ついでにまた北海道旅行を計画した。
その目的地は旭山動物園(@A)。
ところが皆さんもご存じの通り、JR旭川駅付近にて火災があり、私達はその渦中にいた。
今年は会社の休みがたまたま例年より少し早く始まり早く終わる予定であり、
当動物園は最終日が12/29。何とか間に合う計算だった。
しかし・・・
新千歳空港のJRホームでの貼り紙。私も当初火災のことなど知らず、 母に電話した際に教えてもらわなければ、 こんな貼り紙など見逃していただろう。 母の話では運航休止区間では代行バスが出ているらしいが、 混雑しておりかなりの苦情が出ているとのこと。 |
こちらは左写真の掲示の裏面。 冬ともなると色々あるようだ。 |
そしてこちらはJR札幌駅の掲示。 ここで駅員に状況を尋ねたが、さんざっぱら同じことを訊かれ相当 ストレスにさらされてきたのだろう、かなりイラついた調子で答えられ、 何ら要領を得なかった。そこで、みどりの窓口に行って訊いてみることにした。 |
こちらみどりの窓口で販売されている切符のチラシ。 ここの係員の話によると、札幌←→旭川間の特急が運航休止しており、 札幌から深川までは行くが、そこからJRの代行バスが旭川駅まで出ている のでそれに乗ってくれとのこと。動物園まではさらにそこから動物園行きの バスに乗らなくてはならない。またこのチラシだと、1本しかないような 書かれ方だが、それは特別仕様のバスに乗る場合の話であって、 通常は電車もバスも1時間に1本くらいの本数はあって、私のようにのんびり 出発しても大丈夫だとのこと。休みの日に8:30に起きれるわけがない。 これは28日の話である。 |
こちらが旭山動物園行きのセットの切符。大人6,130円。 安いのか高いのかは分からない。 主な行程は以下の通り ・JR札幌駅←→旭川駅間の自由席特急券(往復別々) 通常片道約1時間40分 代行バスにはこれで乗れるとのこと ・旭川駅から旭山動物園までのバス乗車券(往復ともに使用し、 復路にて回収) 通常片道約40分 ・動物園の入園券 特別なショー以外は全てこれで見学可能 |
ステラ・プレイス 6Fのタリーズ・コーヒー。 |
ニュースによると札幌←→旭川間の特急は、うまくいけば29日の午後くらいから復旧するかもしれないとのこと。 そして今日、私達(正確にいうと私だけ)は起きたのが9:00だった。しかも妻に起こしてもらった。 宿泊先の朝食会場にて「10:00までなのでぼちぼち片付けてしまいますよ」と嫌味を言われつつ、 10時過ぎに札幌駅に行くと、11時発の特急は運行を見合わせ、代りに12:00に出すとアナウンスしていたので、 タリーズ・コーヒーにて時間をつぶして、混むかもしれないからと11:30頃降りて行ったのだが、甘かった。 |
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TV局が取材に来ていた。 | 旭川駅にて、動物園行きバスの時刻表。 |
旭川行きの特急に乗車時、駅そのものは混んではいなかったものの、ホームには長蛇の列ができており、 まず、座れない。おいおい、特急で座れないなんてなしだろ・・・ しかも、通路まで客で塞がっており移動不可能。 窓の外を見ると、駅員がしきりに腕を片方の方向に向かって振っている。 そちらの車両に行くと座れるのかと思ったのだが、 そのうちに駅員が車両に首を突っ込んできて(姿は見えない)、 「詰めてくださーい」 ふざけんなよ。どこに詰めろってんだよ。 「まだご乗車できていないお客様がいまーす」 それはお前らのせいだ。他の方法を考えろ。 ・・・これを途中駅に停車する度に繰り返す。 混雑の原因は現状の把握をしていないことであって、 具体的にこれまでキャンセルを食らった客がどのくらいいて、だから乗客はどのくらいの人数になる見込みで、 列車のキャパシティはどのくらいあって、従ってどのくらいの人数があぶれるのか全く計算できておらず、 そのいい加減な皮算用ぶりから、私達が住んでいるような世界からすると、管理のずさんさには呆れるばかりだった。 これで「ごめんなさい」で通用してしまうのだから楽な商売だ。 いや、「申し訳ありません」で終わっていればまだかわいい方だ。 ところが、「まだ乗車できていないお客様がいます」とは何事か。 まるで乗車出来ている我々に原因があるような言いぐさではないか。 JRは、そうではなくて、乗車できない客に対してこれこれしかじかであるから どうすればいいのか説明して、対処するべきなのだ。 彼らは責任の所在を理解していない。 というか、自分達に非があるとしつつも、心の奥底には 「このくそ寒い中、年の瀬で一般の連中は休みなのによ、なんで俺たちだけこんな苦労しなきゃいけねえんだよ」 という気持ちがあるのだ。 だから正しい対策が出来ないのだ。 ともあれ何だかんだいいつつ、復帰第一号の特急に乗った。 車中は暖房に加え客の興奮も相まって急激に温度が上昇し、脱水症状を起こすかと思った。 早くも決行しなければ良かったかと後悔し始めた。 