■2011年3月23日:VAIO Yシリーズ VPCYB15AH/S Review
SONYというメーカーは”囲い込み”、−それもセンスのない−をやるので大嫌いなハズだったのだが、
買ってしまった...AMDマシン。そう、AMDであるからしてSONYではないのだ。
・・・とまあ、動機付けはどうでもいいとして、SONYから発売されているAMD Fusion APU E-350搭載機を紹介しよう。
コードネームは以下の通り。
プラットフォーム:Brazos
APU:Zacate
CPU:Bobcat
コードネームについて詳細はこちらにまとめてあるので、参照いただきたい。
ようやくまともな(デュアルコアで1.5とか1.6GHzそこそこのマシン)CULVノートを手に入れた。
ご満悦である。
写真左:本体は成形品に単なるメタリック塗装を施したのみだが、 それで価格が下がるのなら甘んじて受けよう。全体のデザインは 包み紙のようなラウンド・フォルムで、十分受け入れ可能だ。 実際のところ嫌いなVAIOというのは例のいやらしい紫色であって、 そうでなければ問題ないのである。 |
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ステッカー類はキーボード上部に貼られている。 丁度良い場所を見つけたものだ。 |
モデルとスペックの表記。 |
電源ボタン兼ランプ。眩し過ぎるって。 | 本体厚み。ASUS Eee-PC 1215Tはだいぶ厚めだったので、 本機はかなり薄く感じた。Ferrari Oneと同等の薄さだ。 電源ランプはスリープ中なのでオレンジ色で点滅している。 |
本体左側面の端子類。d-sub、HDMI、USB2.0。 この位置のUSBポートは使い難い。 |
右側面。イアホンにマイク、USB2.0x2、LANポート、電源ボタンと続く。 さすがSONYだけあって液晶モニタのある天板パネルは薄い。 |
最近のノートのインジケータ類はこ洒落て小さく設定されているので、 見難くていけない。 |
本体正面下部。左手にメモリースティック・スロットと、マルチカード・リーダ、右手に無線LANスイッチを備える。
本機はタイで売られている物はWindows 7 Starter搭載である。このStarterというエディションは、
壁紙が変更できない他に、Aero/Glass表示も不可、マルチディスプレイ機能も無いとあっては、
誰も買わないだろう。何のためにこのような差別化をするのか理解できない。
というわけで気に入らないので、Home Premium x32 英語・DSP版を買ってきた。
またHDDも320GBであり少々少ないので、WDの2.5"で500GBのものを購入。
さらにメモリもAspire One 522の交換して余っていたものをぶちかました。
裏面カバーはビスを3本外せば比較的簡単に外せる。 やはりこうでないと。この部分を見る限り、 どうやらタイマーは付いていないようだ。 |
左が別買いして交換したWDのHDD。 右が元装備していた日立のHDD。 |
メモリを追加し、HDDを換装後のBIOS画面。 ちゃんとメモリ3GB/HDD 500GBと 認識されている。 |
【 スペック 】
・VISION区分: 無印
・CPU: AMD E-350 Socket FT1 Bobcat core 1.6GHz/L2=512KBx2/18W
・memory:
標準:Nanya PC3-10700 (DDR3-1333) CL-9 2GBx1 200pin SO-DIMM
追加:Kingston PC3-10700 (DDR3-1333) CL-9 1GBx1 200pin SO-DIMM
Channel数不明
・Chipset: AMD A50M FCH (Fusion Controller Hub)
・液晶: 11.6"(1366x768pixel) (つるピカ)
・Video: Radeon HD 6310 (integrated)
・HDD:
標準:日立 Travelstar 5K500.B-320/HTS545032B9SA00 総容量320GB/Cache 8MB
(実質容量298GB) SATA 3Gb/秒 5400rpm 2.5inch
購入時パーティション:単一ドライブ
換装:Western Digital Scorpio Blue WD5000BPVT-00HXZT1 総容量500GB/Cache 8MB
(実質容量465GB) SATA 3Gb/秒 5400rpm 2.5inch
・光学ドライブ: 無し
・Sound: ATI (Realtek) High Definition Audio
・LAN: Atheros AR8131 GbE
・WLAN: Atheros AR9285 IEEE 802.11b/g/n
・Bluetooth: 2.1+EDR
・Modem:
無し
・指紋認証装置: 無し
・マルチカードリーダー: Realtek製 USB2.0接続
・ports/slots: アナログRGB
port(ミニD-sub15ピン)/USB2.0 x3/ExpressCard: 無し
HDMIports: 1
・その他:
webカメラ、マイク
・OS:
標準: Windows 7 Starter
換装: Windows 7 Home Premium x32
・質量:1.46kg
・バッテリ: 6cell
・バッテリ駆動時間: 4時間
【 価格(VAT(付加税)7%込み) 】
本体:16,900THB (約45,630円)
カード会社からの請求は 46,551円、1THB = 約2.755円計算。内手数料約0.055THB)
(日本円の為替レートは3/6のタイ・バーツのレート 1THB = 約2.70円を参照)
HDD:1,600THB
OS:3,550THB
計:22,050THB (約59,535円)
日本での本機の販売価格がOffice 2010付で7万円前後であることを考えると、こんなものだろう。
WindowsがStarterでも気にしない人であれば、さらに安く済むだろう。
【性能】
