■2023年6月18日:報復のカルテット
原題:THE CELLIST (2021年アメリカ) | |
著者:ダニエル・シルヴァ Daniel Silva /1960- アメリカ生 |
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文庫初版:2022年4月20日 ハーパーBOOKS | |
第2刷時価格: 1,440円 | |
巻数: 単巻 | |
品番:M・シ/1・11 | |
管理人読了日:2023年5月2日 | |
映画化:未 | |
映画題名:未 | |
映画主演俳優・女優:ー | |
日本語DVD化:ー |
コロナの影響後の世界を舞台にした小説を読むのは初だった。
本書はロシアがウクライナに侵攻する前に書かれたものだと思うが、
本書にて題材にしているのはロシアの悪事であることに変わりはない。
ダニエル・シルヴァはまた、トランプ元大統領が好きではなかったらしく、
21年のアメリカ議事堂襲撃も織り交ぜられている。
さらに、Qアノンという実在の陰謀論者(現象)も登場し、
昨年、元首相暗殺事件を起こした我が国の実情とも重なる。
それが、シルヴァお得意の600ページの長編で語られるのだからたまらない。
昨今はどこの先進国でも、国民が病んでいる。
豊かになりすぎて、
コンピューターを始めとする電子の世界としか話をしたことがない世代は、
日本ではアニメ、アメリカでは悪魔崇拝と違いはあっても、
現実とおとぎ話の世界の区別がついていないことでは同じだ。
本作で登場するロシアの大統領の表情は
”「電話口でずっと待たされている」といった感じで、
この男が西側諸国の元首に向かって虚実とりまぜた苦情
を一時間ほど並べ立てようとするときは、
決まってこれと同じ表情を浮かべる。”
これには思わず笑ってしまった。
ただ、お約束のアロンの取り巻きの顔ぶれには、
いい加減飽きてきたように感じる。
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