そして何とか旭川駅に到着しバス停を探すと、15分後にバスが来るようなので、便所にも行かずにそのまま並んだ。 しかもバスまで最終便だった。帰りのバスも最終の16時になりそうだった。 (電車は結構本数があるようだった) 一目散にバス停に向かう。乗り場はEとのことだったが、他の乗り場に人などいない。 バス待ちの人々も、電車に乗っていた人数と比べれば少数であり、 本当に地元の人々や他の用向きの人々が困っていたのであろうことが察せられた。 帰りは空いているものと思われたが油断は禁物だった。 とはいえバスが来る時刻になると、後方には長蛇の列が折り返しており、 前方に並ぶ人々だけでも、バスはぎゅうずめで座れなかった。 弁護士だの葬儀場だの動物病院だのと、状況を全く無視したローカルな停車駅情報を垂れ流すアナウンスを聞きながら、 のんびりとした雰囲気の中バスは進んだ。 バスも遅れたようで、動物園に到着したのは15時。 入口で15:30に閉園です、と言われつつ、オレ達だってもっと早く来たかったんだよと心の中で空しく叫んだ。 |
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動物園を入ったところ。着くなりこれもんである。 | 気温は-5.5℃。極寒の世界だ。 |
動物園に入ると、他にはわき目もふらずに狼のいる区域へと突き進んだ。 |
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本稿はダイジェスト版であるため、アップ写真のみ掲載する。 その他の写真と動画はまた後日。 実物の狼を見て感動した。 狼というのは犬よりかなり大きいもの、という認識はあったがここまで大きいとは思わなかった。 同じ園内にいるピューマより大きく、全長はゆうに2mは超えていた。虎みたいな大きさだった。 極北のハンターに「人の肩までの背丈がある」との記述があったが、それは小説の設定だと思っていた。 しかし直接狼を見て感じたのは恰好良いではなく、やはり「かわいい」だった。 さすがに動物園の動物は飼いならされていると見え、どの動物も客に興味を示して檻の縁まで来ていたが、 狼連中は意外と舌を鳴らすと振り向いてくれた。 但し犬と一緒で、同じ音は2度と通用せず、多分「またあいつがオレをハメ撮りする気だな」くらいのものなのだろう。 白いのは終始こっちを見ていたので、メスだったに違いない。 率直に言って、飼うことは出来なさそうだった(当たり前)。 |
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ここまで来た状況から、帰りも当然混雑が予想されたため、賞味30分で急いで帰ってきた。 入園する際にすばやく駐車場にタクシーが3台ほどいるのを見掛けていたが、 そんなものはあてにできない(案の定、他の客がさっさと乗り込んで走り去った)。 携帯電話でのんびりと自分撮りを楽しんでいる妻を叱咤して、 手早く土産物の買い物を済ませ、速攻でバス乗り場に向うと、丁度バスが来ており何とか乗ることができた。 しかしやはり座れなかった。 |
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バスが出発したのは15:45だったので、これも15時のが遅れたのかと 感じていたのだが、途中ろくに停車しなかったのでもしやと思ったのだが、 案の定、臨時バスだった。 |
行きに撮影する時間がなかったので夕方の撮影となるが、 旭川駅もこの状態である。混んだり遅れたりするわけである。 |
帰りも、駅に着いたのは16:20分くらいで、25分発の電車が来ていたのでホームを駆け上がった。
駅でも動物園の土産物を売っていたのだが諦めた。
背に腹は代えられないし、狼を見るという当初の目的は果たした。
ものごと必要ないものは切り捨てる潔さが肝心だ。
おかげで帰りの電車では、最後の車両でちょうど2席だけ空いていたので座ることができた。
妻は直ぐに眠りに落ちたが、私はずっと狼の写真と動画を見て自己満足に浸っていた。
道中、飯も食わずに移動した。トイレには園内で帰りに寄っただけである。
水は、前日買ったミルクティーを鞄に差しておいたので助かった。
行きは前日たっぷり寝ていたし目的意識もあったので耐えられたが、
帰りは疲労するだろうからこの強行軍は後でたたらないかと心配したが、
遂に狼を拝んだ興奮でそれどころではなかった。
ただ、今回の旅で情けなく感じたのは、
混雑の中譲り合っているのは中国人(か韓国人)やタイ人など外国人ばかりで、
(バスの中で妻は中国人(だか韓国人)の子供連れに席を譲った。
その後タイ人の家族連れと出会ったので、料金の支払い方や残りの行程について情報交換し合った)
ギャーギャー騒いだり座り込んで道をふさいでいるのは日本人の方だった。
人種を問わず社会的なのは外部の世界を知っている人々で、
本当に日本人はもっと外に出た方が良いと痛感した。
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