Windows 7のWindows エクスペリエンス インデックスの評価点 | 最近Windowsの自動更新でインストールされるセキュリティ・ソフト、 「Microsoft Security Essentials」。未だ効果のほどは未知数だが、 「Windows Defender」とはまた違うウィルス対策ソフトが 無料でインストールされるとは、面白い仕掛けだ。 デスク・トップやASUS Eee-PC 1215Tではインストールされないのだが、 Aspire One 522にはインストールされた。Fusion APU専用の機能とか? それはないと思うが、何かしらインストール条件があるのは間違いない。 |
3D MARK 3Dのスコア
06:2241
11:P281
<3D MARK 06 SCOREの総合結果はこちら>
<3D MARK 11 SCOREの総合結果はこちら>
3D MARK 06のスコアを見てビックリした。デスクトップよりスコアが上なのである。
さすがにCPU性能はPhenom IIの方が上だろうが、
グラフィック性能がRadeon HD 4200系を上回っているということなのだろう。
Windows 7 Home Premiumでの使用感は快適である。
Office 2010を走らせてみたが、スムースに動く。
HPB V13はAspire One 522同様起動が不可能だった。
ちなみに、標準の320GB HDDにインストールされてあったWindows 7 Starterは
起動も、起動後の操作も無茶苦茶重かった。
バッテリー性能はいまいちである。POPに記載の4時間というのはあんまりだが、
さすがに6時間は持たないだろう。いいとこ間を取って5時間というところか。
充電100%の状態でプラグを抜くと、使用可能時間は”4時間半”と表示されるが、
その後何もしていないのに、2〜3分で10分ぶん位減ってしまった。
並み居るCULVマシンと比較したら、これは短い。
これはAMDやE-350の特性ではなく、”SONY”の方の仕様だろう。
バッテリー残量表示99%と98%で残り使用可能時間の表示がこれだけ違う。 これでは参考にならない。All CPU Meter等によるとCPUクロックの パフォーマンスは秒刻みで変化しており、バッテリー使用可能時間の表示は このことが影響していると考えられる。 |
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【 インストール 】
まず最初に箱の中を改めた際に、CDの類が1枚も入っていなかったので、
ははん、これはSONYだからあらかたリカバリ・ディスク自己作成式だな、と
考え、HDDを交換する前に現状で起動してリカバリ・ディスクを作成した。
リカバリ・ディスクはDVD2枚だ。
そしてHDD換装、メモリ追加後、外付けDVD±RWドライブをUSBポートに差し込み、
...BIOS起動キーが分からない。
マニュアルに書いてあるキーを押してもBIOSに入れない。
おかしいなあと思いつつF1〜F12までを一通りガチャガチャ押していると、入れた。
未だにどのキーでBIOSが起動するのか不明だ。
OSのインストールそのものは問題なし。ドライバの類もリカバリ・ディスクを入れると
「VAIO care」というアプリケーションが起動し、そこでドライバを始め必要なものだけ選んで
一括でインストールしてくれるので楽ちんだ。
私は前述の「VAIO care」というソフト以外、「SONY」或いは「VAIO」と名の付くものを始め
「SONY」、「VAIO」オリジナルのソフトは一切インストールしてやらなかったw
さて、インストール作業が概ね終了後、問題が発生。
「互換性が無いバッテリーが差さっています。「OK」ボタンを押していただければ休止モードに入ります。
バッテリーを取り外して下さい。詳しくは「バッテリーの安全なご使用方法」マニュアルをご覧下さい」
冗談ではない。誰が好き好んで「OK」ボタンなど押すものか。
この症状はバッテリーのみでの起動だけでなく、バッテリーを差し、尚且つ電源ケーブルも差し込んでいても発生し、
OS起動後しばらくすると以下写真の注意を促す窓が表示され、それ以上まともに操作が出来なくなる。
もちろん、バッテリーを外して電源ケーブルのみ差し込んで使えば問題ないのだが、
それはあまり間抜けだろう。バッテリーの欠陥とは考えていなかったので、標準のHDDに戻したところ、
やはりこの症状は発生しない。
何か解決策はあるはずだと考え、インターネットでエラーメッセージの全文を入力して検索すると、
あったあった、同様の症状の処置方法が。何のことは無い、ほんの少し設定を変えてやるだけで解決した。
というわけで別買したOSをインストールしてしまったため、「Fn」キーで操作する各種機能の変更
(ボリュームや輝度調節、タッチパッドやマルチモニタなどのセッティング)が行えなくなってしまった
(キーの割り当てが出来ていない)。どのアプリケーションが対応しているのか分からなかったのだ。
もっとも、いずれもソフトウェアで変更できるので多少不便だが支障は無い。
バッテリーのエラーを知らせるメッセージ。 | ”バッテリーの互換性”問題の解決方法が記されたwebページ |
【 付属品・その他 】
ACアダプタ。ASUS Eee-PC 1215Tのものより僅かに大きいが、 十分モバイル用と言えるだろう。 |
キャリングバッグ。耐衝撃か何か知らないが、中央が膨らんでおり えらく使い難い。このバッグは色を選ばせてもらえ、グレー等もあった。 他にもマウス、クーラー、クリーナー等を店のオマケとして進呈された。 |
【 まとめ 】
価格を考慮すれば、それなりに快適に動くと評して構わないだろう。
少なくとも、これまでに試したAMDのどのNetbook & CULVノートよりも高速だ。オフィス用途には十分である。
但しモバイル性能を求めているのであれば、他社の他製品も視野に入れて熟慮した方が良いだろう。
グラフィック性能に関しては高いポテンシャルを持っているので、
DVDの再生や、軽めのゲーム・プレイをする上では何ら問題はない。
今までノートPCでは考えられなかったようなことが可能になるだろう。
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