■2011年7月24日:タイの通関の怠慢と詐欺未遂事件
話題のモニタは下写真のような日程で到着した。
正確に言うと届いたのではない。取りに行ったのだ。
こちらは日本の郵便局でのEMS追跡画面。 | そしてこちらがタイのEMSの追跡画面。19日に受け取っているのに、今日になっても 14日の状態のまま更新が停止している。この辺にもタイの国民性が表れている。 |
7/8に問い合わせして9日に振込み、11日に入金され、12日にはショップから日本を発送してくれた。
間に3連休だか4連休を挟んだので受け取りは約一週間後の19日だったが、
連休が無ければ15日には受け取れただろう。中2日で届く計算だ。
そう考えると海外発送の分際で驚異的なスピード配達である。
十分に迅速な対応と評価して差し支えないサービスだろう。
但し、それは物流関係の業者に限っての話である。
タイの税関職員達の怠慢ぶりを暴露したい。
7/12にショップを発送してもらって、
日本とタイのそれぞれのEMSの追跡ページで荷物の動きを追って行き、
どうやら14日にはタイに入って来ているようなのだが、
郵便局に電話して訊くと、配達は15日の午前になるとのこと。
7/15-17は我が社は3連休で、15日は郵便局も休みではないかと心配になり、先回りして連絡したのだ。
どう考えても関税が掛かるはずで、確か以前ビデオ・カードをタイまで送ってもらったときは、
会社の運ちゃんに取りに行って貰って、金と引き換えに引き取ったのだ。
ところが15日の午前中、待てども来ない。
書類だけなら、EMSで送ってもらっても発送日から中1日あけて2日目には届くのだが...
そこで、再度郵便局に連絡をすると、まず今回受け取れるのはスクンビットの外れの
プラ カノン支局から来る受取状だけで、プラ カノンでは物品の保管はしていないので、
郵便局側からは関税が幾らなのか分からないという。
荷物は受取状を持って税関に取りに行かなければならない。荷物は未だ税関側で開封しておらず、
受け取り主に来てもらって一緒に開封し、中身のチェックをしなければならないのだそうだ。
さらに税関は仏教の休みなのだか何だか知らないが、18日まで4連休なので、
引き取れても19日の火曜日になるという。
税関はフア ランポーンにあるとのこと。
フア ランポーンと言っても鉄道の地上駅と寺と両方有り、両者間はかなり距離がある。
どちらなのか聞くと地上駅の方だと言う。BTS駅のSam Yanとか寺とかCHAMCHURI SQUAREが無い方だな?
と訊くと、そうだ、そして配達はしてくれないので引き取りに行って金を払わなければならない、とのこと。
妻に取りに行ってもらうしかないが、何であんなところまで行かなきゃならんのかね...
タイ世間ではこの3連休が企業によって2連休だったり4連休だったり色々あるらしいのだが、
せっかく3連休に遊べると思っていたのに、荷物は届かないわ、休みの日でも仕事の電話は掛かってくるし、
何が悲しくて休日にストレスを感じなければならないのか。まるっきりやる気が失せていく中、
何とか自分を取り戻し、気を取り直して再度訊いてみた。
とにかく分かった。で、その受取状とやらはいつ持ってくるのだ?
