■2019年4月24日:暗殺者の潜入
原題:AGENT IN PLACE (2018年アメリカ) | |
著者:マーク・グリーニー Mark Greaney/- アメリカ生 |
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文庫初版:2018年8月25日 ハヤカワ文庫 | |
初版時価格: 860円(上下巻とも) | |
巻数:上下巻 | |
品番:NVク21-9,10 | |
管理人読了日:2019年4月15日 | |
映画化:未 | |
映画題名:− | |
映画主演俳優・女優: | |
日本語DVD化: |
私は品質保証の仕事を20数年しているが、
市場の要求は年々厳しくなっており、小説の世界も同様なのか、
ジェントリーの装備やトレードクラフト(諜報技術)についての解説は、
詳細を極めている。
ただ、一か所だけ間違いがあって、S80(イギリス製のライフル)を
一行だけS60と書き間違えている。
些細なことだが。
まあそんな高品質なこともあって、
おもしろくて1ページ1ページ読む手が止まらない。
プーケット滞在中に、のめり込んだ。
文字通り上下巻を1日あたり1冊読んでしまった。
本作品も舞台はシリアだ。
グリーニーは、架空の世界での架空の悪の頭目として、
アサド大統領とその妻にそっくりな経歴の別名の人物をあつらえた。
で、夫婦は家庭の内情と国政をごっちゃにしている。
要するに、こいつらは国の統治をする器ではない。
そしてお約束、ジェントリーはこのゴタゴタに巻き込まれる。
ジェントリーは彼が救出した対象がどこにいるのか依頼者に聞く。
依頼者の一人は、それはあんたの知ったことではない、と言う。
だが、依頼は引き受けてもらいたい。
虫のいい話だ。
ジェントリーは、シリアの大統領がどんな悪逆な手段を使って
悪の王国を統治しようと、
自分の祖国アメリカに立てつけるような国にはなるはずがなく、
お山の大将の域を出ない。
だから自分の知ったことではないと言えたはずだ。
だが、そうは言えないのがジェントリーの弱点。
なぜなら、彼は正義の味方だからだ。
いかに読者が感情移入できる作品を書くか、は作家の腕の見せ所だが、
グリーニーは下巻にてまさに読者が心中そう思いながら読んでいるところで、
ジェントリーにこう言わせる。
「あんたはクソの塊だ!」
というわけで今回も大暴れするジェントリー。
本書で起きた”事件”は現実には起きていないが、
そうなればどれだけ世界にとって良いことだろう。
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