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防空壕跡探索
2022年12月31日 昼

学校の裏の防空壕跡だが、年末休みに入ったことで、
見に行きたくていてもたってもいられなくなった。
夏は暑いし、マムシがいるところだから、曇っているが冬のこの時期が最適と思われた。
学校も休みだし、ちょうどいい。

晦日に何をやっているんだ、という諸君。
冒険は、思い立ったその瞬間から始まっている。

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google mapで見てみると、
裏の畑のへりから
森に入れそうだった。
装備の点検をしよう。
気分を盛り上げるために、
グロック26を引っ張り出してきた。
ホルスターのカビが
銃に転写しているが、
弾とガスを入れて簡単に
動作確認したあと、
その銃は5.11のコートの前の
隠しポケットにしまいこむ。
そして、目指す林は
鬱蒼とした森だから、
HATCHの防刃グローブも
準備する。
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防空壕が見つかった時のために、
電話のライトだけでは不安なので、
LEDライトを別に用意。
カメラのバッテリーの他に、
思うところあって、
巻き尺も持っていく。
少し考えて、水は持って
行かないことにした。自販機がある。
腕時計は小さくて黒い
GST-B300WLPを選んだ。
マリーが自分も行けるものと思って
興奮している。
目的地は茨の道だ。
今日はマリーは連れて行かない。
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学校の脇を通って、
工事現場みたいな所に出る。
本当に鬱蒼としている。 目指す森はあの向こうだ。 面白いことが書いてある。
無断でなくても火をつけるのは
犯罪だと思うが・・・
というより、その前に不法侵入だ。
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うん?橋があるぞ。
小川が流れているのだ。
その前に立て看板もあった。 お邪魔するよ。 あの橋を渡るしかなさそうだ。
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うぉ〜、しっかりバリーケードが
敷かれているではないか。
Properのブーツを履いた足で
たくましく進む。
確かに、あれは無理だ。
底なし沼かもしれない。
いくらも進まないうちに、
水平には進めなさそうに見えた。
鳥たちが盛大に侵入者の報を
触れ回っていた。
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思い切って上に出ることにした。
グローブをはめた手で
木の枝をつかみながら進む。
霊園の真裏に出た。
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来た森を振り返る。 道に沿って進みながら、下を見る。
ここを下りたら、そのまま下まで滑り落ちそうだ。
完全に霊園の裏手だ。
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ボーイスカウトのキャンプ場に
なっている。
そのこと自体は、googleで調べて
知っていた。
勘違いに気づければ、なれるだろう。 単なるバーベキュー施設だ。
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いい加減、やかましいわ、
という気になってくる。
モナの丘の裏に出てしまった。 鶏か?
噛みつかれると困るので、
近づかなかった。
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モナ丘の脇を通って道路に出た。 今度は反対側から
挑戦することにした。
人が入った形跡がある。
実は、ここにはこの間
見に来ていたので、
状況はある程度つかんでいた。
上に上る道がある。
行ってみよう。
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何のことはない、ベビーシッター
たちの拠点の裏に出た。
そこで、少し戻ると、 横に移動する道が見つかった。 その道を通っていくと、
完全に学校の裏手に出た。
おっと、車が止まっているぞ。
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だから、校庭に沿った道は通らず、 少し戻って森の中腹を進む。
下の方にあれば、
生徒達に見つかって
話題になっているだろう。
ファンヒーターに
ブラウン管モニター。
悪いやつはいるもんだねぇ。
下に沢が見えてきた。
3〜40年前の記憶では、まずこんなに森は茂っておらず、
砂地みたいな丘の中腹にそれはあった。
そして、学校の真裏だったはずだ。
中にはカマドウマがいっぱいいた。
そもそも当時はまだ生垣もなく、今道路になっている部分は川だった。
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下りていくと、もう学校だ。
そこまで下りずに、回り込んで
下りていく。
沢の底まで来た。何もない。
VHSテープが転がっている。
30年くらい前に学生が見飽きた
エロビデオでも捨てたのか。
しかし、森を振り返ると、黒くなっている部分があって、
どうしても気になったので少し戻った。
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目の前はもう、もと来た畑だ。 森に戻ってみたが、
黒く見えた部分の正体は
わからなかった。
木の根か ごみ溜めだったのか。
あるいは、防空壕も長年の風雨で
埋まってしまったのかもしれない。
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写真には撮れなかったが、
野生の猫がいた。虎柄で、
でっぷり肥えて木を渡っていた。
野球のボールが小川で関どまっていた。
もしかしたら、防空壕と野砲も、このボールみたいに
見つけられなかっただけで、年月の経過にかかわらず、
原形をとどめているかも知れない。
しかし、私の気は済んだ。
妻が心配して電話してきていた。
家に帰る潮時だ。

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