「ウチの局員は配達に行きましたが、建物が閉まっていたので持って帰って来ています」
私が住んでいるアパートは3棟構造になっており、休日は一部の棟はオフィスが閉まっていることがあるのだ。
今朝は朝飯を買いに行くとき見掛けたところでは、オフィスには人がいたので変だと思い、下まで見に行くと、
なるほど、確かに人はいるが扉は閉まっている。そのガラス戸を叩いて中にいる野郎に開けてもらい、
郵便配達は無かったか訊いてみると、「何も来ていない」という。
いい加減うんざりしながらまた郵便局に電話すると、「そうです、扉が開いていなかったので引き返したのです」
双方のバカさ加減に怒りが湧きあがったが怒っても受取状が届くわけではないので、
冷静に配達員の電話番号を聞き出し、彼にもう一度持ってきてくれと頼んだ。
彼は14時には再度アパートに着くと言うので、着いたら取りに下りるので、再度連絡するよう頼んだ。
配達員は時間通りに来た。彼の言い分では「オフィスの従業員に受け取りを拒否された」のだと言う。
分かる話だ。要するに扉を開けてくれなかったということなのだろう。
ここのアパートは以前は居た警備員を解雇して、前は警備員が開けてくれた電子ロックをわざわざ住人が
開けなければならなくし、さらに開けっ放す輩がいるということで開いている間はブザーが鳴る仕様にするなど
(開けっ放しにしているのを見つかると500THBの罰金らしい。ビデオモニターも有り、
そこまで設備を揃えるのと警備員を解雇するのと、どちらが節約になるのか分からない)、
サービスの質が向上するのではなく、低下するという信じられないような対応をするところであり、
従業員も無愛想だし、白蟻もうじゃうじゃいるし、ろくなところではないのでもう直ぐ出て行こうと考えているのだ、
と配達員のあんちゃんに愚痴をこぼすと、彼はうんうん、と相槌を打った。彼には労いの言葉を掛けてやる。
関税というのは、役人の給料になるものだ。何故そんなものを払う為に連休を待たなければならないのか、
意味が分からなかった。インターネットでのEMSの追跡サイトは14日の10時で止まっていた。
それ以降は休みに入り、翌週もそれ以上更新されなかった。
もうこの国には本当にうんざりだ。今すぐにでも何処か余所の国に高跳びしたい衝動を抑えるのに苦労した。
並みの神経の持ち主であれば、のらりくらりと楽しよう、楽しようとする連中が相手では気が狂うことだろう。
妻がいなかったら今頃とっくに会社を辞めてイスタンブールにでも旅行しているところだ。
ベルダンディーみたいな(褒め過ぎか?)奥さんを悲しませるわけにはいかない。
これがその受取状。受取状には税額の記載が無く、ここに書いてある税関の電話番号に 電話したが不通だった。休館なのだろう。 宛名である私の名前が書き間違えられており、それが堪らなく哀愁を誘った。 こんなもののために休日を半日フイにした。この書類はオール・タイ語であり、 手助けが無ければ読解は困難だ。 |
結局、関税は3,150THBだった。モニターそのものの価格はこの値段であり、
送料も含めて(そんなものが課税対象だとしたら聞き捨てならないが)125,800円を前提に
タイバーツに変換すると19日のレートで1円 = 約0.379THBなので、約47,678THB、
これにVATは7%だとすると約3,337THB(約8,811円)なので、まあそんなものだろう。
ご丁寧に領収書まで寄越した。
以上の説明で、普通に待っているだけではいっこうに荷物は届かない
ということがご想像いただけることと思う。
ちなみに、関税は「パー シー(税金) スン ラ カー コーン(税関)」と言う。
モニターがタイの郵便局に届き、せわしなく待っているとき、
携帯電話に怪しげな電話が掛かってきた。
「○○○○様でしょうか?こちらはショップ・ラッキーです。お客様にご注文いただいた
iPod(だか)iPadの部品を(この場合はアクセサリーと考える)入荷致しました。
送付先はどちらでしょうか?メッセージ(ここで言うメッセージというのは携帯電話のSMSのこと)を
お入れ下されば早速対応させていただきます」
まず、私の名前だがピッタリではないものの、覚束なげな発音でそれらしい苗字を
述べている。まあ、相手はタイ人なのでこれは致し方ないと考えた。
次に、”ラッキー”というのは郵便局のバンコクに於ける本局である「ラックシー」に
