■2016年12月7日:戦場の支配者
原題:MASTERS OF WAR (2013年イギリス) | |
著者:クリス・ライアン Chris Ryan/1961- イギリス生 |
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文庫初版:2015年7月23日 竹書房文庫 | |
初版時価格: 700円(上下巻とも) | |
巻数:上下巻 | |
品番:ら1-1,2 | |
管理人読了日:2016年4月17日 | |
映画化:未 | |
映画題名:− | |
映画主演俳優・女優:− |
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日本語DVD化:− |
読んで失敗しないクリス・ライアンの最新作は、戦禍甚だしいシリアが舞台。
実際に湾岸戦争時現地に行ったことのある著者ならではの、迫力ある描写が魅力だ。
サムイ島滞在中に読破。
シリアではイギリスとフランスが反政府部族のトップに誰を就けるかによって
利権争いを繰り広げており、その対象は兄弟のどちらか、という話なのだが、
イギリスは交渉のため工作員を潜入させることに決め、護衛も付けることになった。
(正し、シリアの反政府組織の人物も含めて、
この辺の背景事情に関しては著者の創作と思うので、注意されたい)
主人公であるSAS隊員のダニーは、仲間とともにその工作員(文官)を護衛して
シリアに潜入することになった。
しかし、作戦には現地の民間軍事会社も関わることになり、不穏な空気が漂う。
物語には現地で拉致された民間人の救出なども絡み、
スパイのいるところ黒幕ありとのことで、主人公には悪いが
読者には胸躍る波乱な展開が予想された。
ダニーは、赤ん坊の頃に同じく軍人だった父をIRAのガンマンに狙われ、
共にいた母が殺され、父も重い障害を負い、兄は非行少年化するという、
凄まじい少年期を過ごす。
そんな少年時代を支えたアウト・ドア生活の師匠(父の友人、
即ち軍関係者)がいたのだが、その人物も重要なところで絡んでくる。
・・・とまあ、今回は少し長めにストーリー解説をしたが、
歴戦の勇者かつ作家であるクリス・ライアンの作品だけに、アクションは満点だ。
但しこれは翻訳側のミスだと思うが、
空母にF-16は搭載しないと思う。F-18の間違いだろう。
今作の主人公、ダニーは次作でも登場するらしい。
今作からしてまた出版社が変わったのだが、
何はさておき邦訳されることを祈念してやまない。
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