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Dog Diary - Melanie Walsh -


■2019年2月24日:メラニーの火葬

わざわざ休日を選んで死んでくれたメルのために、
すぐに火葬することにした。

最後まで飼い主の便宜を図ってくれた良犬だった。
妻が「あなたがいないときに死にたくなかったのよ」と言った。

実をいうと死の前日、飼い主は元上司の送別会があり、
気が気でなかったのだ。
不謹慎だが、内心ではそんなことをしている場合ではない、という心境だった。
だから、心の中で一人で叫んだ。


さて、寺といってもやはりよく聞くと、直接寺に持って行けるわけではなく、
病院経由になるとのこと。

そこで、朝だったので、あの病院は、
まあ都会のタイ人はみんな朝のスタートが遅いので、
出かける前に一回電話した方がいい、といって妻に電話してもらった。

予想通り、要領を得ない係員が、
空いているのは14時か15時だと言った。
14時に預かって冷凍室に入れ、火葬は15時だという。
理由は、それまで空いていないから。
そして、亡くなったのはどこの支店かと訊かれた。

??

要するに、どこの病院で死んだのか、と訊かれているのだ。
我々は家で死んだ、と伝えた。

しかしながら、係員はいちいち料金がどうのこうのと説明するため、話が進まない。
私は奴(男)の発言を遮って聞いた。

「そんなことはどうでもいいから、今日中に火葬できるのか?」
奴はそういうことでしたら、午前の枠が空いていますので、
10時にお迎えに上がります、とのこと

てめぇ・・・もう一回同じボケをかましてみろ。
メルが逝ったのと同じところに送り込んでやるぞ。

我が家に迎えの車を寄越してくれるとのこと。
それは良かった。犬を連れていると乗車拒否するタクシー運転手が多く、
まして遺体となると・・・心配していたので、これは嬉しい配慮だ。


妻がマリーが戸口で座り込んで震えている、と言った。
どうしちゃたのかしら、ミルクの飲ませすぎかしら?と言ったので、
私のさっきの怒声を聞いておびえているのだろう、
抱き上げてあやしてやってくれ、と言った。

妻はその通りにした。
案の定、マリーの震えはすぐにおさまって、
食後のこととてスヤスヤ寝入ってしまった。

また妻は尊敬のまなざしで私を見た。
ふふん、私は犬マスターなのだ。
繰り返すが、人間の赤ん坊をあやすなど死んでもごめんだ。


9時頃電話があり、車はもう病院を出たとのこと。
またお経はお唱えしますか?と訊かれたので、
いらんと答えた。
念仏と生き物の死は関係ない。
では火葬後、遺骨(クドゥー、骨の意)は要りますか?
との問いには、もちろん要ると答えた。

この2点は事前に妻とも話し合っており、合意していた。

ここでもまた料金の話が始まった。
それで、遺骨を引き取るのに寺院で2,3時間待つだろうとのこと
待てない場合は、後日引き取りに行かなければならないらしい。

9時40分になっても車が来ないため電話したところ、
繋がったころにちょうど車が入ってきた。

車は寺まで直行してくれた。
運ちゃんは当然だが病院の係員で気のいい人物で、
自身も犬を飼っているという。

道中犬の話で盛り上がった。

彼はカンボジア人なのだそうだ。
だが犬を飼うのに国籍は関係ない。
同好のもの同士、話が合う。

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これがその寺院。
住所はこちら
私の家は右上の"Google Chrome"を入手の窓の隣に書いてある、
”KHLONG TAN NUEA”という文字の近辺であり、
そこから20分ほどだった。
寺の名前は
ワッ クン トゥーイ ナイ
ン トゥーイというのは地域名で、
直訳するとクン トゥーイにある寺、
という単純な意味になる。
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この車で送ってもらった。
料金は全部でTHB 3,300。
なんとカードが使える。
なおこの日のタイ・バーツは
1THB = 3.46円。
学校もあるみたいだ。
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ここが焼く場所。 左手が炉になる。
やっぱり犬猫用の施設のようだ。
右手は受付になっている。 犬用の棺まで。