非常に近い発音であり、私は最初真に「ラックシー局」からの電話と勘違いした。
次に荷物であるが、iPodだのiPadだのアップル嫌いの私がそんなものを注文するはずがない。
しかしタイ人など皆が皆電気製品を買えるような身分ではないので、これも間違えても仕方が無い。
私が「でかいモニターか?コンピューター用の?」と訊くと彼はそうです、そうです、と調子を合わせてきた。
それが「iP**」系ガジェットのアクセサリなのかよ? という話だが、ともあれここでも私は騙された。
発送をどうしましょうか?という段階で、私はまた気が急いて
注文した店は住所をアルファベットで書いてきているはずなので、
彼は恐らくアルファベットが正確に読めず、住所が分からないのだろうと考えて、
「引き取りに行こうか?」と訊いてしまった。彼はそれでも良いと言う。
アルファベットが読めないタイ人など幾らでもいる。現に妻の妹さんにコンピューターをあげたところ、
「SET UP」を「セットゥップって何?」と訊かれ、爆笑した覚えがある。
さらに彼は”私”が注文したのだという。まあ確かに注文は、した。
ただ彼は私が電話で注文したのか店まで赴いて、例えば店頭に無かったので
そこで注文したのか、その辺のところはお茶を濁した。
この辺で私は怪しいと思い始める。
私は日本のショップに注文したのだ。タイの店に発注したのじゃない。
そして彼はこの後致命的なミスを犯した。
「発送をどうすれば良いのかメッセージを入れて下さい」
これはどう考えてもおかしい。
送り状に書いてある住所には送れないのか?それとも文字が読めない?
何故今口頭で伝えてはいけないのか?
電話で何か注文した後、また再度メッセージを入れてリコンファームすることなど他にあるか?
そもそも電話で注文するだけで電気製品を買えるのか?
お前らはケチだからいつもこぞって先に金を寄越せと言うではないか?
大方メッセージを入れることで注文が確定するシステムなのだろう。良くある手口だ。
試しに送り状に書いてある私の宛名をフルネームで読んでみろ、と言うと、
彼はお名前のフルネームはありませんと言う。
そんなわけねえだろ。
彼は最後に、彼自身何故自分のところにこの電話番号から注文が入ったのか分からないと言う。
さらには、そういうわけなので自分からはもう2度とこの電話番号には電話を掛けませんと、
まるで自分が被害者であるかのように大仰にのたまう口調に腹が立ち、
「お前はこんなことをしょっちゅうやっているのか」と訊くと、電話は切れた。
消費者の”早く欲しい”心理に付け込んだ巧妙な手口であり、非常に悪質な手段で、許しがたい行為だ。
さらに動きが荷物の輸送状況とリアルタイムに近かった為、大変危険だ。
外国人同士のやり取りで、会話がまともに成立していなかった点も事態を複雑にした。
相手が日本人であったら、最初の導入部分で間違いに気が付くだろう。
さて、ここで問題なのは、彼が当の犯人なのか、それとも彼も騙されているのか、である。
では何処私の名前と電話番号が漏れたのか?
モニタを発注した店が売ったのだろうか?日本のショップがタイに伝手を持っているとは考えにくいが、
例えば犯罪の国際ネットワークに売ってさらに転売されたとか、可能性は幾らでもある。
またタイの郵便局の係員が片手間に客の高価なモニタに目を付けてやっているのか、
それは分からない。
実際、ずっと前にメールアドレスを売られたことはある。
とあるインターネット・ショップでノートPCを購入したところ、
翌日から急に膨大な量の迷惑メールが届くようになった。
間違いなくこれはショップが顧客のメールアドレスを売っている。
本来購入した店舗の情報は、快く対応してくれたので出来れば掲載したかったのだが、
前回載せなかったのはそんな事情があったからによる。
そして、売られたのが名前と電話番号だけなのか、他の情報も漏れたのか?
銀行の口座番号が利用されたとすれば、少し時間が経たば分かるだろうが、
恐らく真相は永遠に分からないだろう。
訊けば奥さんの方にはクレジットカード詐欺など、かなりの頻度で携帯電話に
詐欺紛いの電話が掛かってくるそうである。
悪質な詐欺事件が国を問わず本当に身近に起きる時代になってしまった。
空恐ろしい限りである。
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