ここに着いたのは丁度10時くらいだった。
全然客はおらず、私たちの前後に1組みずついただけだった。
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こちらが建屋右手の待合室。 土足禁止で、きれいな
トイレもある。
何でも、王室の人たちも何回も
利用しているらしい。
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メルにお別れのキスをして、
妻と二人で泣いた。
この写真を見るたびに泣けてくる。
さようなら、メラニー。
あの世で会おうな。
これはメルを焼いた炉ではないが、
隣の炉の写真。
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寺を出て左手。 これは右手。 左写真に写っている露店。

ここは思いっきりローカルな地域だった。
付近には色んな露店があった。

暑い日で、アイスコーヒーを買ってくるよ、と妻に言って外に出て、
コーヒーショップを見つけてカプチーノとラテを注文したのだが、
店のおばちゃんは全然注文を覚えられなくて、2回も聞き直された。
そして、コーヒーが出てくるのにもやたら時間がかかった。

待っている間、泣いていた。
今日はいくらでも泣いていい日だ。
寺のそばだし、見られても誰も怪しむものなどいない。

そのうちに、妻から電話がかかってきた。
火葬が終わったとのこと。
1時間も掛からなかった。

直後、コーヒーも出来上がった。
やり取りを聞いていた店のおばちゃんが、
どうも遅くなってすみません、と謝った。
いいえ、別に急いでないから。
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これがメラニーの骨。
出てきた直後は、まだメルの匂いがした。
これが辛かった。
この日ほど死にたいと思ったことはなかった。
何でメルはこんな骨の欠片になってしまったのに、
自分はまだ生きて呼吸しているのか?
メルは死の間際、呼吸困難になっていた。
自分に清浄な空気を吸う資格などあるのか自信が持てなかった。
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左折して歩いて大通りまで行って
タクシーを捕まえようとしたところ、
通りかかったおばちゃんが
右の方が近いですよ、
と教えてくれたので、
そのようにした。
こういう細い路地が何本も
枝分かれしているが、直進する。
路地には番地も付いている。
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2,3分歩くと、明かりが見えてきた。 大通りだ。
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出て左に寺までの道先案内が。
車が入れる路地ではないので、
行きはこっちから
来なかったわけだ。
出て左手 出て右手
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遺骨は燕尾色の袋に
入れてくれる。
ただ、隠ぺいしていないので
粉が落ちるため注意。
遺骨は、最初ひとつ取っておこうと
考えつつ、
鋼線を探そうとしたのだが、
見つからなかった。
それで、残す骨を分類するうちに、
涙が出てきた。
大きめの骨を選り分けたのだが、
なかなか決められなかった。
最終的に、足の骨らしき4本を
取っておくことにした。
妻とマリー。
マリーがいなければ、
私たち2人とも耐えられなかった。


午前中に家に帰ってこれた。

メルが死んでこんなに悲しいのは、ひとつには死が判明してから急だったからだろう。
暮れの時点で、そろそろダメかな、くらいに感じてはいたが、
だからといってすぐ死ぬとは考えていなかった。
よもや翌月とは・・・
あまり闘病生活が長引いてもつらかったと思うが・・・

メルは今度田舎に帰ったときにでも、お寺の妻のお母さんのお墓の横にでも埋めようね
(さすがに勝手にできるわけではなく、寺院に相談が必要)、という話をした。



ところで、葬式用語のタイ語をまとめておいた。
人間の葬儀には不足だが、相手が犬ならこれで足りるだろう。
ソッというのは死体とか遺体のこと。
通夜を表すスア ソッというのは、
直訳すれば死体に向かって唱える、という意味だ。


この日はお気に入りの店、勝浦水産にて妻と二人でメラニーの通夜を開いた。

後日、メルのエサで開封していないものは病院に寄付した。

本件で妻は2kg体重が減ったらしい。
私もベルトが緩くなっていたので、体重が減った自覚はあった。
二人とも、死んだ娘の分まで生きなければならない。


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